失ったもの やってきたもの

今回のフォノステージのノイズ関連の被害一覧

1.WE310B スモールパンチ1本:グリッド電極を修理したものの、その後2度目の断線で短くなったグリッドキャップ線の余裕がないままキャップを押し込んだ時に、グリッド電極内側のガラスが破損し、空気流入。( ;∀;)

2.WE310A ラージパンチ1本:Svetlana 10J12Sと比較試聴で抜き差しするうち、グリッドキャップが外れ、ヒーターが点灯しなくなった。( ;∀;)

3.JC-1DCのヘッドアンプモジュール 一連の騒動の原因じゃ。


今回の騒動で得たもの

1.教訓:「先入観にとらわれず、可能性のあるものはすべて疑うべし」

2.LCRフォノイコ内部構造の把握と、同様トラブルが発生した場合の対処法

3.トップグリッド電極真空管の修理法


以上の通り、いくつかの知見を得たものの、その授業料は恐ろしく高くついた。

特にWE310Bのスモールパンチ…。グリッドキャップ線を長いものに交換する手間を惜しんで取り返しのつかない代償を払った。痛恨。


救いは互換球のSvetlana 10J12Sがそこそこ使える音質であったこと。(それで良しとしておけばWE310Aまで失うことはなかったのだが、ついつい比較試聴したくなるのが人情)

仕方がない。WE310Bは時間をかけて適価のものを探すことにしよう。

去るものがあれば来るものあり。

1.修理に出していたSPU-Gが戻って来た。

ピラミッドバランスと低域の押し出しは結構だが、歪が耳につき始めて修理に出していたものが戻ってきた。

治療個所は以下。

1.針先交換
2.カンチレバーに認められたわずかなヒビの補修
3.ダンパー劣化部分の補修
4.発電部の交流消磁

うーむ、カンチレバーやダンパーに痛みがあったとは、気付かなかった。

修理後のSPUを早速試聴する。

試聴盤は オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団によるアルヴェーン"Swedish Rhapsody"、ドラティ指揮ミネアポリス響‶ばらの騎士”、Thad Jones, Mel Lewis "Suite for Pops"

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すっかり歪感が取れ、濁りのない清廉な音が出てきて拍子抜けした。笑

どれだけひどい状態で聴いていたんでしょう。ハハハ、恥ずかしい。

JC-1DC故障により登板したMalotkiトランスとPhase tech P-3 の組合せは、以前ダメ出しをしたにもかかわらず、JBLネットワーク更新の影響からか、息を吹き返したように素晴らしい音を聴かせてくれていたので、高出力・ワイドレンジかつフラットなP-3と比べてスペック上見劣りするSPUにとっては少々酷な結果となった。

しかし、エージングが進めばOrtofonならではの音を聴かせてくれるだろう。オーディオ機材は一度聴いただけで早計に価値を判断できない、ということは何度も経験してきたので、僕にとって小額ではなかった修理代も何ごともなかったように受け流す。(たいへんなやせ我慢 (^^ゞ)

2. ベーム指揮Motart "The Great Operas" DGG盤22LP Box Set

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吉田秀和のモーツアルト本を読んでいたこともあり、オークションで衝動買いしたもの。届いてみたら、一度も針を下していないのではないかと思えるようなミントコンディションに驚く。音も素晴らしい。
秋の夜長に、吉田秀和の蘊蓄を思い出しながら少しずつ聴いて行こう。

3. E. Schwartkopf によるMozart "Operatic Arias" UK World Sound盤(MONO) 

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これも吉田本の影響でオークション買いしたもの。音質は今一つだが、アルバムジャケットが気に入った。
暇なときにターンテーブルに乗せてみよう。

4. Coming Soon

高円寺で憑りつかれ、不見転で注文を出したもの、これあり。
手持ちの機材を整理して資金を作らねば。(-_-;) まじやばい。
金策に追われるところだけ大作曲家を真似てどうする!
・・・告解はまた別の機会に。








       





 

# by windypapa | 2017-09-14 22:22 | オーディオ | Comments(0)

Grid Iron に心弾む

久々にフットボールの話題で。

一足早く開幕した関西学生リーグでは、関西大学を破ったギャングスターズが凱旋し、立命館・関西学院との四強バトルを予感させているが、関東学生リーグも9月2日に開幕し、白熱した戦いの火ぶたが切って落とされた。

飛田給にあるアミノバイタルフィールドは、以前は遠い地の果てにも思えたが、現在の住まいからは小田急多摩線・京王相模原線を乗り継いで約1時間と随分足の便が良くなった。

