夏の夜の夢

期待は失望の母 by 大瀧詠一

故人の座右の銘を久しぶりに噛みしめる。

WE310BとLCRフォノイコの復活に欣喜雀躍したのもつかの間、翌日Vinyl再生に浸ろうとアンプを暖機したあと、いそいそとフォノポジションにSWを入れると、またもや右chから不穏な音が…。

ホワイトノイズが大きく膨らんだような音で、ガサッゴソッというノイズが入る。

フォノイコライザー部のSWを切り、右chのWE310BのGridキャップの接触改善を試みるが、ノイズは消えない。

それではと、両chともWE310Aに交換するが、同様に右chからノイズが出る。

それでもしばらく真空管とソケット、Grid Capをいじるうち、ノイズは落ち着いたが右chのホワイトノイズは耳に触る。

その状態でVinylを聴く気にならないので、デジタル再生に切り替える。

翌日、再びLCRフォノイコのノイズに向き合う。

ホワイトノイズとガサゴソ音については、
①右ch WE310A/Bソケットの不良 ②右ch 他真空管(WE101F、WE102F)の劣化 を疑い、WE310を抜いてそのソケットとGrid Capに接点復活剤を塗布し、綿棒でこする。

実はこの作業に入る前、左chのGrid Capを外すとき、ケーブルからCapが外れてしまったのだ! 弱り目に祟り目とはこのことだ。

ヴィンテージケーブルの堅い外側被膜と、シールド線と綿糸に囲まれた芯線被膜(これも堅い)を汗をかきながら剥いて、Capに中腰ではんだ付けをする。まったくもう。照明を幾分落としたリスニングルームで、細かい作業をすると手元も覚束ないのだ。

おかげでWE310のTop GridとCapの構造?についてはだいぶ経験を重ねさせてもらった。

さて、接点復活剤の効果やいかに?

SW ON&暖機ののちにフォノポジションを選択すると、右chのホワイトノイズが一掃され、クリアなキャンバスが広がった! 
(それくらい、もっと早くやれよ!と仰る声、尤もです。)

浮き立つ気持ちを抑えつつ、カラヤン指揮VPOによるMozart Symphony #41を聴く。

パワーアンプはWE271Aシングルアンプ。

JBL175と新たなネットワーク導入後、試したことのなかったLCRプリ×WE271A×JBL 3wayの音を聴くのだ。

ML3と比べて、音の張り出しや原色の色彩感、そして低域の凄みはやや後退するものの、奥行きが広がり、渋い色合いの、玄妙ともいえる音世界が広がった。

比喩が適当でないかもしれないが、ガス式暖炉が薪暖炉に代わった様な、よりアナログ色が濃厚な世界が現れた。

立ち現われては消えゆく音に、ある種の余韻が乗り、その一つ一つが切なく懐かしい、そんな気持ちになる音だ。

ストリングスが美しく鳴らないわけがない。


それではJazzはどうなるのか。サド・メルのBig Bandを聴いてみる。


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するとどうだ、Hornの鳴りまで一変し、一音一音に何やら陰影が付き始めたではないか。

これは、してやったり!

…と、膝を乗り出したまさにその瞬間、右chからまたあの「ボム‥」という異音が。「まさか…」「嘘だろ」と思ううちに、「ブヴォ~!」とノイズが発生。
慌ててVolを絞る。

これはもう、接触不良以外の何か別の問題が起きている。僕一人の手に負えない。李さんを通して製作者に対処法を聞こう。

さっき身を乗り出して聴いたあの音は、夏の終わりに見る短い夢に終わるのか? それだけは勘弁して欲しい。



by windypapa | 2017-09-06 20:12 | オーディオ | Comments(0)

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