Monologue at Park Wellington
2024-03-19T09:01:32+09:00
windypapa
好きな音楽やスポーツの話題
Excite Blog
「盤」付けゲーム
http://windypapa.exblog.jp/33903213/
2024-03-18T21:26:00+09:00
2024-03-19T09:01:32+09:00
2024-03-18T21:26:27+09:00
windypapa
オーディオ
169cmの小兵ながら抜群の運動神経としたたかさで楽しませてくれた。
土俵下から垂直跳びよろしく土俵にヒョイと飛び乗る仕草や、目一杯塩を撒く姿(自分で巻いた塩に足を滑らして負けた一番もあった 笑)、足取りなどの奇手で土俵を沸かせたが、糖尿病などで苦しみ幕下に落ちついに帰ってくることはなかった。
この人と翠富士の小兵二人が土俵入りの後に小走りで支度部屋に戻って照ノ富士の太刀持ちをする姿が微笑ましく、大相撲の観賞に彩りを与えてくれたが、もうその姿を会場で見ることは無くなった。
その翠富士が今日は見事な肩透かし(伝家の宝刀!)で大関を破ったのは兄弟子に対するせめてもの花向けだろう。
これからの人生に幸あれ。
さてその後のDS Audio Master1は如何に?
2週間のハネムーン期間を終えてそろそろアラも見えてくるところだが、その兆候は全くない。
レコードラックからヴィニルを取り出すたびに新しい発見に驚かされ、埋もれていた音ー今まで気づかなかった音ーに唸らされるのだ。
旧知のヴィニルを、あるいはずっとご無沙汰のヴィニルをプラッターに載せ針を下ろすのが楽しくてならない。
ワクワクドキドキの毎日なのだ。
何がそんなに楽しいかって、音がイキイキと弾んでいるのだ。
大袈裟に言えば生命力が宿っているとも言える。
それはSNの良さ、解像力の良さ、そして低域から高域に向かうレンジの広さ、などに裏打ちされているのだが、単に物理的特性の良さだけでなく、ヴァイタルな要素が大きい。
Western ElectricやSiemensなどの古典球アンプの音が持つ、ヒトの感情を揺さぶる力に相通ずるもの、といっても差し支えあるまい。
もちろん物理的特性は古典球アンプとは比較にならないが、エモーショナルな部分で相通ずるものがある、という話だ。
(物理的な面で言えばどちらも強力な電源部に支えられているという共通点はある)
ヴィニルであるゆえ、当然盤によって再生音の出来不出来はつきもので、それはMaster1でも例外ではない。
MMやMCで聴いて素晴らしい盤はMaster1でも素晴らしい。
仮にヴィニルの再生音にグレードをつけた場合ー優秀なものからA〜Dとしてみようか。
従来のMM/MC再生 DS Audio(Master1 EQ)再生
A:横綱 アナログの醍醐味を堪能できる優秀盤 AA~AAA:極上+α さらに突き抜ける!
B:大関 聴いていてまずまず楽しい BB~A:ほぼAなみ おぬしやるなあ
C:幕内 まずまず B〜A:化ける!みくびってすまん!
D:十両 あまり聴く気がしない CC〜BBB:充分リスニングに耐えるぞ!
E:幕下 ラックの肥やし E〜BB:総じてマシだが大化けもあり
とこんなふうに評価できそうだ。
特に嬉しいのが今までC以下のヴィニルがその真の姿を表したときだ。
今までDがBBになった例① フェイセズのライブ盤 "Coast to Coast Overture and Beginners"(日本盤)
ライブで肝心なリズムセクションが引っ込んでいて面白くなかったが、Master1 EQでは俄然それが前に出てきて大活躍だ。いくらロッド・スチュアートとロン・ウッドが人気者でも山内テツのベースとケニー・ジョーンズのドラムスがなくちゃあ始まらんでしょ?
C→Aの例としては五輪真弓の渋谷ジャンジャン・ライブ
元々通常より目立ってフィーチュアされていた高水健司のベースがグングン弾み、うねりを産みだし、五輪の歌う姿もクッキリと舞台の上に見えるようだ。
Master1 EQはこの盤に限らずベースのブルンブルンと弾むさまが顕著に現れ、いとおかし。
今まで出ていた低域は「単に出ていた」に過ぎないと気づかされるのだ。なんてこった!
ラストの「煙草のけむり」の疾走感、ダイナミズム、発熱、う〜む、すごい。思わず声をかけたくなる。
D→CCCの例としてザ・ピーナッツのさよなら公演ライブ盤
B面のザ・ヒットパレードと銘打った60年代から70年代初めの洋楽ヒット曲メドレーが懐かしく気に入っていたが、再生の楽しさはあまり感じることのない盤であった。
それがMaster1 EQでは高橋達也と東京ユニオンのビッグバンド・サウンドがまるでライブのように炸裂、応援の中尾ミエの若々しく芯のある歌声も素晴らしい。(ピーナッツの声は声質から中尾と比べてどうしても線が細くなるが、それなりに楽しめる)
文句なくランクCCCに格上げだ。
そして今これを書きながら聴いているのがベルリオーズのレクイエム(マゼール指揮クリーブランド管 London OSA12115)の第1面だが、オケを両翼に並列配置した(確かそうだったと思う)超絶大編成オケによるスペクタキュラーな演奏が、怒涛の出足で迫る迫力ときたらどうだ。2面のREXのコーラスも解像度が上がり、パートごとの発声が手に取れるよう。
生命力溢れる歌声がダイナミックに広がる快感が五感を満たす。うう〜ゾクゾクするぜ。
コーラスの場合、MM /MCでは大音量再生で目立っていた高域歪成分が光学カートでは減って聞きやすくなるのも高評価の一因だ。磁力歪と関係あるのだろうか??
ともあれ、今までは解像度と低域の再現性の浅さでここまでの音は再生できていなかった。参った!
文句なくC→Aに昇格!
KISS ALIVEでも幕開けの”DEUCE”の冒頭でマグネシウムが爆発し観客のヴォルテージを上げるのだが、手持ちの日本盤ではその音がボワーンと聞こえる。
真保康一郎氏の「初盤道」によるとボブ・ラディックのカッティング盤は「最初のマグネシウム、ドカーンがまさにドカーン!なのだ」そうだが、Master1 EQで聞く日本盤もかなり「ドカーン!」している。笑
これもC→Aの昇格組だ!
と、こんなふうに他愛もなく毎日ランキングの見直しを行って楽しんでいるのだ。暇だね〜。
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雉子を射んとして猪を仕留める
http://windypapa.exblog.jp/33886519/
2024-03-09T21:18:00+09:00
2024-03-13T08:27:38+09:00
2024-03-09T21:18:30+09:00
windypapa
オーディオ
みぞれ混じりの雨、のはずがしっかり積もっている。3月というのに・・・ワンコも冷たい路面を嫌がって用を足したら這々の体で早めに散歩を切り上げだ。
駅へ向かう道に咲く寒桜も雪化粧。なかなか乙なもの也。
さてWadia 21を手放した穴埋めの話だ。
デジタル製品をヤフオクやUSED品でいろいろと検索するが、なかなかピンとくるものがない。
どれが現存のdCS Purcell & Deliusの音を超えるのか。
もちろん予算の範囲内で。しかも飛び降りるのは清水ではない。せいぜい縁側の高さだ。笑
どうしたものかと思案するうちに「あるもの」に行き当たった。
いやこれはさすがに筋違いだろ、と思いつつ見守っていると思いのほか値動きが重たいのでちょっかいを出したらつい熱くなってしまい、最後の競り合いを制して落としてしまった。
雉子を射止めようとして猪を仕留めてしまった? というくらいのお門違い。
その猪が先日届いた。
なんという重さだ。
Jeff Rowland model 2の横でも見劣りせぬ体躯である。
重量も24kgとちょっとしたパワーアンプ並み。
DS Audio の第2世代のフラッグシップだったMaster 1 フォノイコライザーだ。
現行第3世代の旗艦はGrand Masterといいとんでもない値段だが、昨年6月までのフラッグシップを入手する幸運に恵まれた。
店頭の展示品だったのか、シャーシ上蓋は透明なアクリル板で、内部の純銅製バスバーとその隙間から巨大な電解コンデンサーを眺めることができる。
以下商品説明より。
「イコライザーは、ディスクリート基板かつ左右完全別構造で構成。左右チャンネルに各々トランスを配置し、カートリッジの動作に使用している赤外線LED用にも専用トランスを使用している。
出力はRCA出力だけではなくバランス出力(XLR出力)も追加。振幅比例型は低域の感度が高い為、3段階の低域カットオフを標準装備している。
120,000μf電解コンデンサーを12本使用した、パワーアンプ並みの電源構成を採用。またインピーダンスを下げる為に120,000μFの電解コンデンサー同士の接続は純銅製バスバーを使用している。」
いやいや待てよ、Wadia 21の代替、だろ? なんでフォノイコなんだ?
