コロナ戒厳令の週末はMμ'Zとともに

禁足令の週末。お犬様の散歩と食料品の買い物の時だけは外に出て菜の花と桜の花びらを愛でる。

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初夏を思わす暖かさが一変、今日はしんしんと雪が降り積もる。
コロナ戒厳令の週末である。

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そんな巣籠の友はLCRフォノイコのMμ'Z。修理を依頼した工房からは、現物と一緒に6ページにわたる詳細な修理報告書と回路図が戻ってきた。プロの仕事だと感心。回路図にはポイントごとに実際の電圧計測値も入っている。
真空管にはLRの区別が記されているし、本体と電源部の梱包もしっかりなされていたし、こういう仕事ぶりを見せられると信頼が増すというものだ。

その報告書に記された改修点は以下の通り。
1.アース回路の配線変更
(1)アンプ部:各増幅段を独立したアース回路に変更
(2)電源部:アース回路の左右独立化と整流管からのリップルリターン回路の変更、さらに電源インピーダンスを下げるための銅板製アースタブの追加
2.初段バイパス回路変更
(1)重複したカソードバイパス回路を整理しB電源へつながるバイパスを廃止
(2)アースに落とすバイパスコンデンサーの容量変更 220μF→1,000μF
3.イコライザー素子変更
 ノイズを誘導していた4.7μFの大型コンデンサーを小型メタライズドポリプロコンデンサーに変更
4.老朽劣化部品交換
(1)アンプ部のWestern Electricブロックコンデンサー125μF450V4本中容量抜け1本、取付ビス破損(ピンとシャーシがショートするリスクあり)1本を小型電解コンデンサーに交換
(2)絶縁低下の見られた電源部RchWestern Electricオイルペーパーコンデンサー4μF450Vを補給品として用意した同じWE社製のものと交換
5.アンプ部WE437A・EC8020ヒーター~アース間にバイパスコンデンサーを挿入
 ヒーター配線に乗る高周波ノイズ除去が目的
6.リップル低減対策強化
 電源部にチョークコイルと100μFのコンデンサーを追加してリップルハムを低減

さらに改善させる対策として下記のサジェスチョンを得た。
1.SN改善
(1)雑音を誘導するメーターの廃止
(2)LCRユニット全体を鉄製ケースに収納する
(3)真空管にシールドケースを被せる
(4)WE437Aの雑音選別
2.音質改善
(1)整流回路をチョークインプット方式に変更(原器はコンデンサーインプット方式)
(2)電源部とアンプ部間の接続ケーブルの空き端子を活かしてアース強化
(3)アンプ部の回路変更:出力トランスに電流を流さぬクラーフ結合の採用
(4)EC8020バイパスコンデンサーの容量アップ 18μF/350V→220μF/350V以上

実に的を得た見解であり、提言である。
一口にノイズの低減といっても簡単ではない。今回のフォノイコライザーのようにカスタムメイドで回路図のないものは、実態配線から回路図を起こしたうえで、入力端子から一区切りずつ出力側へ回路を辿りつつノイズの発生源を特定し対策を打つという根気のいる作業となる。
僕が早々に手に負えないと判断したのもこうした手順を着実に行うノウハウを有していないと悟ったからだ。

あらためてよいエンジニアに巡り合えた僥倖に感謝する。

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フォノイコライザーが戻って約1週間、そのノイズ低減効果と音質を試聴したが、金曜日はLCRフォノイコをラックから取り出して内部を点検し、一般的な部品に交換されたWE437Aバイパスコンデンサーを手持ちのMundorf製コンデンサーに交換する。

WesternElectricの400V125μFやEC8020バイパスコンデンサー220μFは、おいおい入手して交換しよう。

ハンダコテを握ったついでに、不調を訴えていたMark Levinsonのバッテリー駆動ヘッドアンプ、JC-1DCを点検する。

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20年近く前、シカゴ駐在時代に初めて入手したレヴィンソンの製品で、セラー曰くプロトタイプと言うことで、シャーシはアルミのヘアライン仕上げで上蓋はまだブラック仕上げではないもの。

内部のヘッドアンプモジュールも、最初についていたのはMark Levinsonの銘板が貼っていない、無地の黒い箱だった。
お定まりのプツプツと言うモジュール内部のDC漏れが発生し、その後入手したML-1用ヘッドアンプモジュールに交換したもの。

それで問題なく動作していたが、いかんせん我が家のML-1はMC入力を備えていること、また先代のWestern球LCRフォノイコライザーとの相性ではMalotkiトランスに一歩譲るところがあり、キャビネット内で不遇をかこっていたのだ。

新しいLCRフォノイコライザーを迎えて、手持ちのトランスとの相性をはかっていた時、ヘッドアンプのあることを思い出して引っ張り出したのだが、ブツブツと異音がするのですぐにSWを切った。

故障の原因はモジュール本体か、基板実装の1,000μFコンデンサーの劣化か、ハンダの劣化あたりだろう。あたりをつけて基板上でコンデンサーの足とアースとの導通を測ると、一本が異常である。おかしいなと足を触るとスコンと抜けた。

基板を裏返して半田付けをやり直し、他の怪しい部分もハンダコテをあてて新たに熱を加える。

基板を元に戻して電池を入れて蓋を閉める。早速カートリッジ出力とフォノイコの間に入れて試聴すると、めでたく不具合が解消したうえに、LCRフォノイコのノイズレベルがトランス経由と比べて聴感上1/6~1/7くらいに減少した。

