朝令暮改 JBL 075の帰還 

前回アップしたように、TAD TD4001&TH4001ホーン&ドライバー導入効果は歴然としている。
ヴォーカルについて充分に言及しなかったが、その声質の滑らかさや立体感といったら、まさに聴いて楽しいFun to Listenとはこのことだろう。

今までともすると分析的に聞いていたジェニファー・ウォーンズ"Hunter"の唄声が、なんと生気に溢れて聞こえることか。

フライングしてアナログ再生で聴くArt Garfunkelの"Angel Clare"について記せば、今まで咽喉から聞こえていたアートの声が、腹式呼吸の発声に変化するほどの変わりようだ。

今までの費用対効果を振り返ると、やはりSPへの投資のそれが大きいことがよくわかる。

ハイエンドの現代SPは別として、JBLなどのヴィンテージSPは、ユニット交換やマルチ化などのオプションもあるので、遊び甲斐もあるというもの。

うーん、やめられませんなあ。

さてと。

本来ならここからアナログ再生のインプレッションに移るところ、前回レビューを書いていて気がついた。

ツィーター、いつのまにかPioneer PT-R7Ⅲに変わっているけど、その影響はどうなっているんだ?

朝令暮改 JBL 075の帰還 _f0068878_11445473.jpg

いや全くその通り。
TAD兄弟を迎えるひと月ほど前、PT-R7Ⅲはやってきて、今回晴れてベリリウム兄弟の契りを結んだところでござんした。

TAD 4001入庫前に075からPT-R7Ⅲに繋ぎ変え、大きな変化は感じられなかったのでそのまま流していたのであった。(^^ゞ
TAD 4001+PT-R7ⅢとJBL LE175+075の比較をするのはいいけれど、ツィーターの違いを置き去りにしていませんか、ということだ。

それではと、PT-R7Ⅲを外してTAD 4001+JBL 075の組合せを聴いてみる。

・・・!!   これは凄い。

PT-R7Ⅲで感じた真綿で包まれるようなフワフワ感、曖昧さは後退し、高域に抜き身の鋭さが戻ってきた。
トランペットのハイトーン、シンバルのカツーン、シャキーンという響きに宿る金属質の音が、爽快に突き抜ける。

音楽の浸透圧が増し、キレが戻った。

一方、ヴァイオリンの音色はどうかというと、あまり聞き苦しさを感じない。ということは、ヴァイオリンのキツさは(我が家のセッティング上)8000Hzまで欲張ったLE175に帰属していたのだろうか?
TAD4001+PT-R7Ⅲで聴くオーケストラのような、ふわりとしながら圧のある音とは趣が異なるが、075ならではの聞き慣れたシャープな響きが心地よく響くのだ。

Roy HaynesのLove Letter、”The best thing for you", "Afro Blue"で腹は固まった。
なんというキレと鋭さか。くんずほぐれつの、のたうつ大蛇とそれを一刀両断する鋭利な鉈を連想させる、極上の演奏。
これを聴かずにはいられまい。

あらためて比較試聴のインプレッションを入れるとこんな感じか。

  (TAD TD4001+TH4001)+PT-R7Ⅲ (TAD TD4001+TH4001)+JBL075 JBL (LE175+H92)+075
音場の広がり
エネルギー感・音圧
情報量
低域表現
高域表現 ◎-
ヴァイオリン ◎-
JAZZシンバル
JAZZ金管楽器
ヴォーカル


ちょっと甘すぎでしょうか?(笑)

かくして、足切りされかかった075は無事Rosterに戻された。

アナログ試聴記は別途。(笑)





by windypapa | 2018-12-27 14:25 | オーディオ | Comments(0)

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