う〜〜む、結局今現在のオイラのデジタルとアナログへの信頼の深み(依存の度合い)がこういう選択を導き出したのだ、と思う。
ふ〜ん、で、カートリッジもMaster 1をゲットしたのか?
いや〜、今回はフォノイコで精一杯 汗
なんじゃそりゃ?
侮るでないぞ!エントリーモデルのDS E1カートリッジでもMaster1で聴く再生音は今ままでの光学カートリッジの音とは桁違いに頭抜けたものじゃ!
そう、飛び出してきたのはまさにとてつもなくぶっ飛んだ音である。
以前からDS Audioの音は従来のアナログカートとは一線を画す音、と申し述べてきたが、今回の音は一気にアクセルを踏み込み彼岸の音を想像させる音になった。
再生領域の広がり・強靭かつ底深い低域とか分解能・臨場感の高さとか、並べ立てる言葉はいくつもあるが、テレビ番組の芸人の軽薄な食レポのような美辞麗句を並べ立てる愚は避けよう。
敢えて一言言えば「生命の宿る」音だ。
それは単に力強いだけでなく、しなやかさ、生命の儚さ、切なさをも感じさせる音なのだ。
こんな音は初めてだ。
1枚、また1枚と取っ替え引っ替えGoldmund Studioのターンテーブルを舞台に新たな物語を聴く毎日なのだ。
で、デジタルはどうするの?
・・・・・。
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桃の節句にWに別れを告げる
http://windypapa.exblog.jp/33871688/
2024-03-04T20:51:00+09:00
2024-03-05T12:25:18+09:00
2024-03-04T20:51:24+09:00
windypapa
オーディオ
朝夕は冷え込むものの寒桜は咲き誇り菜の花も黄色く自己主張し杉花粉は舞い、要するにすっかり春めいてきた。
恩田川沿いの寒桜
散歩道に咲く菜の花
近所の尾根道から眺める丹沢山系もくっきりと見える。
3月2日は高校3年時のクラス会で横浜に集ったが、鶴屋町界隈の再開発による変貌ぶりに驚いた。
ピンサロ・ソープのコンバット地帯はもはや見る影もなく衰退し、未だ踏ん張っている店の真ん前には超高層ビルが竣工し、これはもうゲームセットの様相だ。
かくて横浜も浄化され骨抜きになるのだ。
何を今さら。野毛や黄金町、伊勢佐木界隈を見ればそんなことはもうわかっていたろうに。それに街が健全化し安心して暮らせるようになるのは良いことじゃないか。
それはその通りだが。我々人間のどす黒い欲望や衝動に蓋をして全て暗渠に流しその上に綺麗事の街を作るっていうのもなんだか虚しいぞ。
1971年に横浜市民となって以来大学や仕事の都合で別の自治体に何度も身を寄せながら一貫して地元意識を持ち続けた土地が、いやはやここまで変わっちまうとはなあ。
日付が変わって3月3日、孫娘の初めての桃の節句を祝い、あらためてすっかり爺さんの気分を味わってきた。やれやれ。
まあいい、週2回のエアロビとマシントレでせいぜい肉体を強化しキモいジジイになってやる。笑
さて随分と話題がご無沙汰のオーディオだが、ブログに上げないだけで毎日あ〜でもないこうでもないと悩み楽しむ日々を送っている。
いや、違うな。以前記したようにリスニングルームの音場の左右バランスが改善されてからは総じて安寧な日が続いている。
喜ばしいことだ。
特にJeff Rowland synergy II がめきめき実力を発揮し、その静謐さとレンジの広さで今は主戦プリの座に君臨している。
と言っても南アルプスの天然水のような清らかな音に宗旨替えしたわけではない。エナジーと臨場感はシステム最大のミッションのままだ。
おそらく音場改善でグッと音の密度が増したため、Synergy IIのサウンドの「薄さ・素っ気無さ」と勝手に思い込んでいたキャラクターが書き換えられたのだと思う。
いつものことだがせっかく手に入れてもこちらのウデが至らずその本来の実力を引き出しきれない機器のなんと多いことよ。
今まで離別した機器に申し訳ない気持ちがわく。許せ。
もう一つ復権したのがDS Audioの光カートリッジ&フォノイコの音である。
今までもそのノイズレベルの低さ、アキュレートでレンジの広い再生音には一目置いていたが、トーレンスユニット(従来方式カート&フォノイコ)の叩き出す桁違いの迫力ある音には及ばぬとたかを括っていたのだ。
それがこの年明けから〜つまり音場の改善時期から心地よい「圧」と「熱」を発するようになり、トーレンスユニットの牙城を脅かしている。
このアナログ2種はしかし二者択一の性格ではない。光学カートリッジの音はマグネット式とは遠い遠い、カテゴリーの違う音なのだ。
いずれにしてもこれは面白い。おぬし、化けたな。ってなものだ。
このDS Audioユニット、デジタルのテコ入れを行うための資金源として算段していたのだが、その目覚ましい覚醒に免じて手元に置いておくことにした。
なんという優柔不断さよ。
一方デジタル再生はといえば、「そこそこ」良い。
いやデジタルだけ聴いていればその臨場感・浸透力といい熱・圧といい自分史上かなりいい線行ってるのだが、アナログと比べると分が悪いのだ。
そこへ持ってきて昨年後半からオーディオの友人たちがデジタル再生に並々ならぬ決意で臨み半端ない投資とその目覚ましい成果が聞こえてきているのだ。
他人は他人、己は己というけれど興味は募る。募れども聴いたところで軍資金がなければ何もできない。だったら聴かないに限る。笑
と痩せ我慢で耳を塞いでいたが、ついに怖いもの見たさ(聴きたさ)に屈し、パンドラの箱を開けてしまったのがバレンタインデーのちょっと前。
DACマイスターのO氏宅を再訪したのだが、新規導入された弩級CDトラポと特殊な接続を行うカスタムメイドのディスクリートDACで再生される音は、これもまたスペシャルな増幅段と音声変換装置によって僕の聴覚にインパクトを与えたのだ。
当日の目玉はなんと言っても弩級トランスポートとディスクリートDACの組み合わせだったが、こちらのお宅に伺うと「ドイツ式物理学」の音声変換装置、いやまだるっこしいな、German PhysiksのDDDシステムから放射される3次元サウンドにまず耳が驚かされるのだ。
我が家のホーンシステムとは音の出方がまるで違う、しゅうしゅうと音が香り立ち部屋を満たすような感覚である。
一つ一つの成分が吟味され純度が磨き上げられた音の粒子が全方向からリスナーを包んでいくような感覚、とも言えようか。
そして以前のトラポと新規トラポの聴き比べではなるほど確かに一つ一つの音の成り立ちが別物のように変化し、より自然で説得力ある音に変わっている。
いやはや参りましたね。
何に参ったかと言ってやはり新規導入の弩級トラポの重厚かつオリジナリティ溢れる外観の佇まいとその動作の様子ーこれがCDトランスポートの原器だと言われれば納得するしかない佇まいだーであり、またO氏の編み出した独自の信号接続方法とそれを受けるディスクリートDACのクオリティだ。
そして何よりもそれらを追求するO氏の姿勢と熱い欲求だ。良い音を求める欲望だ。情熱だ。
こちとら音場が揃ったという基本条件をクリアしたくらいで安心し自分の城に籠って唯我独尊を決め込んでいたところ、ガツンと鉄槌を下されたような格好だ。
最寄りの駅前のビストロで美味いワインを飲みながらの二次会はこれから我が家のデジタルをどうしようかという作戦会議?の体となったが、う〜むと頭を抱えるばかりである。
かくして久々に訪れた心の平安は崩れ、またもや煩悩の虜となったのである。笑
しばし思案ののち最初に打った手は、我が家のデジタル将軍Wadia 21との別離である。
主を失い茫漠たる空間を晒すクアドラスパイアの図。
さてwindypapaよ、どこへいく?