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前に記したが、修理後のLCRフォノイコは飛躍的にハムノイズが減少したものの、先代LCRフォノイコの6割くらいの残留雑音が残り、少しもやもやとしていたのだ。
電源部や本体の設置場所やケーブルの引き回しで一つずつ原因をつぶしていこうと思っていたのだが、昇圧トランスに由来するノイズが相当あったことが判明して視界が開けた。

問題はMalotkiトランスと比べての音の押し出し、存在感の表現である。先代フォノイコとJC1-DCとの組合せは、フラットでクリアだが実体感や風圧という定性評価で後れを取り、Malotkiに軍配が上がった経緯がある。

期待と不安の入り混じった気持ちでヴィニルに針を下ろすと、その不安を吹き飛ばすような豪快な音圧が押し寄せてきた。

この圧力。この風圧。この実体感。そして背景ノイズの静かさ。

あれだけ自画自賛していたWestern球LCRフォノイコがいかにフォーカスが甘く、歪成分が残っていたのか、比較試聴すれば明らかである。
もちろんそれはレヴィンソンML-1のフォノイコやiFi Audioのフォノイコと比べればわかっていたことなのだが、「実体感」「風圧」で圧倒するLCRフォノイコを評価してきたのだ。

その意味で僕自身の聴感上の評価は信頼性が置けないというそしりは免れないが、そんな辻褄合わせの話を吹き飛ばすような、新LCRフォノイコMμ'Zの素晴らしい音をまず聞いていただきたい。

音の立ち上がりと引き際のスピード感と解像度が増した分、「鮮烈」さが加わった。先代LCRの音に「もたつき」を感じるほどだ。

プラッターに乗せるヴィニル候補が頭の中に次から次へと浮かんでくる。

昨夜はこんな2枚で試聴を終えた。80年代のチャラいAORが、このフォノイコでダイナミックに臨場感たっぷりに生まれ変わる。

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# by windypapa | 2020-03-29 10:19 | オーディオ | Comments(0)

Apolloのから騒ぎも鎮めるMμ'Zの浸透力

新型コロナで外出が自粛されるなか、せめて犬の散歩で桜を楽しむ。

こんな時だからか、見た目の美しさのみならず、その生命力に感嘆する。

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さて自己流ながらもApolloの左chを前に出して左右の「位相」をあわせて素晴らしい音が出たと欣喜雀躍した翌日、待ちに待ったLCRフォノイコライザー、Mμ'Zが修理から帰ってきた。

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逸る気持ちをおさえて注意深く開梱し、真空管をはじめとした主要部品に破損がないことを確認し、点火する。

接続先は欧州ヴィンテージ管プリアンプではなく、Mark Levinson ML-1のTAPE入力端子。
欧州管Bo~Daプリは良くも悪くも固有の「カラー」があるので、なるべくニュートラルなラインアンプをベースに試聴したかったのだ。

しかしML-1がニュートラルかと問われると、絶対的な意味では否。だが相対的にはそう言っても構わないだろう。

Mμ'Zのどこに手を加えたかは後日改めてお話しするが、修理報告によれば、残留雑音は修理前のLch 17mV, Rch 25mVが、修理後はそれぞれ0.7mV, 1.4mVまで押さえ込まれた。

1kHzの高調波歪率も、出力1VでLch 0.03%, Rch 0.04%、RIAA偏差の計測値も揃っており、データ的には申し分ない。

入力信号はZYX Atmos〜SME3012A Prototype Arm〜VEB Tonmechanik 昇圧トランス経由で送り込む。

さあ、期待が高まる瞬間だ。しかし、真空管が温まるとともに聞こえてくる残留ノイズは、思いの外大きい。

あれ?おかしいな?と思いながらスタイラスをヴィニルに下ろすと、聞こえてきたのはとんでもない大音量。慌ててML-1のアッテネーターを絞る。

と言ってももともと絞っていたので、メモリにして0からほんの数mm動かしただけの位置でいつも聞く音量(つまりそこそこ大きな音量)となる。ほとんどヴォリュームコントロールができない(^_^;)。

ML-1のゲインの大きさもさることながら、Mμ'Zの出力もそこそこでかいということだ。

この位置で聞こえてくる残留ノイズは、先代ウェスタン球LCRより少し小さくした程度。ふむ。
しかし考えても見ろ、ヴィンテージパーツを寄せ集めたフォノイコで、LCR部のファインメット・インダクターは裸のまま、シャーシもノイズ対策上有効とは言えない(らしい)ジェラルミン製、修理前はとても耐えられないレベルだったのだから、よくぞここまで軽減できたものだ。

さて肝心の音だが、そのインプレッションの前に、まず気がついたのが左chの音がでかい、ということ。
あれれ、おかしいなあ。前日オーディオマニアらしく♪SPセッティングを行なってバランスを合わせたはずなのに。

フォノケーブル、シェルリード線の接触やらなにやら確認するがアナログ信号系は異常が見つからず、結局Apolloの左chは元の場所に戻すことに。よっこらせっと。汗

やれやれこれでいい。Carpentersのアルバム"Song For You"から同名曲と"Top of The World"を聴いてみよう。ほ〜ら、カレンの唇がぴったりと中央に定位する・・・待てよ、デジタルではTop of the Worldのカレンはやや右側で、コーラスが中央だったのでは?

そうするとデジタルの再生音のバランスが気になり出して、一旦フォノイコの試聴を中断してデジタルに切り替えると、案の定盛大に右側に音が寄っている。大汗

さあそこからラックの裏側の狭いスペースに手を差し込んでケーブルを抜いたり挿したり取り替えたりの苦闘を続けること約1時間。ようやくDAC〜ML-1間のケーブルの接触不良だった(のだろう)ことが判明し、Apollo左chがデフォルトの位置でもデジタルのバランスが損なわれることなくよく鳴ることが確認されて安堵のため息をつく。

ふう、まったく、前日からの騒ぎはなんだったのだ。単なるから騒ぎ、か?

