花見@金蓮山

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ここ釜山は美しいリアス式の海岸線に囲まれる一方、山は海に迫り、申し訳程度の平地に押し込められた人々は、自然に抗うように高層アパートを建設し、その中に暮らしている。

山といっても400m〜500m級ほどで、その多くは登山道が整備され、市民の多くに休日(平日も)登山の楽しみを与えている。

釜山で桜の名所と言えばカンアンリ〜南川洞の海岸沿いの桜並木だが、そこまで行かずとも街のそこかしこで桜を愛でることが出来る。今週中頃から満開となった西面(ソミョン)の桜並木を目にしてこの時期特有のうれしくてせつない気持ちに取り憑かれ、「週末は鎮海で花見」と決めていた。

と言いながら、いざとなると鎮海(チネ=釜山から車で1時間程の桜の名所。日本の海軍基地があったところ)まで足を伸ばすほどの気力も無く、会社のスタッフに勧められた金蓮山を目指すことにした。

米を炊き、解凍した明太子を包んでおにぎりを握り、韓国海苔で包む。出汁巻き卵を焼いてタッパーにおにぎりとともに詰めて超簡単弁当の出来上がり。冷えた缶ビールを2本アルミバッグに入れ、文庫本とともにトートバッグに突っ込んでいざ出発。

住まいから地下鉄で4つ目の金蓮山駅で地下鉄を降り、山側に道を上がると、日本総領事公邸に行き当たるが、庭には桜が見事に咲き誇っている。その桜を横目に適当に見当をつけて脇道を遡って行くとやがて山に分け入る小径に辿り着く。

予想以上の急斜面の小径を登っていくと、やがて整備された山道に合流し、それでも相変わらず楽ではない山道を息を切らせながら登っていく。

ふう、想像以上にきつい坂道だ。良い運動になるぞ。

しばらくするとカンアンリの海と高層アパートが松林の間から遥かに望めるようになってくる。
まだまだ周りは松林だが、前方の山腹を染める桜色が徐々に迫ってくる。

40分程も登っただろうか、途中でウィンドブレーカーも脱ぎポロシャツ一枚の軽装で汗をかきつつ、ようやく天文台のある整備された公園に到着。桜並木が目に眩しい。

時計を見るとタイミングよくランチタイム。適当なベンチを見つけて早速缶ビールを開ける。

旨い。桜の花の下で飲む酒には魔法の味がする。今年の花見は独りぼっちだが、とにもかくにも桜の季節を迎えられたことに感謝。
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韓国の人たちは花見の習慣が無く、こんな美しい桜の公園にも人影はまばらで、しかも酒を飲む人も見当たらないが、ここはひっそりと飲むことを許してもらおう。
(戸外での飲酒は禁じられている訳でなく、韓国人は山登りの際大量にマッコリや焼酎を飲むと聞いている。)

まったき幸せ。ビールのほのかな酔いに身を任せつつ文庫本をひとしきり読み耽る。

しばらくして急坂で膝を痛めぬよう気をつけながら下山。山道から眺めるカンアンリの海と大橋が美しい。
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帰路、地下鉄自宅駅を乗り過ごし、終点駅にあるというPCパーツショップに向かう。

音楽再生アプリAudirvanaをdownloadしたものの、頻繁に表示されるCPU Overloadとそのたびのフリーズに手を焼いた挙げ句、Macbookのmemory増設に解決を求めたのであった。

道に迷った挙げ句ようやく見つけたショップには、目当てのRAM PC2-5300 DDR2 667MHz 1GBはストックアウト。どうやらもうトレンドから外れた品らしい。しょぼん。しょうがない、NETで手に入れよう。

通りすがりのパン屋で旨そうな食パンがあったのでそれを求め(食パンは日本のような柔らかくしっとりとしたものが見つからない)、ワインを2本買って家路につく。ああ、くたびれた。
by windypapa | 2011-04-10 00:54 | 日々是好日 | Comments(0)

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