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駆け足で1ヶ月半を総括する
http://windypapa.exblog.jp/33841927/
2024-02-18T21:58:00+09:00
2024-02-20T09:02:06+09:00
2024-02-18T21:58:05+09:00
windypapa
日々是好日
正月早々から大地震やら航空事故やらあって気持ちがどこかに持っていかれたうえ、ウクライナ紛争やらガザ虐殺やら愚かな行為に対してなす術もなく拠り所の米国は分断社会とやらで民主主義も風前の灯、日本はといえば旧態依然の金とその再分配に群がるサルの群れのような政党が内向きの政治を続け、かといって「言うだけ野党」は非力で頼り甲斐もなく一般社会では性加害とパワハラ・モラハラが蔓延する世相に嫌気がさし、だからといって綺麗事を言うわけではなくこれが我々の本性なのだとあらためて突きつけられればそうだよその通り、あなたもそうだよね?と言うしかないのも情けない。
そんなこんなで厭世的な気分になること約一月半、しばし日記がわりのブログからも遠ざかっていたが、上に述べたことは別に今に始まったことでもない、単に日記をつけるのに飽きて言い訳を言い立てていたのだと言うことをようやく認めてぼちぼちこのくだらない独り語りを再開することにしよう。
といっても一月半の出来事を振り返ると年々お粗末になる我が記憶力、おぼつかぬこと甚だしい。ええい、思い出すままにメモ書きしていこう。
1月20、21日はフラッグフットボールの全国大会が川崎の富士通スタジアムで開催された。寒空の下なんと物好きな中高年が1,950名も集まって球技に興じた。
皆が沸いたのは現役チームが廃部になった日大フェニックスのOBチームが参加したこと。イエーイ、そうこなくちゃ。
それでも21日は朝からの雨で本当に心が折れそうになったっけ。
試合に出た後別の試合の副審も務めてずぶ濡れになった体を引きずって会場に設置された大きな屋外用ストーブに辿り着き、震える体を火に寄せて身につけた運動着からシュウシュウ立ち昇る水蒸気を眺めるうちに隣の見ず知らずで年代も違う選手と二言み言言葉を交わして笑顔で別れるとき、さっきまでの濡れ鼠のマイナス思考から脱してやっぱりこの大会はいいもんだと思ったりするのだ。
もういい加減引退と思っていたが今年から55歳以上のカテゴリーが新設され(それでもまだ10歳のギャップがあるぞ!笑)出場機会が広がったこともあり、ジムに通い始めた成果も認められたことから、来年に向けて今年も頑張ろう、なんて思ったのだ。馬鹿だね、まったく。
2月5日から6日にかけては大雪。僕の住む南多摩地区も15cm以上の雪が積もり6日はブーツを履き防寒対策十分で気合を入れて出社したが、鉄道各社の対応が行き届いたせいかさしたる遅れもなく会社に到着。なんだか肩透かしを喰らったような気分だ。
それでも振り返ればこの冬は暖冬で早朝のワンコの散歩も例年ほど着込むことはなかったかな。
2月11日 家族一同集まって92歳になる母の誕生会。思った言葉がなかなか出てこなかったり時々頓珍漢なことを言ったりすることもあるが、一人で歩き電車やバスにも乗れて皆と同じメニューをぺろりと平らげる姿は恐れ入る。
これからは100歳まで生きることを前提に考えなくてはいけないんだと実感。
母が元気でいてくれるからこそこちらは週末ものんびり好きなことをしていられるのだ。感謝、感謝。
2月13日 右の奥歯を抜く。被せ物が取れかかってグラグラする、といって診てもらったのだが実は根の部分が割れてヒビが入ってグラグラしていたことが判明。一体どこでそんなに奥歯を食いしばっているんだ?あ〜あ、ともあれ左右両方の奥歯を抜く羽目になったのだ。
左の奥歯は一番奥の歯なので抜きっぱなしで済ませることにしたが、右は奥から2番目でインプラント治療をすることに決定。えらいことだ。ン十万円の治療費。やれやれ、当分宮仕えは辞められそうもない。
2月14日 青天。世田谷の羽根木公園に梅を見に行く。春の日差しを受けて丘一面の梅は8〜9分咲きの見頃を迎えている。
蜜を求めてメジロやヒヨドリも忙しく木々の間を飛び回る。
2月とは思えぬ陽気と遠景の富士に恵まれ幸せなひとときを過ごすことができた。
2月18日 観梅報告 その2 今日は湯島天神の梅を愛でに詣でる。梅はまだ7分咲と言うところだが人出は凄く境内は参詣客で賑わっていた。
受験生諸君、健闘を祈る。
カレー屋のディスプレイ
その足で神保町に向かいインドカレーを食して神田教会に向かい、中丸まどかさんvn.とWounter Dekoninck (organ)デュオのコンサートを鑑賞。
神田明神下の親方のブログで知った催しだが、教会という音響環境にも恵まれ、想像以上に素晴らしいパフォーマンスに接することができた。
荒城の月がベルギーの教会で歌われている、と聞いてびっくり。でもアンコールでその荒城の月の教会音楽風の編曲を聴いて納得。世界は広い。
オーディオもいろいろ記録しておくことがあるのだが、今日はこの辺りで。
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沈痛
http://windypapa.exblog.jp/33766795/
2024-01-02T21:13:00+09:00
2024-01-02T21:13:36+09:00
2024-01-02T21:13:36+09:00
windypapa
日々是好日
午前中は大学駅伝の稀に見る名勝負に固唾を飲み、午後は子供達とその配偶者、孫が一堂に集まる幸福な時間を過ごした余韻も消えぬ夕食時に飛び込んだニュースに頭を激しく殴られたような衝撃を受けた。
機内でちらちら火の手が上がりやがてそれが燃え広がり機体上部が露出していく残酷な様を見つつ乗客の安否情報をひたすら待つ。
乗客乗員379名全員脱出
ようやく報じられた安否情報に安堵した。ふう。
今年の正月は一体どうなっているのだ?
それにしてもあれだけの事故の最中、短時間で全員脱出できたことは幸いであった。
神様、これ以上ハラハラドキドキさせないでくれ。
海保機は北陸の震災地に補給物資を運ぶ途上だったとのこと。なんという因果だ。
亡くなられた5名の方に、合掌。
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元旦を揺るがすナマズども
http://windypapa.exblog.jp/33765198/
2024-01-01T21:41:00+09:00
2024-01-01T21:41:49+09:00
2024-01-01T21:41:49+09:00
windypapa
日々是好日
あけましておめでとうございます。
近所の公園から眺めた初日の出である。
今年も長男を交えた水入らずの正月を迎えた。
年賀状を一枚一枚めくりながら旧友の、親戚の近況を確かめる、まったりとしたひととき。
そんな平穏を打ち破ったのが震度7を記録した夕刻の北陸地震だ。
断続的に起きる震度5を超える地震と津波警報に正月気分も吹き飛んだ。
あらためてこの国がプレート上の断崖絶壁の上に立っていることを思い知る。
そしてこうした震災が起きるたびに報じられる原子力発電所の存在。
我々が制御できないことが先の震災で立証されたプロメテウスの火。
どうかこれ以上の災禍が起きませんように。
元旦早々被災した方々には心からお見舞い申し上げる。
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年越しのあれやこれや
http://windypapa.exblog.jp/33764014/
2023-12-31T22:01:00+09:00
2023-12-31T22:01:14+09:00
2023-12-31T22:01:14+09:00
windypapa
music
鳴らし始めて3日目とは思えぬ完成度の高い音。
ハイエンド機器らしくWATTの仰角にも敏感に反応するのがいとをかし。
今後もエージングが進むにつれ新たな音色を、また合わせるケーブル、アンプによってさまざまな音色を聴かせてくれるのだろう。
それにしても、である。
神経質そうなこのスピーカーがかくも素直に歌うのはいかなることか?