というわけで迎えた贔屓チームの秋季リーグ第1戦を観戦してきた。

昨年全勝してTOPリーグとの入替戦に進みながら日体大の前に涙を呑んだ屈辱を晴らすべく、今年は社会人X Leagueで数々の栄光に輝いたヘッドコーチをフルタイムで招聘し、監督以下のサポート体制も一新、悲願の甲子園ボウル出場(のためのTopリーグ昇格)に向けて、大きな一歩を踏み出した、と同期のSが力んで言っていた。

ところが春のオープン戦ではオフェンスがさっぱり出ず、格下チームにも惨敗し、OBの間ではひんやりとした空気も漂い始めていた。

そんなOB・父兄の不安漂う?の中での第1戦は、春に苦杯をなめたフィジカルの強いチームだ。

それにしてもグリッドアイアンと呼ばれるこのamerican footballのfieldは、いつ見ても美しい。

人工芝とは言え、見事な緑に染まったフィールドに、ペイントも真新しいヘルメットと新調したユニフォームで躍動する両チームの選手たちを眺めると、胸のたかまりを抑えるわけにはいかない。

試合開始のキックオフに整列した両軍選手が主審の笛を待つ一瞬の静寂に、いつものことながら心が奪われる。

相手チームキッカーが右足を一閃し、楕円のボールが大きな飛行線を描いて自軍深く蹴り込まれ、捕球したリターナーに向かって相手チーム選手が殺到する。

なんというスピードと躍動感。

すると、リターナーが自チーム選手のブロックを利用して相手チームのタックルをするするとくぐり抜けるや、一気に加速して相手陣のエンドゾーンまで駆け込んでいった。

なんと、キックオフ直後のリターンタッチダウンだ。ビッグプレイでモメンタムを握った贔屓チームだが、個々の身体能力の高い相手チームの反撃にあい、前半はもう一つタッチダウンを加えたのみ、14-0のリードで終了する。

それにしても相手チームオフェンスは、ランニングバックの#20、#21のデイライトランに徹底的にこだわり、愚直なまでにランプレイで攻め立てる。

ずるずるとゲインを許しながらも、ロングゲインだけは許さない贔屓チームのディフェンスの頑張りが、相手クォーターバックの焦りを誘ったのか、自陣エンドゾーン直前でパスをインターセプトし、得点を許さない。

後半に入ると、ディフェンスも#20、#21のランニングプレイにアジャストし、ランプレイを封じ込む。その間、ディフェンスのパントブロックタッチダウンやようやくかみ合い始めたオフェンスチームのあげたTDによって点差を広げていく。

第3Q途中になると、相手チームはランプレーを捨て、パッシングQBを投入してひたすらパスを試みるが、これもロングゲインを阻まれる。

第4Q最後になって自陣レッドゾーンでファンブルした贔屓チームのミスに乗じて1TDを返し、その後のオンサイドキックオフも成功させてTDに結び付けた相手チームが意地を見せたが、勝敗の帰趨はすでに決していた。

第4Q途中までは、贔屓チームは満点の出来栄えで、最後に味噌をつけたが、兜の尾を閉める良い薬となるだろう。

このゲームを見て改めて感じたのは、新ヘッドコーチのチーム作りの哲学である。それは秋のリーグ戦に向けてチーム作りをするという当たり前のことだが、できそうで出来ない。

大学チームは卒業で主力が抜け替わり、毎年が新チームになるために、春から目先の勝利を求めやすくなるためだ。

そのために主力とセカンダリー選手の育成が遅れ、下手をすれば主力選手を怪我で失い、薄い選手層のまま秋のリーグ戦に突入する。

あるいは、軸にするオフェンスプレー・ディフェンスプレーの練習の比重が高くなり、キッキングゲームの練習が不十分なまま秋を迎える。

陣取合戦と称されるアメリカンフットボールのゲームプランにとって、キッキングゲームの大切さは論を待たないが、多くの日本の指導者たちはこの事実に目を向けようとせず(目を向ける余裕がないまま)、せいぜいキッキング担当コーチにコーディネートを任せ、本番を迎えるのだ。(キッキングチームの選手がセミ・レギュラーや低学年生主体で構成されるのもその事実を裏書きしている)あるいはキッキング重視の方針を出しながら、それが徹底されないのを看過しているのだ。

そして秋本番で、キッキングゲームの巧拙がポジショニングとそれに伴うプレイ選択の幅を左右し、獲得・喪失ヤードに大きな影響を与えることを思い知るのだ。

強豪チームといわれるところは、こうした轍を踏まず、春からまず選手の育成を主眼にトレーニングする。春の試合はその実践の場だ。
司令塔たるQBは、目指すオフェンスに自分をフィットさせるためには何が必要かを教えられ、あるいは思い知らされ、具体的イメージのもとで努力を積む。
他のポジションの選手も同様だ。

