仁義なき戦い 鶴は草履に敵わない

立秋を迎えるやいきなり涼しくなったり台風が来たり。

おかげでエアコンなしに三晩眠れたので文句はないけど、情緒もなにもない慌ただしい天候になったものよ。

さて海王星君、もといチューンアップされたベリンガーDCX2496君のエージングはいかが相成ったか。

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上蓋を開けて中身をご披露しよう。

青い矢印部が交換したクロック部で、黄色い◯がその電源部。

上段水色の□がアナログ入出力基板で、すべてのチャンネルのオペアンプが交換されている。(たぶん裏側)

右側の赤い□枠内が電源部で、DCノイズフィルターが取り付けられ、コンデンサーには「炭化ケイ素質系の粒状の研削砥石」がブチルゴムを介して貼り付けられている。

下はクロック(黄みがかった基板)とその電源部(青色の容器)の拡大
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内部パーツフェチ?には期待を抱かせる写真でしょう?

さてその音。

エージング開始後2日目にしてほぐれてはきたものの、中域のフォーカスがなんとなく決まらない、モヤモヤした感じが残る。

そこであらためてERO(エルンストレーダーシュタイン)コンデンサー使用のチャンデバの計算上のカットオフ周波数を計算すると、

C(=0.022µF)=100/6.28×f

から、f=100/0.022×6.28=724Hz が導き出される。

ベリンガーのそれは約800Hzに設定していたので、コントローラーを左右に回してみる。と、音がそれに応じて変化するのが面白い。

このあたりがデジタル可変式チャンネルデバイダーのメリットで、実地に試聴しながら自分のSPシステムに聴感上最適なカットオフ周波数を導き出すことができるのだ。

結局EROとほぼ同じ約740Hzあたりに落ち着き、あらためて試聴すると、中域のモヤモヤ感は減退し、すっきりとした音場が広がった。

この状態で聴くシューベルトのArrangementsは素晴らしい。

やはりベリンガーに「追っかけ投資」をした甲斐があったなあ、と納得する「美音」だ。

チューニングは吉と出た。

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何枚かデジタルソースを聴いてシアワセな気持ちになり、これで行こうと気持ちを固めつつ、念のためにコーネリアスの‶Sensuous"を試聴したのが運の尽き。

ガラガラと幸福感が崩れ去った。(-_-;)

1曲目"Sensuous"は良いとして、2曲目の"Fit Song"でGapが露見する。硬質なギターリフに続いて切り込んでくるバスドラム(あるいはフロアタム?)の響きが、重く、表情が淡泊だ。

空気の振動が、音符の飛沫が、飛んでこない。

トイレの表示ではないが、「一歩前へ」出てきてほしい。

記憶違いを疑い、EROチャンデバに切り替えてみると、一聴してダイレクト感あふれる音が迸り出る。

Fit Songのドラムスの「キレ」、表皮の震える様子、空気の振動が、ビシッと飛んでくる。

なんてこった。参ったなあ。

誤解を招かぬように言っておくと、ベリンガー改の音は、素晴らしい美音である。

EROチャンデバの音を聴かずにいれば、迷うことなく我が家に定着していたはずの音だ。

しかし、EROチャンデバと比べると、ストレート感・ダイレクト感が減退し、「加工された」「磨きをかけられた」音に聞こえてしまう。

やはり、A/D変換→デジタル回路→D/A変換という工程を通る上で、オペアンプの「音」が乗って来ているのかなあ。

「お前の拘る『ダイレクト感』や『空気の振動』なんてものは幻想にすぎない」という冷静な声も聞こえてくるが、LCRフォノ付きプリアンプの音を初めて聴いた時の「ゾリッ」とした感覚が、同類のEROチャンデバと強烈に惹きあうのだ。

うーむ、致し方ない。ひとまずEROチャンデバをメインとして再生してみよう。

かくしてエルンストレーダーシュタインが新たな調教師の職にありついたのであった。

ツルツル(鶴)よりゾリゾリ(草履)、ってか。



さてさて、そんな我が家にやって来た、ConeriusのLP, ‶Mellow Waves"だ。

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まだ1面しか聞いてないけど、なかなか素晴らしい録音だ。

でも曲の好みは、やはり”Sensuous"に軍配、かな?





by windypapa | 2018-08-09 16:49 | Comments(0)

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