さて、仕切り直しでMμ'Zの試聴に戻ろう。まずはクルレンツィスのレクイエム。

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開梱し仮置きしたMμ'Z 手前が電源部、ラック内が本体


う〜〜む。

Westernヴィンテージ管球LCRが官能的でありながらも時に荒々しく、積極的に前に張り出してくる音、ある意味「演出」の感じられる音であるのに対し、Mμ'Zはそこからギミックあるいは作為性を差し引いて、一つ一つの音の粒立ちを揃え透明性とスピード感を持たせてズドンと噴射する「凄み」のある音である。

帯域は、広い。高域はウェスタンLCRと比べてシャープさが増し、同じ設定ではサ行のキツサを感じるところもあるが、チャンネルデヴァイダーKRELL KBXの高域を少し落とすとちょうど良い塩梅に納まる。

低域はウェスタンLCRと同様、グッと深海域まで下がるが、そこでの解像度ははるかに高く、TAD TL1601が若返ったようにキレの良い重低音を叩き出す。

Western管LCRの音に比べて一つ一つの音が洗練され、HiFi指数が高まっているが、かといって薄まったりや後方にたなびく感じは微塵もなく、4Bの濃度と極太感、そして熱量を保ったままググっ!と聴き手に迫るのだ。

レヴィンソンML-1のフォノイコと比べても、ワイドレンジで解像度の高いところ、それでいてプラスαの神秘性を秘めた部分は似ているが、Western管LCRとの比較同様、Mμ'Zの音色の濃さ、熱量の高さから、よりエモーショナルな表現を聴くことになる。

一言で言うなら、冷静でいながら官能に訴える、浸透力の強い音。

映画AMADEUSのサントラ盤を聴いて、かつてこれほど心打たれたことがあったろうか?

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これはこれは!大したタマだぜ。



# by windypapa | 2020-03-22 21:08 | オーディオ | Comments(2)

レヴィンソンのもたらす覚醒とデジタルの帰還

先日季節外れの雪が舞った翌日は、遠くに望む丹沢山系は薄っすらと雪化粧が残っていた。

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しかし春らしさの戻りとともに里山も生気を取り戻したようだ。

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いつも通り桜の開花を迎えられる幸せを噛みしめる。

さて、オーディオの話。
ここのところ文字通りWestern Electronicヴィンテージ管による LCRフォノイコX欧州管Bo & Daプリアンプの音に浸りきっていた。

それは耽溺と言う言葉が相応しいほどの傾斜であった。

それほどその音が僕にとって魅惑的であるわけだが、いくつか目を瞑らなくてはいけない点はもちろんある。

ひとつはロック系ソースの特にリズムセクションに「もたつき」や曖昧さを感じることがままある点。
もう一つは、左右の定位がぼやけて、特にヴォーカルが右寄りに聞こえる点である。

ひとつめは、ヴィンテージ管に由来するところもあり、仕方ない面もある。二つめも、ひょっとして真空管の左右の出力差もしくはコンデンサーなどヴィンテージパーツのマッチングのなせる技かと不問に付し、左右のアッテネーターを調整してお茶を濁していた。

しかしある日気がついた。あまりにトロトロの音に浸りすぎて、真っ当な音を耳を失っているのではないかと。

オマエは竜宮城の浦島太郎になっているのではないか?

そうだ。ちょっと耳をリフレッシュしよう。

というわけで、久々にLevinson ML-1に火を入れた。

休眠が長かったせいか、ウォームアップに1時間少しかかったが、目覚めるとこれはやはり只者ではない凄みのある音を送り出し始める。

比較すればの話だが、やはりヴィンテージ管プリアンプと比べると、立ち上がりと音の消え際の早いスピード感と、下の下までズ〜〜ンと響く、ワイドレンジかつ凄みを効かせた音を聴かせてくれる。

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しかし、それでもヴォーカルは右に寄る。いやむしろヴィンテージ管アンプより定位がしっかりしている分、はっきりと右に寄る。
ウーファーから出る音はそれほど右寄りに聞こえないが、それは低域の指向性の弱さからかもしれない。

冷静に部屋の中を見ると、リスニングポイントの左側前にあるラック上の機器、特にGoldmund Studioの大きな駆体が音の進路を妨げているような気がする。

そこでリスニングチェアを1.2mほど前方に移動させると、ヴォーカルの定位が中央にピタリと収まる。

うーむ、しかしこれでは縦長の部屋の中央付近で音楽を聴く羽目になり、ヴォリューム操作やらCDの掛け替えやら、難儀だし、目の前にDelphiキャビネットが迫り、落ち着かない。

ムンドStudioを引越しさせようか?それともSalogic LVパネルを左側の壁に置いてなんとかできないか、などと小さな頭を絞って考え実行に移したが、ムンドは他に置く場所もないし、パネルは左壁に置いても問題は改善しない。困ったなあとさらに考えた末、左側SPの位置を少し前に出してみることに思い至った。

そうだ、以前O氏にも教えてもらったように、SPの位置を追い込むのがセッティングの基本だったじゃあないか。(^^;;

とはいえ、エンクロージュアの上に大型木製ホーンとTAD大型ドライバーを擁したアポロを動かすのは大変だ。息を止めてセッティングボードもろとも前に引き出すこと約10cm。よしこれで聴いてみよう。