自チームの戦略と戦術の理解を深め、そのためにどのような役割(アサインメント)が求められるかを理解し、そのうえで自分の体力・筋力・走力・判断力を鍛えていくのだ。

必然、キッキングゲームも戦略的発想で再構成され、単にロングボールを蹴りキャリアに殺到する、という次元から、シチュエーションに応じた蹴り分けとカバレッジの連動の徹底、スナップの精度アップと安定化などを徹底的に鍛え上げることが必要となる。

残念ながら、贔屓チームも御多分に漏れず、同じ轍を踏み、要所でFGを外し、リターンすべきパントボールを(ポジショニングの不適切から、あるいは判断力の不足から、あるいは指示の不徹底から)見送って自陣深くに押し込められ、パンターがラッシュチームのラッシングを見極めずに慌ててパントを蹴り、ラッシャーがリターナーに到達する時間を十分稼げぬままにリターンを容易に許す、などという場面を幾度となく目にしてきた。

それがこの開幕戦に見る限り、スナップは常に早く、安定してホルダーの手元に収まり、キッカーが安心してキックできる状況を与え、またラッシャーの圧迫を受けることなく、状況を見極めながらパントを蹴ることを可能にしていた。

唯一難を言えば、キックオフチームのオフサイドと、第4Qラストの相手チームオンサイドキックを押さえられなかったことだろうが、これは修正が可能である。

要は、今年のチームがしっかりとキッキングゲームについても準備をしていることを確認できたことであり、ディフェンスチームのアジャスト能力、DB陣の反応の良さなどと共に、今年のチームの躍進の可能性を認識できたことである。

‥と満足して帰宅した日曜日だったが、翌朝NFLサイトで確認すると、わがシカゴ・ベアーズはホームの開幕戦でファルコンズに23-17で黒星スタート。こちらのほうは今年もトホホな状況だろうか。








# by windypapa | 2017-09-11 12:00 | 日々是好日 | Comments(0)

かいじん21面相

9月8日 遅めの夏休みをとる。

休日のルーティンをこなした後、地下の作業場にLCRフォノイコ付プリアンプ本体を持ち込み、懸案のフォノ再生のノイズ源を探る。

始めは複雑な配線を見ただけで「ムリ」と敬遠していたが、毎日のように目にするうちに、ラジオペンチやピンセット、半田ごてを入れるに躊躇いはなくなってきた。
慣れとは恐ろしいものだ。

李さんを通じて製作者の張先生に確認したチェック項目(下記)を辿っていく。

1.B電源電解コンデンサーのはんだ付け不良の確認
2.カソードバイパスコンデンサー(KS印字筒形)のリーケージ有無確認
3.カップリングコンデンサー(Western Electric四角柱型)のリーケージ有無確認

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B電源コンデンサーの空端子に隣のはんだ付けが迫ってショートの恐れがあるところ(黄色←)を修正した
四角い赤枠がWestern Electricの角柱型マルチ・コンデンサー。

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大きな筒形のペーパーコンデンサーがスプラグ社製のバイパスコンデンサー。青い矢印の抵抗のリード線がラグ板端子を突き抜けて向かい側のペーパーコンボディに0.1mm喰い込んでいたので修正。

このほか、WE310Bソケットとカップリングコンデンサーのはんだ付けの一部をやり直す。

シャーシ内のはんだカスをよく除去したうえで裏蓋を閉じ、リスニングルームで試聴する。

2時間半経過してノイズ発生せず。

鎮火成功か?

しかし、上記チェックではコンデンサーの不良ははっきり認められず、確たる原因は判明していないため、疑心暗鬼のままである。

夕食後、再び試聴。1時間近く経過してもノイズが発生しないため、終息宣言を行おうとしたその時、再び右chよりノイズ発生。

最初のノイズはボッ、ボッと従来通りだが、その後はブク、ブク、と以前の暴れるようなノイズとは違う種類の音が出る。

うーん、参ったな。

もう、寝る。


9月9日

好天に恵まれた土曜日は、気分転換と車のバッテリー充電、そして家族関係の維持を兼ねて、横浜横須賀道路を下って秋谷海岸~葉山へドライブ。

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佐島漁港の鮮魚店に立ち寄ると、新鮮な地魚がお手頃価格で並ぶ。

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サザエをいくつか求めようかと思案しているうちに、ポリ容器の中の伊勢海老に目が留まる。