部屋である。
このStudio、広さ・天上の高さに恵まれたうえに20年も鳴らしてきた様々なスピーカーセッティングのノウハウが詰まっているのだ。
う〜む、と唸った僕は近頃すっかり思い上がって無防備に耽溺していたおのれの音を思い起こす。
実際、ここのところ言うこと無いとほざくほど自分にしては良い音が出ていたのだが、致命的な課題に気づきながら目を瞑っていたのだ。
それは左右の音場のエネルギーのアンバランス。
ヴォーカルの口は中央に定位するのだが、左chのエネルギー感が右chより少し強いので左右chから湧き出る音のバランスが崩れ、それを左右ボリュームの調整で誤魔化していたのだ。
我が家のオーディオルームは上の写真のように右chスピーカー横が2畳ほどの階段下スペースにつながっており、エアボリュームに差があること、リスニングポジションの左脇に配置されたオーディオラック(下写真)に機器がてんこ盛りにセットされ、音の流れになんらかの影響を与えていること、サーロジックのパネルと和心、アスカの韻(ひびき)などの調音材など音場に影響を与える機材がいくつも配置されていること、が原因と考えられるが、変数が多いゆえに調整が難儀なのだ。
それが億劫で左右バランスのボリューム調整でお茶を濁していたのだが、Wilson 6の音を聞いて「このままじゃいかん」と思い立ったのだ。
と書くといかにもたいそうであるが、普通のリスナーなら当然やっている作業だ。恥ずかしい。
僕にしては珍しくああでもないこうでもないと「変数」を調整し、追い込んでいったところ、ようやく「これなら納得」というレベルに辿り着けた。
これが2023年1月時点の前景。天井の吸音材も韻(ひびき)もまだない。
こちらが現時点の風景。和心を嵩上げして露出部が増え、天井に吸音材と韻が配された。
ついでにSP側からリスニングポジションを眺めたの図。
左chはこんな感じ。
きっとまた調整が必要になると思うので記録しておくのだ。
どういうレベルかって言うと、今までどうにもうまく定まらなかったサウンドオブミュージック サントラ盤「マリア」の三人のシスターがきれいに中央・左右に定位する。
The Beatles "Abby Road"の"The End"のラストのギターソロ、ジョージが右、レノンとマッカートニーが左に綺麗に定位する。
それ以外のソフトも、今まで隠れていた音の「養分」とエネルギーが右chから存分に奔り出る。
いや〜気持ちいいぞ。新しいSPが入ったかのようだ。
・・・オマエ、そんなことも出来ていなかったのか!と言うこと勿れ。ヒトが正直に告白してるのだから。笑
そういうわけで我が家のオーディオはまた新たなフェイズに突入したようだ。クックックッ。
さて年の瀬も押し詰まった29日、サントリーホールでジョナサン・ノット指揮/東京交響楽団によるLVB第九交響曲演奏会を聴く。
普段は音の良いミューザでの公演を選ぶことが多いが、やはり年末は「雰囲気」の良いサントリーホールに足を運びたい。
メトロの駅から地上に上がりアークヒルに向かうアプローチからして特別な場所で格別な音楽を聴く高揚感に包まれる。
そして開演前ランチを摂るレストランも大きな窓からカラヤン広場を望み、これから音楽会に行くと思しきご同輩、あるいは六本木界隈の街歩きを楽しもうという人たちが席を埋め、なんだかテンションの上がる状況なのだ。
こういうことを書くと「田舎者だなあ」と思われるし(実際そうなのだが)ミューザを卑下するようで心苦しくもあるのだが、土地に根付いたブンカのニオイは如何ともし難いのだ。
ご一緒したS氏はいわゆる年末恒例のベタな公演は敬遠されていたそうだが、それでもまんざらでもないご様子。
エジプト料理のコシャリと食後のエスプレッソで腹ごしらえを済ませ、いざホールへと進む。
リザーブした席は1Fの7列目、ステージに向かって左側のブロックで、ノットの姿を左斜め後ろから眺める構図だ。
当日のオーケストラは対抗配置で左にコントラバス、中央奥にティンパニが並ぶ。歌手はノットのすぐ前、向かって左からソプラノ、バリトン、テノール、メゾソプラノが並ぶ珍しい配置である。
今日はシェーンベルクやリゲティなど僕にとって緊張を強いられる(笑)プログラムではなく、第九一本勝負なのでリラックスして聴けるぞ、と思っていたら、蓋を開ければカルロス・クライバーもかくやの高速演奏が飛び出して驚かされた。
ノットの指揮棒の下、東響オケが走りに走る。
東響オケのたおやかなアンサンブルを楽しもうという目論見は外れ、メリハリの効いた緊張感のあるパッセージが続く。
なんだろう、これは?
ウクライナの、ガザの、愚かしい戦乱とそれを止められない人類に対する怒り?
それとも単純にLVBの楽譜に記されたスピードに従っているのか?
ノットの胸の内はわからない。
いずれにしてもノットの要求に耐えうるレベルにオケの技量が追いつき融通無碍な演奏が繰り広げられた。
そのオケのフォルテッシモに一歩も引かず朗々と歌い上げる合唱団が素晴らしい。
ああ、満足だ。
そして恒例の蛍の光の大合唱。泣けてくる。
こういう年中行事は、あってもいい。
ありがとう、ノット。東響。
おかげで平和な日本で良い年が迎えそうだ。
そして僕らがこうしてのほほんと迎える年末を悲惨な状況で過ごす戦地の人達に降り注ぐ砲弾が1日も早く止みますように。
・・・あと2時間で年越し。みなさん、良いお年をお迎えください。
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倹しい生活
http://windypapa.exblog.jp/33722268/
2023-12-19T16:25:00+09:00
2023-12-19T20:36:34+09:00
2023-12-19T16:25:42+09:00
windypapa
日々是好日
先週末は神奈川で夏日を記録するほどの陽気になったが、土曜日は大学アメリカンフットボールの入替戦の応援に出かけてなんとか贔屓チームが一部トップリーグにとどまることができた。ふう。
日曜日は文京区の大学グラウンドを借りてフラッグフットボールの練習だ。
1月の大会に向けて参加者も増え、実のある練習になった。何より怪我人が出なかったのが良かったな。
今回は久しぶりに湯島駅から旧岩崎邸を横に見ながら無縁坂を上り大学病院の前から構内に入ったが、このアプローチも風情があってよろしいなあ。
下の写真は帰りに不忍池で撮ったもの。
スカイツリーも遠景に写っているぞ
フラッグフットボールでは3年前くらいから足がもつれるなど下半身の劣化が顕著になり、そろそろフェイドアウトを考えていたが、今年の6月から通い始めたジムのエアロビレッスンが功を奏したのか、膝やふくらはぎの痛みが和らぎ可動域が広がって少し動けるようになったのがウレシい。
レッグエクステンションマシンの運動でも当初負荷ゼロでもたくさんの針に膝の皿周りを刺されるような鋭い痛みを感じたものが、今はだいぶ和らぎ多少の負荷をかけても耐えられるようになった。
俺は膝を痛めたから膝を使う運動はもうできない、と頑なになっていた半年前までの自分が恥ずかしい。
人間の体はやはり使わなければダメなんだな。
そして昨夜は東銀座でシカゴ時代の同僚と3年ぶりの忘年会。
10歳上の先輩たちは今でも働き続けているそうで、皆しぶとい。笑
もっとも収入は度外視で、外で働くことが家庭円満の秘訣なのだそうだ。納得。
でもって今日は先日外れてしまった革ジャンのホックを直すために最寄りのユザワヤへ。
外れてしまったホックのヘッドとハネ(メス)
ユザワヤの親切なおねーさんの助けを得て清原のドットボタン15mm径を入手。ただし革ジャンに残っている「ゲンコ」(オス側)とサイズが合うかはわからない。
合わなければオス側も取り外して新しいものに交換しなければならない。う〜、それはやりたくないなあ。
買ってきたドットボタンのセット。右側上が壊れたヘッドとハネ。下が新しいもの。打ち棒と台座も入っていて金槌で叩いてかしめる
残った穴にヘッドの突起を入れ、生地を挟んでハネを合わせて打ち棒でかしめたところ
オスメスめでたくサイズが合って合体したところ。ああ、助かった。
このレザージャケットは30年以上前にロスアンゼルス出張の際ビバリーヒルズのブティックで入手した年季もの、思い出の詰まった品なのだ。
当時は今より20kg近くウェイトがあったのでUSサイズのXLでもOKであったが、その後体が縮んで入れ替わりに巨大化していた次男に譲ったものだ。
しかしモノに頓着しない次男が乱暴に扱った結果何箇所か破れが出たので取り戻してリペアに出し、サイズも自分用に調整して着用してきたものだ。
今は流行らないスタイルだし重たいのであまり着ることはないのだが、ボタンがとれたままでは悲しいじゃないか。
なんにしろ安価で再生できて良かった、良かった。
かくして今日も倹しい生活を続けていくのである。
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この1ヶ月の身近の出来事を一人ごちてみる
http://windypapa.exblog.jp/33700376/
2023-12-14T18:25:00+09:00
2023-12-14T22:15:23+09:00
2023-12-14T18:25:07+09:00
windypapa
日々是好日
このところ更新を怠っていたので、この1ヶ月の近辺の出来事を日記がわりに記しておこう。
ロス五輪で正式種目に採用されたからといって日本でフラッグフットボールの認知度が上がるとは考えにくいが、1月のハドルボウルに向けて所属する大学OBチームもぼちぼち準備にかかり始めた。
1月の大会から新たに55歳以上のカテゴリーが新設され、我々オーバー60sもトコロテン式に押し出されることになった。
去年右手人差し指の腱を切ってそろそろ引き際と考えていたのだが、それも寂しいと衰えた下半身の強化がわりにエアロビクスを始めたらどうやら効果があったようで、覚束なかった下半身が少しこちらの言うことを聞き始めた。笑
とはいえ油断は禁物で、10月以降の練習だけで腰椎圧迫骨折、小指の腱断裂、アキレス腱断裂、手指骨折、ぎっくり腰、等々我がチームは故障が相次いでいる。(いずれも30代、40代の仲間たちだ。)
とにかく無理をせずおのれのフィジカルを過信せずゲームに参加することが肝要である。
とわかっているがいざとなると昔のイメージでつい動こうとしてそのツケを払う羽目になるのだ。
下の写真は練習で使わせてもらっている文京区の大学の紅葉の様子(12月2日)だ。
水面に映る紅葉は、実物より写真の方がより美しく見えるのは何故かなあ。
付近の住民や観光客も構内に立ち入り銀杏並木を愛でている。
今年の紅葉もこれで見納めだったな。
代わって我が家のミカンの実が育ってきたぞ。
といっても例年より小振りなのは猛暑のせいか?
