如月にせしこと

LCRフォノイコ付きプリアンプ【DELPHI】が手元に届いてから、今日までの出来事をさらっておく。


○試聴会 2月4日S氏・O氏が来訪し、DELPHI導入後の音を試聴


この時点ではフォノ入力時のハムが少量ながら残っていたが、Thorens124 + SME3012R + Ortofon SPU-G + Malotki 昇圧トランスの音は、概ね好意的に迎えられた。


因みにLINE部のハムは皆無。初期真空管を使用したプリアンプとは思えないSNである。O氏曰く「LCRプリがトータルシステムをトスカニーニ的に支配した音」


DELPHIのシステムに対する絶対的支配を表現されたのか、僕のLCRフォノイコへの心理的傾斜を指摘されたのか、いずれにせよ当たらずとも遠からず。


一方でSimon Rattle指揮BPOのDirect Cut盤 Brahms Symphony #2を、リニアトラッキングのGoldmund Studioで試聴すると、LCRフォノイコとの相性が今一つで、搭載された日本の現代的カートとのマッチングには疑問符が付いた。


この組み合わせでは中高域がきつく、ピーキーに聞こえる部分があったため、上記のような評価となったもの。

試聴会後、自宅でワイングラスを片手にいつものように歓談。送りがてら、駅の近くの蕎麦屋で日本酒で締める。愉快也。


○ノイズ対策① 上記試聴会に際し、Malotkiの出力側アースをGroundから浮かし、ラック裏側に仮置きした脚立の上に設置することでハムの減少を狙った。


○ノイズ対策② 試聴会後、DELPHIに人体が近づくと大きくなる輻射ノイズ?対策のため、アルミフォイルで真空管を覆う。NHKの「超絶・凄ワザ! 究極の断熱対策ボックス」という番組で、アルミ箔が電磁波を防御するうえで大きな効果を有する様子を見て、釜山で実施した対策を再現したもの。今回はLINE部のBoとDaを覆うと嘘のようにノイズが治まった。フォノ部の初段ではないところが不思議である。


とにもかくにも、フォノ時のノイズは満足できるレベルにまで抑え込んだ。


本来はここまで対策してから人を招待するものだが、気が逸ってしまって、またもやお二方には中途半端な音を聴かせてしまった。反省。


○2月9日 税務署に立ち寄り後、町田のレコードハウスPAMを訪問した。店主である末武さんのレコード洗浄にまつわるお話を聞き、実演を見て、興味がそそわれる。最近お気に入りとなったブラームス交響曲2番のヴィニル(国内盤)を2枚購入。


○2月11日 御茶ノ水で同好の会に参加。各自持ち寄りのソフトを試聴する愉しいひと時。


○2月12日 鎌倉荏柄天神、妙本寺に家人と初詣。

                                                                                                                                                                                                  

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妙本寺の参道を歩みつつ振り返ると、真白き富士の頂が木々の間から顔を出していた。いつ訪れても、心に平安をもたらす、落ち着いたよき寺である。古に比企一族が滅亡した屋敷跡とはだれぞ知る。帰路、藤沢方面に向かう134号線の稲村ケ崎のコーナーを抜けると、前方に雄大な富士が浮かび上がる。壮観。


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〇帰宅後、レコードを20枚ほどトートバッグに詰め、レコードハウスPAMに向かう。店主の蘊蓄を聞きながら、レコードを洗浄してもらう。盤に着いた傷によるノイズを消すことはできないが、洗浄によって隠れていた音を引き出すことで、聴覚上のノイズ成分を減ずることができるそうだ。                                                            


〇百聞は一聴に如かず。ノイズがパチパチいっていたLed Zepp #1が、①超音波洗浄 ②レイカバランス溶液a液塗布+超音波洗浄 というプロセスごとに、音圧が増していく。J.P.ジョーンズのベースがぐっと前に出てくるのを聴き、レイカの溶液セットを購入、えびす顔で帰宅する。                     


○アナログの発熱が止まらず、Amazonで業務用超音波洗浄機とレイカのスタイラスクリーナー、電子針圧計を大人買い。先日のブラームス ダイレクトカット盤全集以来、小遣いの収支が急速に悪化。笑                                                           



2月15日 釜山の李さん夫婦が欧州旅行の帰路、立ち寄られたので、横浜山手を案内。中華街同發本店での食事にはS氏も合流し、フランス文学からヴィンテージオーディオに至る幅広い?会話に花を咲かせた。


〇仏文については、独りS氏の博識に頼るばかりであったが。LCRプリの評価を問われ、SPU-G以外とのマッチングの課題を答えたが、SPUでチューニングされたことを認めつつ、昇圧トランスを含めた組合せの工夫の必要性をやんわりと指摘された。了解。                                                                         

Goldmund StudioのカートリッジをMark Levinson MLC-1に交換する。Partridge昇圧トランスと是枝式フォノイコを通して試聴。落ち着き、バランスの良い音である。他方で、LCRフォノイコが垣間見せる「浮遊感を伴う非現実的な艶かしさ」は出てこない。難しい。

                         


○2月16・17日 到着した超音波洗浄機で手持ちのレコードを洗浄し試聴。針先はレイカのスタイラスクリーナーで洗浄済み。Thad Jones/Mel Lewis オーケストラの鳴りっぷりときたら、半端じゃない。ホーンが部屋の枠をはるかに超えて拡散し、ディー・ディーのスキャットが中空に舞う。


〇Little Feat "Waiting for Columbus"ではA面最初のJoinning the Band~歓声~Fatman in the Bath tubのオープニングの興奮の再現と分厚い音に圧倒される。

〇S&G "Bridge Over Troubled Water"表題曲を気まぐれで聞いてみる。こんなに音が良かったかな?クライマックスに向けて厚くなっていく伴奏が、今までは曖昧模糊としてきたのに、ずいぶん見通しが良いこと!Garfunkelのヴォーカルも音像が高く伸び、そのプレゼンスに惚れ惚れする。”Baby Driver”のアコギが決めるフレーズと、左chでブンブンドライブするベースの格好良さと言ったら。                                                              

2月18日 家人が音楽室を占領している間、パウダールームに籠ってヴィニルを洗浄する。他人が観たら変人扱いされるだろう。                 

○2月19日 渋谷エクセルホテルで催されたパーティに出席。昨年お世話になった講師の方に感謝の気持ちを伝える。22時過ぎに帰宅。日曜の外出はちとつかれるが、心地よくもある。                                                                    


○2月20日 Goldmund Studio+Mark Levinson MLC-1からのフォノ信号をMalotkiトランス経由でLCRフォノイコに接続して試聴。S氏・O氏来訪時に国産カートを聞いた時のような違和感はない。電磁波対策等を経て、フォノイコも落ち着いてきたのだろうか?

洗浄後もノイズが多く聞きづらかったリヒテルのシューマン・コンチェルト(mono)やDave Brubeck "Jazz Goes to College"(同)のリカバリーが見事。SPUでくぐもって聞こえたピアノ音が、清々と聞こえてくるのには驚いた。Led Zepp 1stもノイズ感が減った。ケルテス指揮シューベルト交響曲Greatのスケール感とバランス、弦楽の美しさに聴き入る。


○もちろん万能ではない。SPUのピラミッドバランスの絶妙な味付けに軍配の上がるヴィニルもある。盤の状態、録音、曲の性質から最適となる再生機器の組合せを割り出すべし。漠然とヴィニルをプラッターに載せている場合じゃないよ! 今さらこんなことに気付くなんて、アナログマスターのS氏のお叱りを受けるかな? 


by windypapa | 2017-02-21 20:00 | オーディオ | Comments(0)

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