うーむ。  喰いたい。

魚屋のオジサンに捌き方を教えてもらい、一尾求めた。海老の奴は元気満々で、オジサンが摑もうとするとバシッと跳ねる。危ない危ない。

腹側の殻についている棘でよく手を切るから先を鋏で切ってから捌く、と教わる。オジサンは手早く海老を氷水で締め、動きを鎮静化させる。

暖かい海洋に住む伊勢海老は低温に弱く、氷水でへたばるそうだ。

ついでに地蛸の茹でたものを求める。

134号線に出て海岸線を北上する。近代美術館のあたりは、ビバリーヒルズもかくやの豪邸が並び、海風もリッチな香りがする。笑

リッチとは無縁の我々は、森戸海岸手前のDenny'sを見つけてウキウキと車を止め、キラキラと光る相模湾と、海岸線の先に浮かぶ江の島を眺めながら軽い昼食をとる。

休憩の後、逗葉新道、横横道路を経て自宅に戻る。 のどかな秋の小旅行。


さてさて、どうやって嗅ぎ当てるのか、午後になって子供たちが前触れなく集まって来やがった。

家人と二人でひそやかに食べようと思っていたが、仕方がない、皆の夕餉のために伊勢海老をおろす。

胴体の透明な部分に包丁を入れると、さっと二つに切り分けられる。さらに腹側に鋏を入れて殻を剥がすと、きれいに身が取れた。うっしっし。

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なかなかの面構えじゃないか、君。

殻はデカいが、中身は知れている。闖入者どものおかげでふた切れしか食えなかった。がっくし。


さて、そんなトピックスの合間にも、フォノ再生のノイズ原因究明に取り組むワタシ。

前日の作業をなぞって再点検したのち、試聴を開始すると、1時間くらい経過したころに右chのホワイトノイズが大きくなり、ポツポツと泡立つような音がし始める。

うーん、困った。

腕組みをしてアンプを眺めながら、視線がふとJC2ヘッドアンプに止まる。

まさかね、そう思いながら、ヘッドアンプの配線を左右ch逆に切り替えると、なんと今度は左chからノイズが発生するではないか。

ありゃあ、なんてこった。原因はヘッドアンプかよ?

早速ヘッドアンプを外して昇圧トランスに交換して試聴すると… 万歳、ノイズは発生しません。

その後も試聴を続けたが、ノイズは発生しなかった。

ヘッドアンプモジュール内のキャパシターのリーケージだろうか? いずれにせよ、これで辻褄は合う。

ようやく真犯人を探し当てたぞ、明智君。

…って、目の付け所がダルすぎだろ!




# by windypapa | 2017-09-09 22:30 | オーディオ | Comments(0)

夏の夜の夢

期待は失望の母 by 大瀧詠一

故人の座右の銘を久しぶりに噛みしめる。

WE310BとLCRフォノイコの復活に欣喜雀躍したのもつかの間、翌日Vinyl再生に浸ろうとアンプを暖機したあと、いそいそとフォノポジションにSWを入れると、またもや右chから不穏な音が…。

ホワイトノイズが大きく膨らんだような音で、ガサッゴソッというノイズが入る。

フォノイコライザー部のSWを切り、右chのWE310BのGridキャップの接触改善を試みるが、ノイズは消えない。

それではと、両chともWE310Aに交換するが、同様に右chからノイズが出る。

それでもしばらく真空管とソケット、Grid Capをいじるうち、ノイズは落ち着いたが右chのホワイトノイズは耳に触る。

その状態でVinylを聴く気にならないので、デジタル再生に切り替える。

翌日、再びLCRフォノイコのノイズに向き合う。

ホワイトノイズとガサゴソ音については、
①右ch WE310A/Bソケットの不良 ②右ch 他真空管(WE101F、WE102F)の劣化 を疑い、WE310を抜いてそのソケットとGrid Capに接点復活剤を塗布し、綿棒でこする。

実はこの作業に入る前、左chのGrid Capを外すとき、ケーブルからCapが外れてしまったのだ! 弱り目に祟り目とはこのことだ。

ヴィンテージケーブルの堅い外側被膜と、シールド線と綿糸に囲まれた芯線被膜(これも堅い)を汗をかきながら剥いて、Capに中腰ではんだ付けをする。まったくもう。照明を幾分落としたリスニングルームで、細かい作業をすると手元も覚束ないのだ。

おかげでWE310のTop GridとCapの構造?についてはだいぶ経験を重ねさせてもらった。

さて、接点復活剤の効果やいかに?