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左chのApolloを約10cm前に出したところ。


Carpenters with the Royal Harmonic Orchestraから"Yesterday Once More", "Goodbye to Love", "Top of The World"と聴きながら仰角をあわせて微調整していく。

と言っても僕の場合かなりアバウトだが、それでもカレンの唇がピタリと中央に納まった。(Top of The Worldは少し右側にカレンが現れ、のちのコーラスが中央に定位するけど)

と同時に、サウンド全体のフォーカスがピタリと合って、音に勢いが生まれる。

ほほ〜、これはこれは。ここのところアナログと比べて何か面白みのない音に感じられたデジタルソースが、生気を取り戻して鳴り始めた。

考えてみると、左右の音のバランスが悪いということは、見かけの距離とは別に左右の音が両耳に到達するのに時間差が生じていたということであり、それが解消すればピタリと音の位相が合うということだろう。
これは左右のアッテネーターでボリュームを調整する話とは根本的に違う話だ。
悟空とベジータの発したカメハメ波がドンピシャのタイミングで届く、そんな衝撃だ。(よけいにわからない?)

その上ヴィンテージ管プリアンプのような曖昧さを許さぬレヴィンソンの締め付け?でドラムス・ベースが躍動感を増して迫るからひとたまりもない。

お〜これは、久しく忘れていたオーディオのダイナミズム。

Mark Levinson ML-1、手放さなくてよかった。お前とヴィンテージアンプは僕にとっての東大寺の阿吽像と等しい。

全く、いつまで聴いていても飽きない。こんな時にありがたい発見なのであった。笑




# by windypapa | 2020-03-20 20:53 | オーディオ | Comments(0)

こんな日は能天気にヴィニルに濃厚接触しよう

靖国の桜は恥じらいを残しているようだが、ここら辺の早咲き桜たちはもう満開の花びらを競っている。

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4月中旬の陽気も手伝って絶好の花見日和となるはずが、そうはいかないもどかしさ。
毎日TVをつければ疫病のニュースばかり。気楽に人混みに出ることも酒を酌み交わすことも叶わず気が滅入る毎日。

それじゃあ換気の悪い密室でコッテリとヴィニル漬けになろうじゃないか。
なにせここへきて初代LCRフォノイコライザー(WE310B〜101F〜LCR〜102F〜272A)の調子が最高潮に上がって来ているのだ。
ひとつはZYX Atmosカートとシェルの接点密度を見直した(というか、早い話が緩んでたのね。(;^_^A )こと、ひとつは以前話したMalotkiトランスのケーシング内部の方向をずらして配線材を変えたこと、などが相俟って「ヴィニル再生これで文句あるか!」状態に昇華しているのよ。

ああ、また独りよがりの我田引水が始まるのか。
と鋭く察したあなたは偉い。これ以上読み進むこと勿れ。

というわけでPhoebe Snowの同名アルバム。1974年リリースの初盤、米国Shelterレーベル SR2109である。

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Chuck Israelsのウォーキング・ベースに乗せたフィービーのVo.が桑港の夜霧に浮かびそして消えていくような、なんともスモーキーな"San Francisco Bay Blues"を始めとして、どの曲も佳作揃い、しかもEngineerのPhil RamoneとAsst.EngineerのGlen Bergerが素晴らしい仕事をして、トロトロに濃厚でいてかつ鮮度の高い音を聴かせる。

なんという実体感。フィービーの喉仏が覗けそうなリアリティ。

これはZYX Atmos X SME3012A Prototype Arm X Malotkiトランスのタッグのど真ん中にハマるこってり濃いサウンドだ。
う〜、病みつきになるなあ。

かたやAntal Dorati指揮Royal Philharmonic OrchestraによるDvorak "Slavonic Dances"
Londonレーベルから1984年にリリースされた 蘭プレス盤である。

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1983年1月・9月・10月にLondon Kingsway HallにてDigital Recordingされたもの。
Sounding Engineer(と書いてある)はColin Moorfoot。調べると何度もグラミー賞にノミネートされた(けれども受賞はなし)70〜80年代を代表するレコーディングエンジニアなのですね。

ドボルジャークねえ。
僕の中ではちょっと脇道に逸れたと言うか、あまり積極的に聴きたい作曲家ではなかったのだが、このヴィニルは例外。
Digital Recordingの為せる技か、はたまたMoorfoot氏のウデが良いのか、このヴィニルに刻まれた音はトンデモナイ代物である。

それはかつてのMercury時代のドラティを彷彿させる鮮烈なダイナミズムにデジタルの精緻さが加味された天下無双の音楽絵巻。

そんなソースが我が家の”Go Forward Sound”システムに乗った日にゃあ。
クラシカル・ミュージックの正統派愛好者がこれを聞いたら「エゲツない」とバッサリ切り捨てるだろう(笑)
いやまったく、手前味噌になりますが、それでも言わしてもらおう、「これはもう圧巻。」

あ~あ、この世情に能天気なこと書いて。
そうさね、こんな世情だから能天気なこと書かなくちゃ。べらぼうめ。

# by windypapa | 2020-03-13 09:41 | music | Comments(0)

クルレンツィスのレクイエム

さてクルレンツィスのレクイエム、2010年録音で2019年8月末にリリースされた2枚組45rpmヴィニル盤である。
1500枚プレスで一枚ごとにナンバリングされている。
いつもながら新着情報に疎いので今更の感想文となるのである。

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Introitus冒頭で低く主題を奏でるファゴットと背景でリズムを刻む弦楽器の幽玄な音色に、そしてその奥に潜む臨場感にのっけから蝸牛神経が目を覚ます。
オケのトゥッティで重厚な天上の扉が開き、悲痛に響く右chのヴィオラ(第2Vnか?)が聞くものを祈りの場に引き込む。
そして中央にすっと立つ清らかなソプラノ 透明感溢れるマニフィカートによって脳の浄化が始まる。
4人のソリストとコーラスは各パートが交差すれども混濁せず、それぞれの立ち位置を示しながら素晴らしく見晴らしの良い音の景色を描き出す。

Kyrieでは一転してコーラスの、パートからパートへ疾風が吹くようにバトンを渡すまるで演劇のようなダイナミックな展開を聞かせると思えば、Dies Iraeは強烈に吹きすさぶ北風に身が翻弄される。右chで弦を叩く弓の音は悪魔が扉を叩く音か?