ひとつ、ふたつ、落ちてきたのを硬い外皮を剥き内皮も剥いて朝ヨーグルトと一緒に食すと爽やかな酸味が口に溢れて美味いのだ。
もう少し待って一斉に収穫しよう。
みかんから転じてこちらはパリで買ってきたイチゴ味のタブレット型ショコラ。
ケチくさくちびちび小出しに土産を楽しむのだ。
それにしてもドライフルーツと苺味ショコラのコラボレーションの妙味よ。う〜む、見事じゃ。
苺と言えば赤。
下は犬の散歩で通る恩田川沿いの朝焼けだ。
殺風景な団地が、美しい朝焼けを背に何らかの意味が付与されたオブジェのように佇んでいる。
これから始まる物語のプロローグだろうか。
始まりがあれば終わりもある。
愛用のMacBook Airがバッテリー駆動時にすぐに眠り込んでしまうようになった。
OSも昔のバージョンに留まっているし、そろそろ重荷を解いてやる時が来たようだ。
とはいえ新品を購入するという選択はなく、2020年のM1チップ搭載のmacbook airである。
移行アシスタントを使ってデータ移行を試みたが、一晩経っても終わる気配がない。
ネット検索するとwifiでのデータ移行は容量の縛りがある上、古いmacの処理速度がベースになるそうだ。
それではとicloudを利用してデータを共有したらあっという間に写真やファイルを共有できた。
古いフォーマットで受け付けられぬ一部データはフォーマットを変えてメール転送してセーブできた。
取り敢えずこれで準備が整ったかな?
新しいM1 Macよ、オータニの10年契約じゃないが、2030年まではおぬしが主戦だからな。頼むぞ。
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パリの思い出はMEERTのメレンゲの如く甘く儚く
http://windypapa.exblog.jp/33647697/
2023-12-03T15:52:00+09:00
2023-12-04T19:41:26+09:00
2023-12-03T15:52:09+09:00
windypapa
日々是好日
今回の滞在の目的の一つが骨董市巡り。
クリニャンクールとヴァンヴ、名高い二つの蚤の市を漁るべく(蚤の市が開催される)週末を中心に予定を組んだのだ。
パリに着いた翌日、訪ねたのがクリニャンクールの蚤の市。
早い時間に行かないと良いものが無くなってしまう、という焦燥感に駆られて雨の中9時過ぎに辿り着いたが、開いてる店は数える程で人影も疎ら。笑
寒さをしのごうとカフェに入って時間を潰すが、10時過ぎになっても上の写真の通り閑散としたまま。
ヤル気ねーなー、この骨董市。
翌日も雨の中ヴァンヴに向かう。
こちらはメトロ駅からほど近い場所から屋台が品物を広げていて人出もそれなりにある。
しかしアンティーク市というより我楽多市という方が的を得ていて、あまり興味を引くものがない。
ちぇっ、骨董市は空振りか。
でももう一度だけクリニャンクールに行ってみよう。
と、諦めの悪い夫婦は午後、昨日の市場へ向かう。
幸い雨も上がり気温も少し暖かくなった。
何よりも開いている店が格段に増え、人出も増していることだ。
そうそう、こうでなくちゃあ。
Dauphineというアーケード街ではレコードを販売している店もいくつかあり、うずうずしたが、家人の手前ぐっと我慢した。
Vernaisonという小さな店が集まった田舎の商店街のような一角は、いろんなものを扱う店がひしめき合っていて飽きさせない。
家人の狙うアンティークのアクセサリーも僕のターゲット(あったら考えようかな程度)の腕時計もこちらの考える価格帯では良いものがなく、早々に断念し、冷やかしに徹する。
あとはギャラリーラファイエット惣菜売り場から。
旨そうなパテ類、加工肉の並ぶ肉屋のショーケース。
こちらは旬の牡蠣だが万一を考え自粛した。残念。
こちらはLa Maison Philippe Conticiniのショーケース。https://philippeconticini.fr
形といい、色合いといい、なんともアート。
右手のケーキ、Gran Cru Vanilleの衝撃的な黒と金粉の美しさ。食べる前からノックアウトだ。13.7€は高いか安いか。
中央左、Entremets exotiqueの強烈な赤と表面の粒子感。9.8€。
こちらはバラマキ用の土産物を仕入れたスーパーマーケット、モノプリの紅茶と乳製品の棚。
KUSMI TEAとRUSSIAN TEAをいくつも買い物カゴに入れる家人。いったい何人に配るつもりだ。
同じく人気のバター。
旅行後、我が家は贅沢にもマーガリンからモノポリで買ったバターに切り替わったが、確かに美味い!
こちらは僕のささやかな土産用チーズを買ったチーズ屋の店先。
う〜、なんて可愛らしくそして旨そうなチーズ達なんだ!
