Figaro

師走というのに昼間はコートも不要な天気に恵まれた金曜日の夕刻、仕事場からミューザ川崎に向かう。

今宵はこの冬楽しみにしていた、ノット&東京交響楽団のフィガロだ。(演奏会方式)

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オペラ「門前の小僧」の私は、今週ベーム指揮シュターツカッペレ・ドレスデンによるフィガロDG盤を、日本語対訳を手に「おさらい」してこの日に臨んだので会った。笑

今日はチケット購入を代行してくださった私的クラシカル・ミュージック・マスターのおかげで、いつものステージ横2階席ではなく、ステージ正面席の4列目という、とびきりの席で鑑賞。
ステージの高さが低いミューザの演奏会方式ということで、オーケストラピットというハザードもなく、すぐ目の前、演奏者たちの息吹が聞こえるような間近で、「フィガロ」を楽しむことができた。

演奏会方式といっても、キャストはコスチュームを着け、寸劇を交えながら表情たっぷりに歌い、その演技は東響twitterにもあるように、「想像力を掻き立て得られる」素晴らしさなので、舞台装置こそないものの、まさにオペラを鑑賞しているような感覚さえ覚えるものであった。

歌手たちは歌唱力・演技力ともに素晴らしく、特にフィガロ役のヴェルバ、スザンナ役のリディア・トイシャー、アルマヴィーヴァ伯爵夫人のミア・パーション、バジリオ役アンジェロ・ポラックの歌声に魅了された。

初めはノット・東響の演奏を聴くことが主眼だったのだが、第一幕冒頭から歌手たちの存在感、歌声の響きに引き込まれ、Mozart&Da Ponteの術中に見事に嵌ることとなった。

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歌手・オケと観客席の近さ!


アリアの美しさ、楽しさは想像通りだが、二重唱、三重唱の掛け合いのワクワクするような楽しさ、スリリングな駆け引きに魅了される。
特にスザンナと伯爵夫人の二重唱は美しく、力強く、印象に残るものであった。

聴きどころの(4幕構成と考えた場合の)第2幕のクライマックスの重唱、テンポを変えて下からせり上がる歌唱部分の盛り上がりも素晴らしく、圧倒的なフィナーレに包まれた。

そして4幕の最後、伯爵が許しを乞い夫人がそれを受け入れる部分のアリアでは、本当に目頭が熱くなったのには自分でも驚いた。

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ミューザの聴衆も彼らの熱演を讃えて拍手の嵐を浴びせ、4回のカーテンコールに呼び出した。

くどいが観客席との距離が近いので、4回目のカーテンコールでは舞台正面で1mほどの距離で歌手たちと正対し、目の合ったフィガロ役ヴェルバから「よかったか?」と問いかけられ、Amazing!と応えることもできた。

ノットはこの日、レチタティーヴォでハンマーフリューゲルを奏でる「弾き振り」で、おまけに寸劇にも一役買う多才ぶりを見せてくれた。

オケのメンバーも周りで展開されるドラマを楽しみながら演奏している様子で、歌手と一体となった楽しいパフォーマンスを聴かせてくれた。

終演後もいつまでも余韻に浸っていたくなるような、印象的なコンサートであった。

写真は東響twitterから。

by windypapa | 2018-12-08 11:59 | music | Comments(0)

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