How the WESTERN was Won. Vol.3

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おっと、気をつけろ、蛸が鍋から逃げ出すぜ。

ムンさん、李さん、黄さん、張さんと僕で昼食でヨンポタンを囲んでいる。
ヨンポタンとは手長蛸鍋のこと。野菜をだし汁に入れて温め、煮立ったらナクチ(手長蛸)を生のままぶち込み、暴れる蛸が観念したら鋏でじょきじょきして豪快に食す海辺の街の名物料理。

昨日はWE271Aシングルアンプ(ブラッキー)の竣工記念チョムシム(点心=昼食)。そう、最終試験を終え、ついにめでたく嫁入り支度が調ったのだ。

この日は朝から相方となるWE272Aプリアンプ(重い!)を担いで、李さんと一緒にムンさんのアトリエに乗り込み、最終の音質チェック。

前回は調整のため韓国製だった抵抗もすべてAllen Bradley社製に交換され、電源投入を示す青色LEDも中央に組み込まれて試聴を待っている。

家を出る時にWE272Aプリの真空管の取り外しと養生、重たい本体の移動方法に気をとられ、試聴用CDを家において来てしまったので、ムンさん手持ちのCDで音を確かめる。

さてその音は・・・1週間の調整でブラッキーの音は落ち着き、自然な佇まいで僕を迎えてくれた。

中高域の暴れと歪み感はすっかり影を潜めたが、しかし古代ローマ歩兵団のような押し出しの強さはそのままだ。カラヤン時代のベルリンフィルもかくや、氷上を進む戦車のような滑らかな力強さだ。

どうして歪みが治まったの?と聞くと、ムンさん、「出力トランスの極性を間違えていた」と正直な告白。なんだ、先週は逆相の音を聞かされてたの?と思わず苦笑。「もちろん抵抗値の調整をしてからAB抵抗に換装したし、エージングの効果も大きい」とムンさんのフォロー。

さらに、昨日ムンさんのアトリエを訪れたソウルのオーディオファイルが、シングルアンプでこれだけジャズを太い音で聴かせるアンプは初めてだと絶賛したと言う。

ムンさん、ふくよかな仙人みたいな顔して営業トーク、結構お上手ね。
でも悪い気がするはずがない。

何よりウレシイのは、ハナから諦めていた管弦楽の再生に目処が立ったこと。もたつき無く、もつれて混濁すること無く、歯切れよく「フィンランディア」を、「幻想交響曲」を、再生してくれる!

おそらく入力管WE102Fの感度の差で左右CHで出力レベルに差があるが、これは後日李さんの手持ち管の中からマッチングするものを探してみましょう、ということに。

しばらく聴いた後、李さんがWE272AプリのNFBを替えてみようと言い出す。ゲインが低く音がやや大人しいから少しNFBを減らしてみようと言うのだ。

ええ?いいよそんなの。気に入ってんだから。

という僕の声は無視されてそそくさとプリが取り外され、Dr.ムンの診察台の上でお腹をさらけ出す。

1.5kΩのNFBがかかっていたが、まず無帰還の音を聴こうということで抵抗を外して試聴する。

いきなり生々しい音がアタックしてきた。


でもちょっと、これいくらなんでもキツすぎるよ。ということで4.8kΩの抵抗に変更する。
前の音の方が滑らかだったが、こちらの方がガッツがあるといわれればそれもそうかという気になる。
チッ、主体性のない男だぜ。

さらに出力トランス〜出力端子間の配線を、他と同じくWesternの線材に変更する。李さんが使っていた時にスピーカーとの相性で少し音を大人しくさせる方向に替えていたと言う。ああ、そうですか、ってなもんだ。

確かにさらに存在感の或る音に昇華した・・・気がする。この辺り、蘊蓄を鵜呑みにする弱さを露呈。しかし実際、ムンさんのALTEC 604Eをご機嫌にドライブしている。

さて、しかし拙宅はパワードSPのKRK KTX4使いである。いかにしてWE271Aシングルアンプを迎え入れるのか?

そこは目端の利く?この俺様、ムンさんのアトリエに転がっているブックシェルフに目を付け、すでに拝借の許可を得ている。薄汚れたブックシェルフだが、まあ仮住まいのシステムには充分だ。
ちょっと慣し運転代わりに音を出してみよう。

型番に目を凝らすとデンマーク製のScandinavian Speaker Systemというブランドの GR61、帰宅してググってみたが、跡形もない無名のスピーカーだ。

まったく期待しないで床に直置きで音を出したが、なかなか侮れない音を出すではないか。小さいくせに95dbと高い能率も助けとなり、ブラッキーがご機嫌にドライブしている。

よっしゃあ、駒は揃った。あとは自分のアパートでどうやってまともな音を出すかだ。

しかしこのブラッキー、モノラルのシングルアンプの分際でメチャクチャ重いこと。李さんと張さんに手伝ってもらい、3人掛かりでアパートまでアンプ3台とスピーカーを輸送した。

ホント、みなさん、ありがとうございました。張さん、初対面なのに車まで出してくれてありがとう。お疲れさま!

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無事我が家に運び込まれたブラッキー兄弟。くウーッカッコいい!
Commented by 宗助 at 2012-03-12 21:24 x
お久し振りです。
しばらくの間何べん覗いても新しい報告が無いので、これは本業が忙しく西部戦線異状なしかと思いきや、なんと西部戦線は燃えているか状態だったんですね。ウーン、機動部隊の電撃作戦、凄いな。
そうなんですよね、ウエスタン教の信者はだいたい抵抗はアレン・ブラッドレーかデールでコンデンサーはスプラーグかマロリー、トランスはトライアド。それでMIL規格なんて言うんですよ。でもまあ確かに音も良いし部品も長持ちするような気がしますけどね。
それにしてもなかなか素晴らしいデザインですね、ブラッキーは。私の眼には個性的な真空管が3つそろってマルクスブラザースみたいにも見えるなあ。
音についてのコメントを拝見していると拙宅のウエスタンがグレースケリーだとすると(笑)そちらはソフィアローレンというところですか。
ところで、単身赴任先でそんな米韓混血の美女とねんごろになってしまって、帰国したら待っているレビンソン嬢はどうするんですか?
Commented by windypapa at 2012-03-13 20:54 x
宗助さん、お久しぶりです。
>しばらくの間何べん覗いても新しい報告が無い
すみません、小さい頃から「こつこつ」続けることが苦手でして・・・
>機動部隊の電撃作戦、凄いな。
韓国のウェスタン教徒の熱意に押し流された、というのが実情です。いや、まいった。
実は一番でかいWE271Aの後ろに整流管が隠れていて、四管編成のカルテットなんです。
マルクス兄弟ですか、あちゃあ。せめてフィルモアイーストのオールマン兄弟と言っていただきたかった。とほほ。
>米韓混血の美女とねんごろになってしまって、帰国したら待っているレビンソン嬢はどうする
ドキッ。いきなり生々しいお話に。
う〜ん、例によって行き当たりばったりで。人間じゃないので何とかなるっしょ。

by windypapa | 2012-03-11 22:02 | オーディオ | Comments(2)

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