SW ON&暖機ののちにフォノポジションを選択すると、右chのホワイトノイズが一掃され、クリアなキャンバスが広がった! 
(それくらい、もっと早くやれよ!と仰る声、尤もです。)

浮き立つ気持ちを抑えつつ、カラヤン指揮VPOによるMozart Symphony #41を聴く。

パワーアンプはWE271Aシングルアンプ。

JBL175と新たなネットワーク導入後、試したことのなかったLCRプリ×WE271A×JBL 3wayの音を聴くのだ。

ML3と比べて、音の張り出しや原色の色彩感、そして低域の凄みはやや後退するものの、奥行きが広がり、渋い色合いの、玄妙ともいえる音世界が広がった。

比喩が適当でないかもしれないが、ガス式暖炉が薪暖炉に代わった様な、よりアナログ色が濃厚な世界が現れた。

立ち現われては消えゆく音に、ある種の余韻が乗り、その一つ一つが切なく懐かしい、そんな気持ちになる音だ。

ストリングスが美しく鳴らないわけがない。


それではJazzはどうなるのか。サド・メルのBig Bandを聴いてみる。


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するとどうだ、Hornの鳴りまで一変し、一音一音に何やら陰影が付き始めたではないか。

これは、してやったり!

…と、膝を乗り出したまさにその瞬間、右chからまたあの「ボム‥」という異音が。「まさか…」「嘘だろ」と思ううちに、「ブヴォ~!」とノイズが発生。
慌ててVolを絞る。

これはもう、接触不良以外の何か別の問題が起きている。僕一人の手に負えない。李さんを通して製作者に対処法を聞こう。

さっき身を乗り出して聴いたあの音は、夏の終わりに見る短い夢に終わるのか? それだけは勘弁して欲しい。



# by windypapa | 2017-09-06 20:12 | オーディオ | Comments(0)

WE310Bのグリッド線に手こずる

土曜日に、WE310BのGrid電極の修復作業に取りかかった。

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これが現状写真。電極が外れて禿頭からけが一本ずつ露出している。
この導線が切れてしまうと、ソフトクリームの頂点のような頭頂部のガラスをダイヤモンドやすり等で削り、導き出さねばならないので、作業は慎重に。


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上記グリッド線に銅線を絡めてはんだ付けしたところ。


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電極を通したところ。


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瞬間接着剤で電極を本体ガラスに接着、電極の上に出た銅線をL字型に折り、電極にはんだ付けをする。


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完成!


さあこれでLCRフォノイコのノイズは解消!

…という運びになるはずであった。事実、SW ONしてから小一時間ほどは問題なく鳴っていたのだが、そのうち右Chから再びポン、ポン、という破裂音のようなノイズが発生。

また振出しに戻ったかとがっくりと肩を落とす。

このプリアンプと電源部、いずれも重量物だけに、簡単に送り返して修理してもらうわけにもいかない。

李さんに相談すると、回路設計者にして製作者の張先生と連絡を取ってくれ、310BのGrid線のシールドがアースに落ちているか確認するよう指示を受けた。

やれやれ、この日の作業はここまでにしよう。

夜は藤沢に出かけて高校時代の仲間たちとあれやこれや。持つべきものは友也。



翌日曜日は快晴。久々に家人と江の島に出かけて食事をし、秋の海風に吹かれて帰る。よい気分転換だ。

さて。

帰宅後、気合を入れてプリアンプの裏蓋を外し、右ch310Bソケット周りを再点検。

Grid線のシールドはアースに落ちていたが、少しぐらつきが感じられたので、はんだ付けをやり直して結束バンドで止める。

結束バンドを探すときに工具箱をひっくり返してしまい、自分に呪いの言葉を吐きながらネジやワッシャーや小さな部品を回収し、気を取り直して作業を続ける。

すると、310Bソケット周りのラグ板に写真のようなイモはんだを発見。

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直接の原因になっているかはわからないが、余分なはんだを除去し、適正な形にする。

他は特に問題は見られなかったので、裏蓋を止めてラックに戻す。

どうかこれで直りますように。


夕食後、合計12本の真空管をすべて挿入し、祈るような気持ちで電源を入れ、しばらく待つ。

30分ほど待ってフォノ入力に切替えてボリュームを上げると、右chから盛大なホワイトノイズ。再度ライン入力に切替えた状態で、G線のキャップを押したり捻ったりして接触を改善するも、ノイズは治まらない。

電源を切って310Aに差替えてSWを入れると、やはり同じようにノイズが出る。

グリッドキャップの作りが繊細であることはわかっているので、ここを触るときは冷や汗ものだ。

もう一度ターンテーブル~ヘッドアンプ~LCRフォノイコ間のケーブルのコネクターを抜き差しし、ヘッドアンプの電源もオフ・オンしてから再度フォノポジションに戻す。

すると右chのノイズ成分はぐっと減り、しばらく待つとノーマルに戻った。

安堵の吐息を大きく吐き出す。

ソファに座ってヴィニルを何枚か聞き、ポップノイズの有無を確認する。問題ない。


さて、それではWE310Bを装着した状態ではどうなるのか?