Tuba Mirum 春の到来を思わせるおおらかなトロンボーンの音色とバリトンの歌唱にホッと一息をつき下ろしかけた腰を、続くテノールの張りと艶が再び立たせる。歌声はアルトからソプラノに引き継がれ、ソリストたちの美しい四重唱に実を結ぶ

そしてREXのストリングスの刻むキレの良いリズム!こうきたか。

RECORDAREの天上から降り注ぐ光のように上下する音階を奏でるバセットホルンと聖なるストリングス、そしてそれに導かれた天女の羽衣のごとき四重唱。

一転CONFUTATISの、吹けよ風呼べよ嵐とばかりに獰猛な牙を剥き出しにするチェロ・コントラバスの重いリフ。そしてそれを鎮める天上から降り注ぐコーラスとバイオリンパート。

そして深い祈りの旋律を引き継いだLacrimosaのラストに鳴り響く鈴の音は、聴く者に何かを思い起こさずにはいられぬ、あるいは何かの欠落を思い知らされるような、切なさを帯びる。

Domine Jesuの彫琢感溢れるストリングスとコーラスが緊張感を保ちつつ絶妙に絡み合い織りなすアラベスク。平穏な歌声で始まり転調を繰り返すHostiasの上質なテキスタイルのような質感。そしてそれに浸る間もなく打ち鳴らされるSanctusの大太鼓の祝砲の迫力ときたら。

一体これがヴィニル盤から、あるいはオーディオ装置から再生される音なのか?

このように一つ一つの音が自立しつつディテールを照らし出し、うっとりするように美しい、しかし時に冬の嵐のように激しく厳しい音の風景を、眼前に描き出す音源があったろうか?

これ以上楽曲ごとの素人評を続ける愚は避けよう。

それにしても2枚組というのに全曲聴き通しても50分弱という、聖なる小宇宙を巡る巡礼の旅。
片面平均12分弱の演奏時間ではうたた寝する暇もない(笑)

こんな素晴らしい内容と録音のヴィニル盤、今まで聴いたことがない。すごいぞALFAレコード。

ナクソスの解説では「音源は192 KHz/24bitのハイレゾリューション。DMM(ダイレクト・メタル・マスタリング)カッティングの採用により、マスター製作までの工程で発生するノイズやゴーストを低減し回転数45rpmで180g重量盤2枚に収録」とある。

そうするとこの音質のただならぬレベルはDMMの為す技なのか?と思って我が家の至宝(笑)ラトル指揮BPOのブラームス交響曲ボックスを取り出して聴いてみると、首を捻ることになる。
確かにあるレベルを超えているが、それは一定の枠内に納まっている。

それではと他の45回転盤を取り出すが、これらも通常の枠の中にある。

結局のところ、この素晴らしい音がどこから来るのかよくわからない。わからないので毎日聞く破目になる(笑)

今夜も我家の地下室にレクイエムが響く。

時節柄相応しいのか縁起でもないのか。

# by windypapa | 2020-03-03 22:10 | music | Comments(0)

The Last Sultan

アトランティックレコードを創った男 アーメット・アーティガン伝

2013年の刊行時、どこかで書評を読んで「いつか読みたい本リスト」に入れたまま忘れていた(^^ゞ本を図書館で見つけた。
さっそく読んでみる。

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578ページにわたる本文に、レコード界のリジェンド(読んでみて知ったのだけど)アーメットとレコード業界、それにまつわるミュージシャンの勃興と推移、系譜が満載された読み応え満点の大著である。

前半は(オスマン帝国崩壊後初の)在米トルコ大使に任命された父と共に一家でトルコ(アーメットはトルコ人だったのだ!)からアメリカに渡る話と、ワシントンの大邸宅で何不自由なく暮らし、音楽に傾倒し黒人街のクラブに一人で出入りしたりレコードを収集した幼少期から青年期の話、父の死去で自立の必要に迫られ、独立系レーベルのアトランティックレコードを設立する話、そしてR&Bミュージシャンを開拓し、白人市場に売り込みビジネスを拡大していく話が語られる。
後半は米国レコード業界を襲うブリティッシュインベイジョンに始まるロックミュージックへの傾斜とツェッペリン、ストーンズ等ミュージシャンの獲得競争、リベートやドラッグ、女など赤裸々なレコード業界の内幕、成熟した業界のトップで生き残るための熾烈な生存競争、そして83歳で迎える死と故郷トルコでの埋葬が描かれる。