こちらはピカソ美術館近くのワインショップ、DIVVINO。
目当てのワインは置いてなかったが、そのテイストならこれを試して見たら?と勧められたものをゲット。
地下の16世紀から続くワインセラーにも案内してくれた。
ここで開かれるWine tourと称するテイスティングのコースもあるけどいかが?と水を向けられたがこれは丁重にパス。
その近くにあるMEERTという菓子ショップでメレンゲを購入。
1761年リールで創業されたゴーフルが有名なお店らしいが、値段が手頃(17€)で缶が可愛らしいのでメレンゲを購入した。
メレンゲ、口の中でとろけてスッと消えていく。この儚い味がなんともいいなあ。
MEERTで検索するとこのメレンゲが日本で取り寄せるとなんと9,300円もする。もっとチビチビ食べればよかったかなあ。笑
で、こちらはサンポールで頑張っているLES TROIS CHOCOLATS という日本人のチョコレート屋さん。
https://chocolateshop.jp/store/store05/
もともと福岡でチョコレートショップを営む家系の3代目さんが修行のため?パリで開業したお店とのこと。
とてもキュートで、かつフレンドリーなお店で帰国前のショッピングを楽しめた。
箱詰めを待つ間、いくつかテイスティングさせていただいたが、ワサビ入りショコラなど攻めた商品(でも美味しい!)にも挑戦する姿が印象的であった。
メトロ サンポール駅から約3〜4分、モノプリの隣の路地を入ったところ。これから行かれる方、ぜひお立ち寄りあれ。
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奈良・京都で色彩の舞踏に身を委ねる
http://windypapa.exblog.jp/33646279/
2023-11-25T19:08:00+09:00
2023-12-02T17:46:41+09:00
2023-12-02T17:46:41+09:00
windypapa
日々是好日
時差ボケが抜け切らぬ中、11月21日から京都・奈良へ紅葉狩りの旅に出た。
昨年は個人旅行で全て自己手配の自由な旅であったが、今回は自己手配が難しい、あるいは面倒な、「嵯峨野トロッコ列車」や奈良の奥地(長谷寺、室生寺)を含む貸切バスのパッケージツアーだから楽ちん。
1日目:昼前に京都に到着し、そのまま貸切バスで貴船神社・鞍馬神社、大原三千院、高台寺を巡り夕食後京都駅前のホテルに宿泊。
夜の自由時間に梅小路公園へ。
2日目:トロッコ列車で嵯峨野から亀岡まで。嵐山で天龍寺、御室の仁和寺を巡り奈良へ。
3日目:午前中奈良公園で自由時間ののち長谷寺、室生寺へ。三河安城駅からこだまで帰路についた。
11月後半とは思えぬ暖かさに何を着て行こうか迷い、トロッコ列車に乗ることも考えて中綿入りのハーフコートを用意したところ、トロッコ列車以外はコート要らずの陽気に恵まれた。
いったいこの天気どうなっているのだ?
夏の猛暑のためか、季節外れの陽気のためか、高台寺、鞍馬神社の紅葉は期待したほどではなかったが、高台寺はライトアップで、鞍馬神社はその急な上り坂で(笑)記憶に残った。
貴船神社入り口の鳥居付近
鞍馬神社の本殿近くの階段 青息吐息だ
三千院は美しく彩られていた
漬物屋さんの店先、かぶら大根の組体操
ライトアップされた高台寺
高台寺の竹林 小さな光が蛍のようにうごめく様は実に幻想的
梅小路公園のライトアップ
トロッコ列車の車窓から
亀岡駅下車時の風景 押すな押すな
天龍寺の紅葉 ゴージャス!
同上 苔も見事
奈良公園の見返り美人?
奈良公園の自由時間では興福寺の国宝館へ。開館まもない時間ということもあり、じっくり千手観音、阿修羅像らを拝めた。
乾漆八部衆(はちぶしゅう)像や乾漆十大弟子(じゅうだいでし)像、華原馨(かげんけい)、板彫十二神将など、ひとりひとりの表情がなんと豊かなことか。その指先にはピンと張った緊張感さえ感じさせる。
いや、これはまったく眼福であった。すげえぜ。
奈良 寧楽美術館入り口付近の紅葉
奈良 桜井の長谷寺
こちらも長〜い階段を登るが歩幅が整えられていて意外と楽。
なんと季節を勘違いした桜が咲いていた
絵葉書のような「お約束」の写真だけど・・
そして最後に訪れた室生寺で圧倒的な色彩の舞踏に迎えられた。
うーん、やっぱりいいなあ、紅葉。また来年行けるよう頑張ろうっと。
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104,498 steps in Paris #3
http://windypapa.exblog.jp/33593917/
2023-11-13T22:28:00+09:00
2023-11-15T06:44:58+09:00
2023-11-13T22:28:55+09:00
windypapa
日々是好日
根気のない僕にとっては珍しいことだ。
今回のテーマは「食べる」
といってもプアマン’ズ トリップゆえたいしたものは出てこないが、ま、備忘録として。
まずはベーカリー
ホテル近くのベーカリー、Paris Baguette
パン類のみならず、ケーキ、マカロンなども扱っている。パリにはこの種の店が多い。
今回はPAULには立ち寄れず。残念。
次はギャラリーラファイエット グルメ館内、惣菜売り場専門店コーナーに併設のキッチン。
美味そうな店が目白押しで目移りするのだが、選んだのはトリュフ風味の塩を求めた MAIZON DE LA TRUFFEというお店のカウンター。
惣菜売り場のカウンター席でもワインを注げば気分はフレンチ。笑
店内備付の電熱オーヴンで焼き上げたピザ。ルッコラ?の下にはチーズに埋もれたトリュフが眠る。
ニョッキのクリームソース ハムとトリュフ添え
この海苔のような、キクラゲのような黒い食材がトリュフ。日本で僕が行くような店でこんなにてんこ盛りは見たことない。
つきだしのバゲットにつくオリーブオイルにもトリュフ塩が振られており、その強力かつ魅力的な風味に虜になること請け合いだ。
メインの上記二皿は見た目の通りさらにトリュフが激しく自己主張するもので、つくづく幸せな気分に浸れるのであった。
しかしデパートの惣菜売り場の食事で二人で90€かあ。ちょっとやりすぎ。
こちらはサン=ジェルマン・デ・プレの Le Bistro d'Henri
英語メニューは黒板のみ。親父さんが席まで持ってきてくれてスマホで撮ってよく検討しろだと。笑
僕のチョイスは牛肉の赤ワイン煮
妻のチョイスはスズキのソテー
ここはとても大衆的かつフレンドリーな店で、実はお目当ての店が予約で満席で入れずどこかいいところはないかと彷徨っていた時に、窓から見える店内の雰囲気に魅せられて入ったビストロだ。
この店は他の店では嫌がられる料理の「シェア」やメインだけのオーダーにも気楽に応じてくれる。
隣の席では女性の親子がワインとともに一皿のパスタをシェアして食べていた。追加オーダーなし。
へえ、そんなのありなんだ。
実のところ、日本人にはこちらのヒトサラは重たいので、前菜やらデザートやらをつけると食べきれないか胃がもたれることになる。
味も「ど真ん中」の美味しさ、値段もこなれている。
出入り口付近の席で食事をしたのだが(そこしか空いていなかった)、食べている途中にも何度もドアを開け空席がなくがっかりして帰る客たちの多いこと。
ローカルの人たちに人気の店なんだな。ラッキー。
次の日もサン=ジェルマン・デ・プレに出かけて、前日長蛇の列が出来ていた Le Relais de l’Entrecôte というステーキハウスに並んだ。
6:45の開店前から列ができ、僕たちも30分待ちで最初のロットで入店できたが、あっという間に席は埋まり妻曰く「学食みたい」
お店のHPからの転載だが、まさにこんな雰囲気だ。
隣の席も近いので、自然と会話を交わす。隣はニューヨーク(の南80マイルのところ)から来たという同年輩の米人カップルで、ほとんど忘れてしまったシカゴ時代の英語を引っ張り出してあれこれと楽しく話ができた。
こちらはメニューはステーキ1本で、席に着くとドリンクのオーダーを訊かれ、あとは焼き具合を尋ねられる。
サラダはこんなシンプルなものだが、マスタード風味の効いたドレッシングが美味。
ステーキにはフレンチフライが山盛り。
ソースはタイのグリーンカレーに他の香辛料をプラスしたような味。このソースが秘伝の味で地元の人たちを惹きつけているらしい。
お店のHP写真の方がうまそうに見える。当たり前か。
この店では最初のステーキとフレンチフライを平らげると、お代わりを持ってきてくれるところが凄い。しかも無料。
デザートもがっつりいただいた。
間に何段かメレンゲが入って支えているのだが、我々のオーダーを見て同じものを注文した隣の米人はぐいぐい力を入れて最初のフォークでタワーを崩してしまった。
アメリカ人って面白いね。
最後はホテルの朝食。今回は朝食付きパッケージで毎日ホテルで朝ごはん。
どうってことのないブッフェスタイルだが、こちらのクロワッサンの旨さは別格だ。
外側はパリッと歯ごたえよく、中はモチモチしっとりでバターの風味がたまらない。
6日間飽きることなく食べさせてもらった。ごっそーさん。
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104,498 steps in Paris #2
http://windypapa.exblog.jp/33590812/
2023-11-12T19:59:00+09:00
2023-11-13T08:35:13+09:00
2023-11-12T19:59:20+09:00
windypapa
日々是好日
「みる」の続き
美術館シリーズを終えたので建造物の見聞記。
2021年に新装開店した老舗百貨店サマテリーヌ。セーヌ川沿いのアール・デコ様式の建物はギンザシックスのような構造だが、そのゴージャスで優美な内装装飾には驚かされた。
リヴォリ通り側の建物は湾曲したガラスパネルが全面を覆う革新的な外装。手がけたのは日本の建築ユニットSANAA(妹島和世・西沢立衛)とのこと。
伝統と革新の融合を感じさせる斬新なフォルムだ。日本人ユニットの作品と聞いて少し鼻も高くなる。
同じく百貨店業界からオペラ座のギャラリー・ラファイエット。
ドーム天井のもと幾層にも重なるゴージャスな売り場は、まるで煌びやかに飾られたデコレーションケーキか多層式メリーゴーラウンドか。
こういう売り場に身を置くと豊かな気持ちになって自然と財布の紐が緩むのかも・・・。
続いてはBNF & INHA(国立図書館&国立美術史研究所図書館)。
2011年から12年の歳月と2億6130万€をかけて22年9月に全面改修オープン。
ルイ14世の宰相マザランの居館をもとにブリュノ・ゴダン、ヴィルジニー・ブレガル両氏の設計で改修されたもの。
このBNFの象徴がサル・オーヴァル(楕円の間)と称される天井高18m, タテヨコ30 X 40mの巨大な空間を擁する圧倒的な閲覧室。
この巨大な空間とそれを取り巻く膨大な図書の数に圧倒されるが、書籍に対するレスペクトも満ちており、こんな環境で書籍をめくってみたいという欲望がふつふつと湧く。
今回訪れた中で文字通り息を飲む思いをしたのがこの場所だ。
いつまでもここの空気に浸っていたい、この空間で息をしていたい、と思わずにいられぬ極上の空間。
今思い出してもため息が出る・・・ふう。
銀色の金属製階段を上った先の美術館ではBNF所蔵のコレクションを鑑賞することができる。
おっと、この階段様式、どっかで見たような・・・?