もう疲れたし、駄目だった時の落ち込みが自分でも不安だったが、「白黒つけてやる!」と気持ちを奮い立たせて310Aのグリッドキャップを外し、310Bに交換する。

それにしても、このグリッドキャップ、なんでこうきつく締まっているのだろう。外す度にキャップを外さぬよう緊張を強いられる。体に悪い。

310Bに戻して入力セレクターをphonoに切り替えると・・・


通常レベルのホワイトノイズが聞こえるのみ。

ヴィニルを何枚か聞いてもポップアップノイズは上がってこない。

やった、やった! ついにWE310Bを復活させたぞ!

ウレシイけど疲れた~!








# by windypapa | 2017-09-03 20:13 | オーディオ | Comments(0)

パラナ川の奔流を下る

なにか頭に引っ掛かるものがあり、真空管の破損についてネット情報を検索する。

あまり有効な情報はなかったが、その中の一つに手がかりがあった。曰く「空気が混入すればゲッタが白く変色する」
確かに過去棄損したRE604は、内部が白く変色していた。(過去の過ちを振り返るのは辛い!)
しかし今回のWE310B、白濁していないぞ。割れたと思ったところを指でなぞっても、鋭利な断面の感覚はない。
落ち着いてよーく見ると、トップキャップ周りの接着剤の残滓の白濁した部分に、一部1mm平方くらいの面積でクリアな部分があって(まさに接着剤の残滓を除去したところだったのであろう)、周囲との比較において一見ガラスがないように見えるのであった。

つまり、WE310Bは生きている可能性が高い?

じゃあなぜ異音が発生したかと言えば(異音が発生すること自体生きている証拠だよな)、トップキャップにはんだ付けされていたGridからの引出し線が外れてしまったからだと、ようやく思い当たった。

外れたトップキャップを修理する際、仕組みをよく理解せず、Grid電極の引出し線をまっすぐ立てておけばトップキャップの内部の頂点に接して導通するものだと思っていた。

浅はかである。

本来、Grid電極の引出し線を立ててキャップを被せ、キャップ上面の半田を溶かして穴を露出させ、そこに引出し線を通してはんだ付けしなければならないのである。
Grid電極の引出し線が短くてキャップの頭頂部に届かない場合はどうするのか?
引出し線に銅線をつぎ足し、キャップ頭頂部に届かせるのだそうだ。

自分の無知蒙昧が恥ずかしく、腹立たしい。

百均で入手したマニキュアの除光剤を使って接着剤を溶かし、キャップをはずしてもう一度作業してみよう。
右chも同様だ。

週末のto do listがまたひとつ、増えた。ふう。

そうこうしている間に、eBayとヤフオクからWE310Aラージパンチとスヴェトラーナ互換球が着々とこちらに向かっている。

やれやれ、いまさら取り消しもできないから、せいぜい聞き比べをしてみようじゃないか。

というわけで、嬉しいやら情けないやら複雑な感情を抱えて地下室に籠り、HD TracksでD/Lしたカラヤン指揮BPOのBeethoven交響曲全集から、第9番第1楽章を再生する。

良質なソースは、冒頭の無音状態の部分のホワイトノイズを聴くだけで、音の良さが予感される。
それがまさにこの録音だ。

声楽陣は
グンドゥラ・ヤノヴィッツ(ソプラノ)
ヒルデ・レッセル=マイダン(メゾ)
ヴァルデマール・クメント(テノール)
ヴァルター・ベリー(バス)

以下e-onkyoからの引用。

トラック1-4 1961年12月録音
トラック5-8 1962年1月録音
トラック9-16 1962年11月録音
トラック17-20 1962年3月録音
トラック21-25 1962年2月録音
トラック26-29 1962年3月録音
トラック30-33 1962年1月録音
トラック34-36 1962年10月録音
トラック37-38 1962年11月録音