アトランティックレコードを創って60年以上トップに(と言っても最初のうちはマイナーな独立系レーベルに過ぎなかったが)君臨し続けた、そしてR&Bを、ロックンロールを、世に送り出し、ポピュラーミュージックシーンに絶大な影響力を与え続けた男がトルコ人、しかも移民第一世代(父親に連れられてきたから正確には第2世代か)だったとは、露ほどにも知らなかった。
アーティガンはトルコ名ではエルテギュン(来るべき日)と読むそうだ。オーディス・レディングはアーメットのファーストーネームも「オムレツ好きの」愛称と勘違いして彼をオムレットと呼んだという。
米国でマイノリティとして成功するには苦労がつきものだが、レコード業界は「やくざな」業界でマフィアやユダヤ系を始めとするヨーロッパ移民がしのぎを削るマイナーな産業だったことが幸いしたのだろう。
トルコの高級官僚の息子として欧州で身に着けた教養と語学、そして彼独自の文化的嗜好、センス、社交性により後にポピュラーミュージックとハイソサイエティの人々を結び付け、「やくざな業界」に市民権を与える架け橋となるのである。

このトルコ生まれの「おぼっちゃま」が生の音楽の洗礼を受けたのが1933年、ロンドンで行われたデューク・エリントンショー。アーメット10歳の時である。この夜の体験が彼にとって一生忘れることのできない、人生を変える経験になったという。
アーメット曰く「レコードを聴くのとは全然違っていた。当時のエンジニアは、ベースやドラムの音が大きすぎてレコード盤の溝が割れるのを心配して、ものすごく小さな音で録音していたからね。だから生のバンドを聴いたときは大変な衝撃だった。ズン、ズン、というものすごいリズムが体を突き抜けて行ったよ。『ああ、これがジャズなんだ。レコードプレーヤーで聴いていた、しょぼくれた音楽とは大違いだ。』と思った。あの大音量と、劇場中に響き渡るベースとドラムの残響には驚かされた。あれほどパワーのある音楽をそれまで聴いたことがなかった。」
この原体験から、ワシントンに渡ったアーメットは最初からジャズのレコードを探し求め、白人社会の店にそれが置いていないと知ると躊躇なく黒人街に足を踏み入れ、78回転のレコードを買い漁り、14歳の頃にはワシントン版アポロシアターともいえるハワードシアターに入り浸るようになる。
こんな浮世離れした風変わりなトルコのお坊ちゃまが、父の死を経て同好の仲間と共にレーベルを掲げ、弱肉強食の米国マーケットの片隅に拠点を築き、ビジネスを広げていく様子がアトランティック初のスター、ルース・ブラウンやその他のブルース歌手、R&Bミュージシャンたちとのエピソードと共に活写されていてまことに興味深い。

ヒトも企業も成長期の七転び八起きの末の成功譚が面白いというが、まさにその通りだ。

アーメットが他のレコード会社の偉いさんと違うのは、常にミュージシャンの視点で考え、ものをいうことであり、どんなに年の違うミュージシャンともすぐに打ち解けた関係に持ち込む「人たらし」であったことだろう。

今ならコンプライアンス的に完全アウトなドラッグ、性的饗応、リベート、などありとあらゆる手段を使い、レコード業界で不動の位置を築いていく後半は、登場人物の数も多くなって人名リストが欲しくなるが、高校生時代に憧れたツェッペリンやストーンズにまつわるエピソードも満載で飽きさせない。

そして突然の終幕。トルコに遺体を運ぶジェット機がドナルド・トランプ(もちろん大統領になる前)所有のものだったというのが笑わせる。

いずれにせよ、自分の心底好きなことに打ち込んで、これだけの富と名声を得た男の立志伝が面白くないはずはない。
サクセスストーリーとしては最近のIT長者のそれと似た部分もあるかもしれないが、生身の人間同士がエゴと欲をぶつけ合い、汗と涙と体液?まみれ(でありながらアーメット自身はあくまでクール)の人間味あふれるストーリーは、最近の成り上がりのそれとは一線を画している。

う~む、読み応えあったなあ。これは手元に置いておきたいとググると、なんと売り切れで在庫なし。やれやれ、なのである。


# by windypapa | 2020-03-02 15:55 | 日々是好日 | Comments(0)

春風と早咲き桜

毎日のコロナヴァイルス騒ぎで気が塞ぐ。
春風も爽やかな青空に恵まれた週末、「濃厚接触」機会の少ない郊外に住む地の利を生かし(笑)河津桜でも観に行こう。
自宅から車に乗ること40分、相模川の堤防跡に整備された河津桜の並木道に向かった。

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相模川2番土手跡に整備された300mほどの散策路に50本ほどの河津桜が美しさを競う。

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青空に映える河津桜の薄紅色の花弁

2週間のテレワーク生活で溜まった心の澱が流されていくような清々しさ。

1日も早く、無粋なマスクなど外して花の香りを楽しめるような平穏に戻りたいものだ。

さてその日我が家に届いたHMVからの小包の中身。

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おいおい、最近やけに気前よくソフトを買っているな。それになんだ、またNiagara Moonが映っているぞ?懐は大丈夫なのか?

う〜む、HMVの割引広告メールに手もなく転がされた結果と言われればその通りだが、自宅幽閉生活を楽しむ工夫と言えなくもない。(^^;;
と苦しい言い訳。

さてその結果はいかに?

