うだるような暑さの中、秋葉原、海神無線を訪ねて、ERO社のフィルム・コンデンサーとDaleの抵抗を求める。
物静かな主人にチャンネルデバイダーの部品を探していると伝えると、解説を交えていくつかの選択肢を親切に教えていただいた。
ヴァイオリンの音を美しく響かせたいのならと勧められたのが、エルンスト・レーダーシュタイン(ERO)社の無誘導・箔巻きポリプロピレン・フィルムコンデンサー。
お店のHPには、「 BOX型のため湿度・温度の影響を受けにくく、実装上での安定度が高いのが特徴です。 オーディオ用途では、解像度が高く余韻の美しいサウンドが楽しめます。」とある。
krellやMark Levinsonでも採用されていたが、visheyに吸収合併されてからは冴えない音に変わったそうで、これは合併前の「本来の」音を維持していたころの製品だという。
サイコロのような形状で基板用か足も短いのでどうかなあと思ったが、主人の蘊蓄を聞いていたら、これしかないと確信してお持ち帰り。
何と言っても、エルンストレーダーシュタインという名前が良い。
いかにも良い音が聞こえてきそうではないか。(^^ゞ
抵抗はVISHAY-DALE(USA ビシェイ・デール)製の10kΩ、小型1/2W 高音質オーディオ用非磁性金属皮膜抵抗を選ぶ。
「金属皮膜にはめずらしく、厚みのある低音と滑らかな中高音が持ち味で、EROのコンデンサーとの組合せは互いに持ち味を補完する形となる」ということでこれも納得して持ち帰り。
音質はカラーコード品の方が若干良いそうだが、製造中止の為、文字印字品でよしとしよう。
同じ10kΩのTDA1541A DAC出力段抵抗にも使えるはずと、1セット余計に購入。
他にモガミのRCA出力端子とラグ板を求め、隣のエスエス無線でタカチのアルミケースを仕入れて東京ラジオデパートを出る。
店の主人に希望を伝え、彼の知見や蘊蓄に耳を傾けて買い物をするという、昔ながらの商売のやりとりに、ひそやかな安らぎと喜びを感じる。
実際、主人の「インプット」で、もう頭の中まで美しい音が聞こえてきているのだ。(笑)
ネットショッピングは便利だが、こんな満足感は得られない。
ホクホクしながら買い物を終え、妻恋坂交差点近くのビストロ”Nous"に向かう。
こちらの店は前回偶然見つけてその味の素晴らしさに愕然としたところ。その味が忘れられずに再訪となった。
果たしてその味は本物であった。そしてこのCPの高さを見よ!
こちらのシェフも前回のやり取りを覚えていてくれて、言葉を交わしながら愉しく珠玉のランチをいただいた。C’était délicieux.
帰宅してひと風呂浴びて作業に入る。
まず厄介なシャーシ加工。といってもRCA端子の穴を6つとラグ板固定用のネジ穴二つを開けるだけなのだが、ン十年ぶりの金属加工なので神経を使う。
なんで傷が目立つ黒いケースなんて買って来たんだろ。(-_-;)
ラブ板固定用のネジ穴は、サラネジ用に「ザグリ」を入れてみる。
くくく、ド素人のくせに芸が細かい?
空調のない作業室(納戸)での作業はくたびれる。あわてる乞食はもらいが少ない。
今日はこのくらいで勘弁してやろう。(笑)