録音場所:ベルリン、イエス・キリスト教会
独Emil Berliner Studios制作2003年DSDマスター使用。

"カラヤンがベルリンpoの首席指揮者に就いたのは1955年。彼は前任のフルトヴェングラーの遺産ともいえるベルリンpoの重厚な響きを継承しつつ、新時代にふさわしい音楽を求めて徹底的にオーケストラを鍛えてきた。その成果を問うべくドイツグラモフォン(DG)に録音したのが61~62年のベートーヴェン交響曲全集だ。録音会場は響きの良さで知られたイエス・キリスト教会。録音エンジニアは後に“カラヤンの耳を持つ”とまで言われたギュンター・ヘルマンスだ。「英雄」冒頭のアタック。合奏が徐々にアクセルを踏み込み、やがて強烈な音響の渦。ブラスの鮮烈な咆哮と美しくコントロールされた木管とのコントラスト。このアグレッシブで推進力のある音楽は、かつての巨匠たちが表現してきた音楽とはまったく異なる新鮮さで聴き手を虜にした。録音の素晴らしさも特筆もので、「田園」の嵐のシーンなど少々の硬質感はあるものの、最新のデジタル録音に比べても鮮烈さでは劣らない。それにしても、この頃のベルリンpoの底力は凄まじい。カラヤンの全録音中でも、この全集をベストに推すファンが少なくないのもうなずける。"(text by 長谷川教通)提供:CDジャーナル

しかしこうしてみると、e-onkyo(6,400円)のほうがHD-Tracks(60.00$)よりむしろ安いじゃないか!
先入観で行動し、ばたばた余計なことをする癖がいくつになっても取れない。悲惨である。

まあいい、語るべきはその音楽である。

第9交響曲第1楽章、録音テープのホワイトノイズが漏れ出すと、それはまるで早朝の川面に立ち込める霧か靄のようにリスニングルームの空間を満たす。

そして聴き慣れたはずの導入部の弦楽器のささやきが聞こえ始める。南米の大河パラナ川を、朝靄が煙る中、川面を滑るように漕ぎ出していく小船の上に僕は立っている。

徐々に流れが急になり高まる緊張、そして迎えるフォルテシモ。船は濁流にのまれ、木の葉のように舞いながら大河を流されていく。

その後水流の緩急に身を委ねながら、過去と未来がドラマチックにフラッシュバックして脳裏に挿入され、目前の運命とともに混然一体となって濁流を下っていく。

こんな主観的なヴィジュアルイメージで楽曲を語るのは的を外れているのかもしれないが、その時僕の目の前に広がった光景はまさにこのようなものであり、それはまさにカラヤンとBPOの音響が第9交響曲の音楽を借りて聴き手を放り込んだ音の奔流そのものであった。

突然行ったこともないパラナ川が出てくるのは、前日に読了したミステリ「ブエノスアイレスに消えた」の読後感が生々しく残っていたからであるが、さはさりながら、このようなリアルなイメージに包まれるのはそうそうあることではない。

思わず知らず、手を握り締めるように聴き入ってしまった。

躊躇うことなくそのまま一気に最終楽章まで再生する。なんたるパノラマ、なんたるダイナミズム。あらためてこの楽曲のドラマティックな構成に引きずり込まれる。

普段「オーディオ聴き」をするときは、交響曲はせいぜい1楽章か2楽章止まりで他のソースに移るのが常である。

限られたリスニング時間でいろいろなソースを聴くためにはやむを得ないし、こちらの集中力も持たないのだ。

それがまるでコンサート会場で演奏を聴くように(頭の中の勝手なイメージと戯れながら)、ぐいぐいと楽曲に、BPOに、引張って行かれるのだ。

そして最終章に待ち受ける救済と歓喜の時。

そのとき僕はどこか野外の開け放たれた空間で、夜空に光るオーロラを眺めている。

光の粒子が、きらきら輝きながら降ってくるただなかで、天上の声を聞きながら。


ねえ、オーディオにこんな力があったって、知っていた?

本当に凄い。驚いた。

# by windypapa | 2017-08-30 22:29 | オーディオ | Comments(0)

鳥よ啼け、蝉よ飛べ、犬よ…おとなしくしてくれ

画眉鳥(ガビチヨウ)という鳥をご存知であろうか。
ウィキで見ると「日本の侵略的外来種ワースト100選定種」というありがたくない称号をいただいているが、まだ涼しい早朝の時間など、実に美しいさえずりを聞かせてくれる鳥なのだ。
戸塚にいたときもゴルフ場の森の中からその声が時に届いてきていたが、現在の住まいでは隣家か我家の草木にとまって美声を響かせているようである。
そう、まさに「響かせる」という表現が相応しく、美しいが実に大きな声音で歌うのだ。オペラ歌手が自らの美声に聞惚れて滔々と歌うかのように。
ちょっと中国語のイントネーションだな、などと思っていたら案の定中国南部をその生息地としているらしい。いやはや。
それでもガビちゃんの声が響けば目覚めもよいというものだ。構わんからもっと啼いておくれ。