そう、ピカソ美術館もこの様式が使われていたっけ。
ジョバンニ・フランチェスコ・ロマネッリの天井画を仰ぐギャルリー・マザラン(展示室)
ホテルから徒歩7〜8分のところにあったレアール広場(旧中央市場跡地)から眺めるサントゥスタッシュ教会の夜景。今にもコウモリが羽ばたいてきそうな雰囲気だ。
そして修理中のノートルダム大聖堂の向かいにあるサント・シャペル。パリ最古のステンドグラスに四方を囲まれる上部礼拝堂に入ると周囲一面が幻想的な世界に包まれる。
現地でiPhoneで撮影した動画がこれ
ちなみに外観はこんな具合だ。
そしてコンコルド広場に面するオテル・ドゥ・ラ・マリーヌ。ルイ15世時代に建立され王の調度品を保管するとともに、管理官の住居、職人アトリエ、装飾品の展示室を兼ねていた場所だそうだ。
フランス革命時にマリーアントワネットの処刑許可証が署名された執務室もあった。
ベルサイユ宮殿やノートルダム大聖堂などメジャーなところは、もういいでしょう。
「みる」の項は以上。
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104,498 steps in Paris #1
http://windypapa.exblog.jp/33588838/
2023-11-11T21:39:00+09:00
2023-11-12T10:16:42+09:00
2023-11-11T21:39:29+09:00
windypapa
日々是好日
歩いた歩数は6日間で104,498歩。美術館でゆっくり歩いたり、順番待ちでのろのろ歩いたことを考慮して1歩の歩幅平均を50cmとしても実に50km以上を歩いたことになる。
その50km、どこをどう巡ってきたのかを記憶が残っているうちに記しておくことにしよう。
ということで例によって紙芝居の始まり、始まり。
▪️みる
今回はいつものように目的地を欲張ることなくパリ1箇所で6日間(6泊7日)を過ごしてきた。
とはいえ広いパリのこと、訪れることができたのは宿を取った1区を中心とするセーヌ両岸の限られたエリアだが、短い時間にそれなりの見聞を広めることが出来たのは幸いであった。
その経験を「みる・食べる・買う」の3項目で記録しておきたい。
まずは「みる」。
やはり芸術の都パリ、美術館巡りを主体に記録を残す。
往路はウクライナ紛争の影響に加え、カムチャッカ半島の火山噴火の影響もあってさらに南回りのルーティングとなり、出発が1時間半遅れた上飛行時間も14時間を超えたため、シャルル・ドゴールに着いた時はすでに5時を回り、辺りは真っ暗。
当日は金曜でルーブルが21:45まで開いていると聞いていたので17:30の予約をとっていたが、まるで間に合わない。
それでも19時頃ホテルにチェックインしたのち、めげずにルーブルに向かう。
この日は「ルーブルに行ったらこれを見ろ」アイテムの「モナリザ」を中心に「ドノン翼」2階(フランス式では1階)を中心にまわることにした。
時間が遅いこともあって入場にもさほど時間がかからず、館内もスムースにまわることが出来た。
と言っても「モナリザ」は別格で相応の人集りであったが、おそらく通常の時間帯であればもっと混んでいるのだろう。
それにしてもルーブルは世界中から「お上りさん」(オイラも含めて)が集うところのようで、モナリザをバックに自撮りする輩の多いのに思わず苦笑する。
ラ・ベル・フェロニエール、岩窟の聖母、聖アンナと聖母子など他のダ・ヴィンチ作品の前はワイド・オープン、ゆっくり鑑賞することが出来た。
ラファエルの「聖母子と幼き洗礼者ヨハネ」の前も人影まばら。幸運を喜んだ。
ドラクロワ、ダヴィッドらの作品やサモトラケのニケもたっぷり観たところで閉館時間となった。
印象に残ったのはボッティチェッリの「自由7学者へと導かれる若者」「若い婦人に贈り物をするヴィーナスと三美神」のフレスコ画かな。
ルネサンスらしい、そしてボッティチェッリらしい明るくふくよかで伸び伸びとした画風が幸せな気持ちにさせてくれる。
次にルーブルに行ったのは4日後。今度はリシュリュー翼3階(仏式で2階)の14~19世紀フランス絵画・フランドル・ドイツ・オランダ絵画を中心に回る。
あいにくフェルメールの「レースを編む女」は貸し出されて不在であったが、「天文学者」をみることが出来た。
その他ジャン・クルーエの「フランシス1世」やアングルの「トルコ風呂」「ヴァルパンソンの浴女」、作者不詳「ガブリエル・デストレとその姉妹」、そしてミロのヴィーナス」などを鑑賞した。
モナリザで混雑するドノン翼と比べてリシュリュー翼は人でも少なくゆったりみることができるので楽ちんのはずだが、ルーブルの巨大さと展示室のロケーションの分かりにくさでクタクタだ。
5日目に行ったピカソ美術館はマレ地区の閑静な街区にあり、サレ(塩)館と呼ばれる17世紀の建物を改装した姿が美しく興味深い。
ピカソの作品はもとより、彼の身の回りのもの、華やかな女性遍歴の軌跡や愛車アウトビアンキに至るまで、彼の人間性を掘り下げた展示となっている。
回り回廊
アウトビアンキ
この空間作りの感覚(改装監修はジャン・フランソワ・ボダン)ときたら、まったく見事でカッコ良くて、到底真似のできぬものだと感心させられる。
6日目に行ったオランジュリー美術館にも溜息が出た。
ご存知二つの楕円形の大きな部屋からなる「睡蓮の間」だが、16:30予約の人たちは大勢いたのに1階のモジリアーニ展に流れたのか、僕たちが足を踏み入れた最初の睡蓮の間には他に人がいないヴァージン・エア状態。
信じられない幸運を神に感謝しゆっくりと深呼吸しながら360°の眺望を楽しんだ。
その後人が入ってきたところが下の写真だが、せいぜいこの程度。
企画展ではモジリアーニで、彼の絵画や彫刻も望外に楽しむことが出来た。
目玉のある作品って珍しくありませんか?