# by windypapa | 2020-03-01 09:07 | 日々是好日 | Comments(0)

Niagara Moon Rises Again

COVID19が猛威を振るっている。
対処法の分からぬヴァイルスへの不安がいや増す。
「正しく怖がれ」と言われても、感染したら自力の体力勝負しかないとはお粗末だ。
推定致死率が2%程度の予想でこの有様だから、エボラ等強力なヴァイルスの拡散を想像すると防疫制度の確立を切に望みたいものだ。

韓国釜山でも2月27日時点の感染者は58名を数えている。李さんからの情報では、東菜(トンネ)の新天地教会から発生した集団感染によるものらしい。
李さんは難を逃れているが、モイム(集会)はすべてキャンセルされているらしい。
COVID19受難地域のひとたちが一刻も早く安心して暮らせるようになることを祈りたい。

さてそんな世情でヴィニルの話をするのも気が引ける?が、大滝詠一のNiagara Moonである。

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先日手に入れたヴィニルのうちの一枚だ。

今さら大滝詠一?と訝る方もおられようが、ここは大滝詠一なのである。

高校時代、ラジオ関東でオンエアされていた大滝DJの「ゴーゴーナイアガラ」ファンの、その方面で「感度」の良い友人が入手したアルバムを聞かせてくれたのが最初の縁だ。
今から約45年前の話。(笑)

繊細でちょっと気難しいその友人と、万事泥縄で相手次第で風向きを変える軽薄な僕とが、どうして親しくなったのかは不明だが、お互い洋楽好きの姉を持ち、同級生より半歩先のポップス体験をしていたところに共感を持ったのかもしれない。

北鎌倉から山を分け入ったところの新興住宅地にあったそいつのウチに仲間と泊まり、「楽しい夜更かし」を歌いながら夜中に雀卓を囲んだ記憶が残る。
カセットテープに録音したものを自宅で擦り切れるくらい聴いたものだが、そこはそれ、サンヨーラジカセの音で(友人宅も五十歩百歩の小型ステレオだった)音質がどうのこうのという聴き方じゃない。

当時の大滝は我々から見て「冗談で皆を煙を巻きながら自分の好きな曲を作って、その元歌と共に紹介する」ミュージシャンだったが、そのカウンターカルチャーでありながら浮世離れした脱力感に高校生である僕らの心はとらえられたように思う。

その頃、渋谷公会堂での大滝のコンサートチケットを手に入れた上記の友人が勇んで会場に足を運ぶと、開始時間にひとり大滝が舞台袖から現れて、「スミマセン、準備が間に合わなくて今日は中止です」と謝り、冗談だろうと思ってたら本当に中止だったと憤っていたのを思い出す。

なかなか聞かない体たらくだが、神奈川の大船あたりの高校生が渋谷まで出張っていく気合が空振りに終わった切なさは同情するに余りある。(笑)

そんな植木等的キャラクターの半面、細野晴臣がYMO活動を始めて戸惑うファンに対するラジオでのコメント「(細野さんの)音楽性の懐の深さは普通の感覚では測れないから、ずっとついていってほしい。ついていけないなら、ファンをやめた方がいい」の硬骨漢ぶりに感心させられたり。

その後ほどなくLONG VACATIONのメガヒットでメインストリームに躍り出て、僕らが勝手に応援する内輪のインキュベーターから離れて行った(笑)のだが、7年前の年末に突然亡くなってしまった。

そういう個人的な思い入れのあるミュージシャンでありながら、いままで初期の作品を手持ちで持っていなかったことを思い出し、たまたま出品されていたものをゲットしたのだ。

今回入手したのは1981年CBSソニーからの再発盤(写真左側)
早速聴いてみよう。

知ってる人は知ってるように(笑)大滝の福生のスタジオ(兼自宅?)に持ち込んだ機材でレコーディングされたもの。プロデューサー、レコーディングエンジニアも大滝自身。

そのせいか低域も落とさずしーっかりズズーンと入っている。いいねえ。
一方で一部背景にジーッとハムの聞こえる曲もある。^^;
曲によっては音が団子になる傾向もあるが、概してドーンとくる音で好ましい。

そういえばこのアルバム、まともなシステムで聴くの、初めてなんだ。

当時の日本のポップスってこんないい音だったかな?と細野晴臣の「泰安洋行」に針を落とすと、「それなり」の音である。う〜む。クラウンレコード、もうちょっと頑張ってくれよ。

これはオリジナルのエレックレコード盤はもっとすごい音かもしれないと発作的な思考にとらわれて、エレック盤をゲット。(上の写真右側)

オビなしのためか、良心的な価格であった。

果たしてその音は期待を裏切らないものであったが、冷静に比較すればCBSソニー盤もまずまずの出来だ。

数十年前の自分の記憶と曲がシンクロして蘇り、思わずレコードと一緒に歌ってしまう自分がいる。笑
しかし何より感じるのは、大滝のこのアルバムが一過性の流行を追ったものではなく、ある種普遍的な輝きを保っているということだ。
まだ懐メロにのぼせるほどヤワじゃない。

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右がエレック盤、左がCBSソニー盤


ジャケット裏の写真もオリジナル盤と後発盤はこう違う。右側エレック盤。
岩手の頑固者のカオを見てやってください。

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う〜ん、イーチ大滝、こんな昭和の畳部屋でレコードを聴いていたんだな。

いや、愉快愉快。





# by windypapa | 2020-02-27 20:05 | music | Comments(0)

梅の香りにVEB Tonmechanik Again

世の中は新コロナウィルスに戦々恐々としているのに、3連休は雲ひとつない絶好のお出かけ日和。

人混みに塗れるのは避けたいので、犬を車に乗せて近所の自然公園に梅を観に行こう。

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青空を背景に梅の花が美しく映える。

しかし犬の目にはその美しさはわからない。ひたすら前へ進もうとする。笑

小川のそばには福寿草も愛らしい花を咲かせていた。

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マスクを外して梅の香りを思う存分楽しみたいものだ。

ところで12月にLCRフォノイコを受け取った時、同時に李さんから持たされた昇圧トランスがある。
Malotkiの存在感に比べて、たいそう小ぶりなので今までろくに試聴もしてこなかったが、Malotkiのクオリティが安定してきたので、少し趣向を変えてニューカマーを試してみよう。

Malotkiと比べて小さくて軽いので、色々な位置を試せるのも良いところ。
昇圧比は1:40くらいと聞いていて、Malotki(1:50)よりヴォリュームを上げなければならないが、その音は外連味が薄れてよりスムーズかつナチュラルである。

ううむ。これはなかなか好ましい音の出方だな。
音圧でねじ伏せる聞き方は、いい歳なのだから少し改めた方が良いのではないか。

そんな風に感じる時には最適な音質である。

ドイツのトランスというだけで詳細を聞かされていなかったので、中を開けてみる。

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VEB Tonmechanik、ベルリン-ホーエンシェーンハウゼン という東ドイツ製のトランスのようだ。

ん?なんか聞いたことあるような?

