桜酔い

今年の桜の季節はいつもより1週間早くやってきた。
釜山の桜は既に一週間前から7~8分咲き状態に仕上がり、この週末を待っていたかのように咲き誇っている。

桜の開花に合わせてやってきた家人とともに、慶州(キョンジュ)と鎮海(チネ)という釜山近郊の桜の2大名所を訪れた。
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土曜日。釜山より北に位置する盆地の慶州は、まだ7~8分咲き。
それでも仏国寺で美しい木蓮を愛で、私的に愛する桜の名所、半月城(반월성)に行くと、僕たちを美しい桜林が待っていた。
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半月城散策の後は瑤石宮ヨソックンで食事するのがこれもまた私的なお約束だが、昨今の物価上昇でこちらの昼食も3万3千ウォンからとだいぶ貴族的になってきた。

昨年は2万5千だったぞーなどと入り口で渋っていると、店のアジュマが「向かいに新しく開いた店で安価な定食を提供しているから、そちらへ行ってみたら」と言う。見ると今まで土産ショップだったところが取り壊され、新しい店が開いている。入り口が反対側の川沿いだったので気がつかなかった。
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看板には최가밥상。日本語で言えば「崔家食膳」というところ。昨年11月にオープンしたというお店は、新羅王朝時代様式の門塀で雰囲気を出しながら、店内は清潔で広々としていてサービスも行き届きとても感じの良い店だ。

ビビンパブやユッケジャン、プルコギなど韓国おなじみのメニューが1万3千ウォンでいただける。前菜の野菜や魚肉のチヂミ(ジョン)がビールのあてにちょうどよい。僕は豚肉のピリ辛炒め丼、家人はビビンパブを食す。ここのパンチャン(おかず)がまた美味い。さすがヨソックン仕込み、と感心した次第。
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帰りのムグンファ号に揺られ、ほろ酔いで夢の中に。

日曜日。朝方の曇天で出足が鈍ったが、昼前に晴れ間が見え始めたので鎮海に出動。
釜山の西端、沙上(ササン)の市外バスターミナルから直通バスで約1時間で鎮海だ。

釜山の西を流れるナクトン河の両岸はすでに満開の桜、鎮海への往路も車窓に桜並木に山桜の景観が映り、まさに桜尽くし。

しかし古くからの軍港、鎮海は街中至る所桜で埋め尽くされ、見上げれば青空を薄い桜色の花びらが覆い尽くすかのような景観である。
そこかしこの広場でドンジャラドンジャラ鳴らされる音楽と、豚の丸焼きの香ばしい匂いの立ち込める屋台の雑踏を通り抜け、山側に向かって鉄道線路を越えていくと、そこに小川が現れる。
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小川の両岸は桜が咲き誇り、桃源郷もかくやの壮観である。川の大きさから言って神戸の夙川を連想させなくもないが、また格別の景観である。早くも散り始めた桜の花弁を眺めながら、脳が軽い麻痺状態を起こし始める。今年も桜に酔ったようだ。
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by windypapa | 2013-03-31 22:58 | 日々是好日 | Comments(0)

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