Grid Iron に心弾む

久々にフットボールの話題で。

一足早く開幕した関西学生リーグでは、関西大学を破ったギャングスターズが凱旋し、立命館・関西学院との四強バトルを予感させているが、関東学生リーグも9月2日に開幕し、白熱した戦いの火ぶたが切って落とされた。

飛田給にあるアミノバイタルフィールドは、以前は遠い地の果てにも思えたが、現在の住まいからは小田急多摩線・京王相模原線を乗り継いで約1時間と随分足の便が良くなった。

というわけで迎えた贔屓チームの秋季リーグ第1戦を観戦してきた。

昨年全勝してTOPリーグとの入替戦に進みながら日体大の前に涙を呑んだ屈辱を晴らすべく、今年は社会人X Leagueで数々の栄光に輝いたヘッドコーチをフルタイムで招聘し、監督以下のサポート体制も一新、悲願の甲子園ボウル出場(のためのTopリーグ昇格)に向けて、大きな一歩を踏み出した、と同期のSが力んで言っていた。

ところが春のオープン戦ではオフェンスがさっぱり出ず、格下チームにも惨敗し、OBの間ではひんやりとした空気も漂い始めていた。

そんなOB・父兄の不安漂う?の中での第1戦は、春に苦杯をなめたフィジカルの強いチームだ。

それにしてもグリッドアイアンと呼ばれるこのamerican footballのfieldは、いつ見ても美しい。

人工芝とは言え、見事な緑に染まったフィールドに、ペイントも真新しいヘルメットと新調したユニフォームで躍動する両チームの選手たちを眺めると、胸のたかまりを抑えるわけにはいかない。

試合開始のキックオフに整列した両軍選手が主審の笛を待つ一瞬の静寂に、いつものことながら心が奪われる。

相手チームキッカーが右足を一閃し、楕円のボールが大きな飛行線を描いて自軍深く蹴り込まれ、捕球したリターナーに向かって相手チーム選手が殺到する。

なんというスピードと躍動感。

すると、リターナーが自チーム選手のブロックを利用して相手チームのタックルをするするとくぐり抜けるや、一気に加速して相手陣のエンドゾーンまで駆け込んでいった。

なんと、キックオフ直後のリターンタッチダウンだ。ビッグプレイでモメンタムを握った贔屓チームだが、個々の身体能力の高い相手チームの反撃にあい、前半はもう一つタッチダウンを加えたのみ、14-0のリードで終了する。

それにしても相手チームオフェンスは、ランニングバックの#20、#21のデイライトランに徹底的にこだわり、愚直なまでにランプレイで攻め立てる。

ずるずるとゲインを許しながらも、ロングゲインだけは許さない贔屓チームのディフェンスの頑張りが、相手クォーターバックの焦りを誘ったのか、自陣エンドゾーン直前でパスをインターセプトし、得点を許さない。

後半に入ると、ディフェンスも#20、#21のランニングプレイにアジャストし、ランプレイを封じ込む。その間、ディフェンスのパントブロックタッチダウンやようやくかみ合い始めたオフェンスチームのあげたTDによって点差を広げていく。

第3Q途中になると、相手チームはランプレーを捨て、パッシングQBを投入してひたすらパスを試みるが、これもロングゲインを阻まれる。

第4Q最後になって自陣レッドゾーンでファンブルした贔屓チームのミスに乗じて1TDを返し、その後のオンサイドキックオフも成功させてTDに結び付けた相手チームが意地を見せたが、勝敗の帰趨はすでに決していた。

第4Q途中までは、贔屓チームは満点の出来栄えで、最後に味噌をつけたが、兜の尾を閉める良い薬となるだろう。

このゲームを見て改めて感じたのは、新ヘッドコーチのチーム作りの哲学である。それは秋のリーグ戦に向けてチーム作りをするという当たり前のことだが、できそうで出来ない。

大学チームは卒業で主力が抜け替わり、毎年が新チームになるために、春から目先の勝利を求めやすくなるためだ。

そのために主力とセカンダリー選手の育成が遅れ、下手をすれば主力選手を怪我で失い、薄い選手層のまま秋のリーグ戦に突入する。

あるいは、軸にするオフェンスプレー・ディフェンスプレーの練習の比重が高くなり、キッキングゲームの練習が不十分なまま秋を迎える。

陣取合戦と称されるアメリカンフットボールのゲームプランにとって、キッキングゲームの大切さは論を待たないが、多くの日本の指導者たちはこの事実に目を向けようとせず(目を向ける余裕がないまま)、せいぜいキッキング担当コーチにコーディネートを任せ、本番を迎えるのだ。(キッキングチームの選手がセミ・レギュラーや低学年生主体で構成されるのもその事実を裏書きしている)あるいはキッキング重視の方針を出しながら、それが徹底されないのを看過しているのだ。

そして秋本番で、キッキングゲームの巧拙がポジショニングとそれに伴うプレイ選択の幅を左右し、獲得・喪失ヤードに大きな影響を与えることを思い知るのだ。

強豪チームといわれるところは、こうした轍を踏まず、春からまず選手の育成を主眼にトレーニングする。春の試合はその実践の場だ。
司令塔たるQBは、目指すオフェンスに自分をフィットさせるためには何が必要かを教えられ、あるいは思い知らされ、具体的イメージのもとで努力を積む。
他のポジションの選手も同様だ。

自チームの戦略と戦術の理解を深め、そのためにどのような役割(アサインメント)が求められるかを理解し、そのうえで自分の体力・筋力・走力・判断力を鍛えていくのだ。

必然、キッキングゲームも戦略的発想で再構成され、単にロングボールを蹴りキャリアに殺到する、という次元から、シチュエーションに応じた蹴り分けとカバレッジの連動の徹底、スナップの精度アップと安定化などを徹底的に鍛え上げることが必要となる。

残念ながら、贔屓チームも御多分に漏れず、同じ轍を踏み、要所でFGを外し、リターンすべきパントボールを(ポジショニングの不適切から、あるいは判断力の不足から、あるいは指示の不徹底から)見送って自陣深くに押し込められ、パンターがラッシュチームのラッシングを見極めずに慌ててパントを蹴り、ラッシャーがリターナーに到達する時間を十分稼げぬままにリターンを容易に許す、などという場面を幾度となく目にしてきた。

それがこの開幕戦に見る限り、スナップは常に早く、安定してホルダーの手元に収まり、キッカーが安心してキックできる状況を与え、またラッシャーの圧迫を受けることなく、状況を見極めながらパントを蹴ることを可能にしていた。

唯一難を言えば、キックオフチームのオフサイドと、第4Qラストの相手チームオンサイドキックを押さえられなかったことだろうが、これは修正が可能である。

要は、今年のチームがしっかりとキッキングゲームについても準備をしていることを確認できたことであり、ディフェンスチームのアジャスト能力、DB陣の反応の良さなどと共に、今年のチームの躍進の可能性を認識できたことである。

‥と満足して帰宅した日曜日だったが、翌朝NFLサイトで確認すると、わがシカゴ・ベアーズはホームの開幕戦でファルコンズに23-17で黒星スタート。こちらのほうは今年もトホホな状況だろうか。








by windypapa | 2017-09-11 12:00 | 日々是好日 | Comments(0)

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