そっかあ、2011年11月に記載した東独製プリアンプの名前じゃあないか。
なるほどあの時のプリアンプに搭載されていたトランスだ。

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先日のMalotkiに倣って線材を交換してみる。

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さてさて、音質はいかに?

# by windypapa | 2020-02-24 17:21 | オーディオ | Comments(0)

春一番にミケランジェリ

春一番。ご近所の其処彼処で咲く梅の花が散らずにいてくれることを祈りつつ、生命の息吹を感じさせる季節の到来を喜ぶ。
びゅうびゅうと街を吹く風が、疫病も吹き飛ばしてくれることを願う。

さて一昨日届いたヴィニル盤から。

ミケランジェリのラヴェル&ラフマニノフピアノ協奏曲 グラチス指揮フィルハーモニア管弦楽団

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オリジナル盤は1957年録音のEMI盤だが、高値でとても手が出ない。
こちらはそのオリジナル盤のマスターテープを使ってリリースされた再発180g盤である。

マスターテープを使用したと言っても再発盤だからな〜、と半信半疑で針を下ろす。
と、いきなり冒頭のオケの生々しい演奏に引き込まれ、続くピアノの音色の存在感にはっとさせられる。そうは言っても、現代録音のピアノの音とは自ずと異なる音の佇まいだが、録音当時の音が劣化を感じさせずに再生される、という感じだ。しかも音の勢いが凄い。
続いて重なっていくオケの音も鮮度を保ち、もたつくことなく音離れが良い。管楽器の音色、ハープのきらめき、ストリングスの広がり、いったい60年の間、録音技術の何が進歩したのだろうと思わせる、素晴らしい耳触り。フォルテッシモの炸裂音など、Mercuryもかくやの迫力である。
そして第二楽章の叙情。ピアノにはややアンティークな音色が宿るが、このロマンティシズムを損なうものではない。ただ聴くものを桃源の彼方に運ぶ夢見るような音色。
そして百花絢爛、変幻自在のオーケストレーションを聴かせる第三楽章。ラヴェル・マジックの炸裂だ。
裏面ラフマニノフのピアノ協奏曲第4番。激情に駆られ急坂を駆け登って行くような第一楽章のダイナミックレンジ満開の激走、一転穏やかさを取り戻し思索にふける第二楽章の静謐な佇まい、再び迸る激情に身を委ね、オケとピアノが手を取りあっていくところまでいってやると大見得を切り、燃えるような舞踏を舞う第三楽章、めくるめくラフマニノフ・ザ・パッション・ワールドを目の当たりにする。
いやはや、なんとも凄いレコードだ。
耳にしたことがないオリジナル盤の音との比較はしようがないが、これはかなりの耳福盤である。星4つ献呈だ。笑

やるじゃん、再発重量盤。このモメンタムでスティーリー・ダン”ガウチョ”、ジェニファー・ウォーンズ"The Hunter"と聴いてみる。ジェニファーはCDしか持っていないが、まずまずのアナログサウンド。
手持ちのガウチョUS初期盤は音はよいがサーフェスノイズが多いのでその点を差し引いて引き分けか。2008年リイシューの重量盤の方が低域をブーストしているのかちょい横綱サウンド。笑

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Little Feat のThe Last Record Albumはいかに。ワーナー・パイオニア盤、US初期盤に続いて3枚目の入手だが、US初期盤との比較では残念ながら初期盤に軍配があがる。同じボリューム位置で、初期盤の方が音量レベルが高く、音の分離が良い。再発盤は低域ブーストで化粧しているが、音のキレが悪く聞こえる。ちぇっ、散財させられたぜ。
レーベルも初期盤の色の方が綺麗である。関係ないか。^^;

ところで先日のオーディオ同好会の例会で頒布?されたアクセサリー、ショートピンを試してみた。
例会で聴いた限りでは、調音機能があり音がまとまる方向に聞こえたので、我が家の「荒ぶる」LCRフォノイコに合わせるとちょうど良いバランスになるのではないかと期待して試聴した。

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感度の悪い僕の耳でも効果が感じられる自己主張の強いアイテムで、クラシカル・ミュージックの再生では我が家の「前に飛び出す奔馬のような」再生音が制動され、落ち着いた音に変化するのがわかる。ふむふむ。
Jazz, Rockでも同じ傾向で、ちょっとハイソな?サウンドに昇華したような錯覚を覚えるが、聴き込んでいくうちに「よそいき感」が強まってくる。
この時点で2セットをプリアンプの入力端子に挿入していたので、効き目を落とすために1セットに変えてみる。確かに上で述べた傾向は弱まるのだが、「よそいき感」は後を引く。
もっと前に。ダイレクトに。
我が家の音は奔馬のままで良いのだ。
結局デフォルトに戻して安堵したが、「効き目」そのものとしてはなかなかどうして、侮れないアクセサリーである。

また出番がくることもあるだろう。

# by windypapa | 2020-02-22 16:59 | オーディオ | Comments(0)

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