モネの睡蓮のシリーズって、大きくて実体のないぼんやりとした色彩の絵画という勘違いをしていたが、あの自然光を取り入れた展示室で360°のパノラマを体感し、初めて彼の意図するものに触れることが出来た気がした。
美術館の掉尾はオルセー。
ここは4年前(だったかな)南仏の帰りに寄った時も建物と展示物の素晴らしさに感銘を受けたのだが、今回も我々の期待を裏切らぬ体験を得ることが出来た。
旧駅舎の時計台裏から見るモンマルトルの丘
カイユボットの「床削りの人々」
ルドンの3枚のパネル。パトロンのドメシー男爵の城のダイニングルームを飾るパネルの一部。
カイユボットは何か気になる作風の画家で、シカゴ美術館にある大作「パリの通りー雨」が強く印象に刻まれているのだが、彼の初期の作品であるこの「床削りの人々」の写実的でいて光を巧みに捉えた表現も心に残るもので、今回の再訪で再会を楽しみにしたいた作品の一つでもあった。
ルドンの装飾画の連作は大きな空間の四方を飾る形で展示され、その中に立つとその淡く幻想的な色合いの草木画が、平面的なようでいてくらくらと立体的に迫ってくる。まるでドビュッシーの器楽作品のような味わいが感じられるのだ。
印象派の名画を揃える常設展も見事だが、グランドフロアで開催されていたゴッホ特別展も素晴らしい作品に出会うことが出来た。
自死の直前か最晩年に描かれたとされる田園3部作、特に黒い鳥が舞う絵と雲行きの怪しい空が広がる絵は、その展示室に入った途端に脳に飛び込んできて釘付けにされるほど強力な磁力を持つものだった。
写真では良く再現できないが、この青、黄色、緑という色が画面の中でせめぎ合う力、発散するエネルギーが尋常ではない。
ゴッホ特別展のおかげで人がそちらに流れていたようで常設の印象派の名作たちともほぼ独り占め状態に近い形で対面することが出来、二重の幸せであった。
「みる」ては美術館以外にベルサイユ宮殿、サント・シャペル、ノートルダム寺院などの建造物もふれるはずだったが、今日は力及ばずここまでだ。
「食べる」「買う」とともに、またいずれ。
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ローマ、ローマ、ローマ!
http://windypapa.exblog.jp/33433930/
2023-09-17T16:08:00+09:00
2023-10-10T10:36:02+09:00
2023-09-17T16:08:20+09:00
windypapa
music
そう、今日はローマ歌劇場のいわゆる「引越し公演」である「椿姫」を東京文化会館で観劇するのだ。
架線事故で四谷で止まった中央線から総武線に乗り替え、開場時刻に上野に到着、スタバで冷たいものを喉に入れて一息つく。
ひと心地ついた後に会場に入ると、外の喧騒と熱気とは裏腹にちょいとすまし顔で着飾った紳士淑女が集まって、あるものはプログラムを求めあるものは待ち合わせの相手を探し、あるものは記念オブジェの前で写真を撮ったりと様々な行動をとりながら、その顔には明らかな高揚感が浮かんでいる。
もちろん半袖ポロのカジュアル組も見られるが、ダークカラーの礼服で決めた連中も結構目立っている。
う~む、ユニクロのベージュのイージーパンツとギンガムチェックの半袖シャツの上にzaraのベージュのジャケットを着た我が出で立ちは、ちょっとみすぼらしいかもしれない、いやなんの、中身が肝心じゃ、とわけのわからない言い訳をしながら席に向かい既に着席していた長男と合流する。
座席は1階席R7の11で舞台に向かって右側、斜めに切った座席となるが、視界は良好、舞台を間近で見ることができる。
変な先入観を持つまいと事前学習は全くせずにやってきたが、さすがに指揮者ミケーレ・マリオッティとヴィオレッタ役リセット・オロペサ、アルフレード役フランチェスコ・メーリくらいは予習してくればよかったかな、などと思うがもう遅い。
首をめぐらすと5階席までずずずいーっと満席だ。
チケット単価の平均がウン万円として2,303席を乗じると億は超えてくるゾ、などと下品な想像をめぐらすうちに照明が落ち場内の喧騒が収まりマリオッティと思しき人の靴音がオーケストラ・ピットに響いて拍手が沸き起こる。
マリオッティその人が首から上だけを客席に晒して会釈をし拍手に包まれたのち静寂に包まれ、第1部の繊細で美しい前奏曲が弦楽器群によって始まり、同時に幕が徐々に開いて舞台中央の白い階段と黒っぽいイブニングドレス姿のヴィオレッタが現れる。
大広間の天井からは青色の灯がともる大きなシャンデリアがゆっくりと三つ垂れ下がり、白い階段以外はソファとテーブル、そしてその上の燭台、舞台奥のいくつかのドアが見えるのみ、暗く抑えた照明のもと、ヴィオレッタが柔らかなスポットライトが包まれる。
このヴィオレッタが遠目にも素晴らしく美しい。彼女が蠟燭に火をひとつずつ点す仕草に、もう観客はすっかり目を奪われてしまう。
そして軽妙な楽曲が始まるとともに奥のいくつかのドアから夜会服姿の男女の一団が入場し、シャンデリアの灯は黄色に変わり、享楽の一夜が始まる・・・
この集団の夜会シーン、ヴァレンティノ・ガラヴァーニによる衣装がスタイリッシュでスノッブであり、パリの上流階級の夜会、そしてそれが高級娼婦のヴィオレッタがホステスを勤めるものであることを見事に描き出している。
乾杯の歌のエンディング
全体を通して照明の使い方、舞台装置の仕立て、コスチューム、振り付け、などすべてに演出のソフィア・コッポラの眼が行き渡り、ある種「映画的な」演出が凝らされてそれが「大時代的な見え見えのメロドラマ」に幅と厚みを加えて現代の鑑賞に堪えるオペラに昇華させた、といえるかもしれない。
第一幕のシャンデリアの照明の色の変化、階段による上下方向の空間の拡張、にとどまらず、例えば第2幕第1場のヴィオレッタ邸のシーンは大きな窓のテラスハウスの舞台設定で、ガラス越しに見える景色ー雲や太陽の光ーが時間の経過とともに変化していく様が精妙に描かれ、またドアを開けて召使が入ってくると室内に入っていた花びらが風で舞い上がる、など細かい仕掛けで観衆を楽しませたり、第3幕の死を迎える部屋は青を基調にーまるでフェルメールの絵画のような落ち着いた空間を作り出し、白い夜着を纏うヴィオレッタの姿にその運命を明示させるーなどがその一例である。
第2幕2場でヴィオレッタに札束を投げつけたアルフレード
第2幕第2場の絵を第1幕のそれと比べると女性の夜会服が黒に代わり、赤いドレスのヴィオレッタの存在感を引き立たせていること、またアルフレードと決定的な別離を迎えるという厳しい場面となることを色感的に指し示している。
衣装面、演出面の優れた点を気付くままに挙げてきたが、それらを引き立たせたのは何といってもヴィオレッタを演ずるリセット・オロペサの歌唱力、表現力である。
素人の僕がそれを表現することは憚られるが、人間の体がこうまで素晴らしい楽器として機能するということを見せつけられた。
リッカルド・ムーティが日経「私の履歴書」で1990年にスカラ座で26年ぶりにトラヴィアータを復活上演した時のエキサイティングな体験を語っているが、様々な障害を経て上演にこぎつけたものの、第1幕の終盤に差し掛かっても異様に静かなままの客席を背中に感じてヴィオレッタ役ティツイアーナ・ファッブリチーニに楽譜にない超高音の「ミ・フラット」を「発射」させて冷ややかな観衆を熱狂させたくだりが紹介されている。
この日のオロペサがその「ミ・フラット」を出したかわからぬが、観衆の心を熱狂させたことでは90年のスカラ座に引けを取らぬのではないか。
それほどオロペサの声の表現力とその再生帯域-特に高域ーの広さは感嘆に値するものであった。
あわせて合唱の規律の高さ、声質の良さ、そしてローマ歌劇団響の演奏水準の高さも際立っていた。
引越し公演、などといっても所詮極東公演の一つで本場とは比べるべくもない、という懸念は吹き飛んだ。
この人達、本気だ。本気でそのヴィルトゥオーソを発揮してわれわれ日本人をノックアウトしにかかっている。
嬉しいねえ。
嬉しくて普段は幕間に飲まないワインの杯を息子と共に空けて彼らの特筆すべきパフォーマンスについて素人語りする楽しさ!
終演後も居酒屋で長男と行った感想戦でも盛り上がり、この素晴らしい公演に立ち会えたことをお互いに祝福した。
長男は慌ててトスカのチケットの「売り」情報を検索し始めたが、果たして・・・・笑
(写真は最初のもの以外日経新聞その他ネット上のものより無断転載)
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