ケルンコンサート

現場を訪れた訳でもないが、TVで見た大地震の災禍と放射能禍が澱のように頭の中に残り、気持ちを切り替えることが出来ない日が続いた。

多かれ少なかれ皆が共有しているはずの気持ちの持ちようなので、細かく記すつもりはないが、ブログを開ける気持ちも起きず、仕事以外はアパートに籠り新しくもない本を読む日々を過ごした。

原発で未だに危機的な状況が続く中で、今更気持ちの有り様が変わる訳はないが、先日ハングルの授業で釜慶大学のキャンパスを訪れた時、桜のつぼみがほころびかけているのが目に留り、歩みを止めてその場にしばらく佇んだ。春も盛りを迎えつつある。

その時「週末に少し外を歩いてみよう」と決めた。

今日はその時の気持ちに従って海運台(ヘウンデ)の東に突き出た岬、タルマジへ散歩に出掛けた。

月見の道という遊歩道がある市民の散策コースで、眼下に海を眺める歩道が桜並木となっている。
桜は三分咲きで、愛でるにはまだ少し早かったが、その桜色を目にすると淀んだ気持ちが少しほぐれていくのが感じられた。

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月見の丘を登り切ると来た道を引き返し、海辺を歩くと白砂に千鳥が固まって波を眺めていた。

海は静かで青く、砂浜はどこまでも細やかなベージュで、空の青と合わさって美しい抽象画のようだ。
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少し日々の暮らし方を変えてみよう。

アパートに戻って3週間ぶりにKRK VXT4の背面スイッチを入れ、以前downloadしたKeith Jarrettのケルンコンサートを聴く。

音楽をまた聴く時が来たら最初に何を聴くのだろうと一度考えたことがあったが、散歩から帰った時には不思議と迷いも無く聴くものが決まっていた。

キースのピアノは浜辺に寄せる波のように僕の心を洗い、心の中の砂浜にしみ込んで行った。

その音はレコード盤では聴くことが出来ない領域まで広がり、音の粒子一つ一つが瑞々しく躍動し、アパートの部屋と僕の心を満たしてくれた。

とにかくヒトは生きていかなくてはならない。

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by windypapa | 2011-04-02 22:44 | 日々是好日 | Comments(0)

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