もう一つワイルドライフの生態で特記すべきは、セミたちの多きこと也。
なにしろ朝の散歩のときから、セミの亡骸が道のそこかしこに転がり、そのうえでスズメと蝉が空中戦を繰り広げている有様だ。
ええい、うるさい。他所でやってくれい。…とはいえ儚き蝉の一生、大目に見ようではないか。
…でもいきなり顔に当たってくるのはやめてね。

我家のパピイも23㎏を超え、もはやパピイたり得るか疑問の余地があるものの、餌袋記載の分類上いまだパピイなのでパピイで通すが(くどい!)、こやつもいよいよ割礼、違った、去勢の時を迎え、昨日は半日を病院で過ごしてきた。
朝、私が出かけるときは、「おい、朝飯食わせてもらってねーぞ、オヤジ!」みたいなカオでふてぶてしく見送っていたが、帰宅すると首周りに円錐を途中で切ったような形のカバーをつけて、シオシオと寄ってきた。
ダンナ、聞いて下せえ。今日はひでえ目にあいやした、ウッウッ、みたいに。
普段のハイパー元気な暴れん坊ぶりからの豹変に、ついこちらもほろりとしてしまい、夜はそばに付き添うという家人を残して一人眠ったが、何のことはない、朝も早よから階段ダッシュして昇って来たかと思えば、ガハガハ言いながらプラスティック製のカバーをガシガシと寝起きの体にぶつけてくる。
わかったわかった、散歩へ行こう。先に降りて待っててくれ。
と言ってもナチスの憲兵のようにまとわりつき、早く早くと急き立てる。やれやれ、お前ほんとに玉無しか?


# by windypapa | 2017-08-29 17:06 | Comments(0)

夏の終わりに310Bを看取る

朝夕すっかり涼しくなり、犬の散歩も楽になった。

歳をとると暑さを感知する能力が落ち、順応が後れて熱中症になりやすくなる、とTVで言っていたが、その通りかもしれない。
早い話、30代のころは週末に運動すると、昼食時からビールを大量摂取したものだが、今やその欲求もなくなり、ノンアルコールを一缶摂取すれば十分なのである。
なんか寂しい話だが、新陳代謝が自然に調整されたと考えるしかない。

さて、前回以降のオーディオのトピックス。

(1)WE310Bスモールパンチ逝く
以前臍を曲げた310Bについてレポートしたが、その後も雑音問題が再燃。頭頂部にGrid電極のある310B族は、構造的にここが弱点となるようで、点検のためにGrid Capを外そうとして結局右chの310BのGrid電極が剥がれてしまった。

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禿頭に毛が一本生えたような頭頂部を隠すように、強力瞬間接着剤で電極を被せる。

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電極を被せたWE310Bをソケットに挿入してみると、無事右chも再生できて安堵したものの、30分もするとまたゴソゴソとノイズが発生。

もはやアンプ内部を点検する他はないと、すべての真空管を外したが、その際に左chの310B電極も外れてしまった。汗 

後で接着しよう。

張先生による改修後のプリアンプ内部を見るのは、今回が初めてであったが、第1期のものと比べて圧倒的に部品が密集し、一目見て「ああこれは素人が手を出せるものじゃない」と悟った。

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とは言え、時間経過とともにノイズが発生するということは、動作時発生する熱が原因と考え、右ch初段310Bソケット周りの半田付けとCR類の配置を確認。

ムンさんの「おおらかな」半田付けと違い、張先生の半田付けは堅牢で、色艶もよい。

SPRAGUEのオイルコンデンサーが密集地に狭苦しく押し込まれているので、その近辺のCRでラグ板端子に押し付けられているものや互いに接触しているものに空間を確保する。

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ざっと内部を見てから裏板を閉めて真空管を(左chの310Bも電極を接着して)挿入し、SWを入れると、左chから異音が発生。
電源を切って初段の310Bを調べると、Grid電極の近くのガラスが約1㎜平方ほど欠落しているではないか。
Oh, my God!

電極を接着する際、こびり付いた接着剤らしきものの残滓をこそげ落とすときに、誤って割ってしまったのだろうか。ううう…。

かくしてWE310Bさまお一方は天に召された。

早速代わりをオークションで検索するが、ヤフオク・eBayともにWE310B、特にsmall punchのものは非常に高価という事実に意気消沈。

やむを得ずWE310A(ラージパンチ)とリザーブ用にSvetlana製10J12S(互換球)をそれぞれ2ペア落札。310Bほどではないが、とほほな出費を余儀なくされる。


(2)AETスペーサー&シェルワッシャー

巡回試聴用のAETスペーサーをAlexandriteとシェルの間に装着、シェルとアームの接続部のワッシャーもデフォルトのゴム質のものから、AETのスポンジチックのものに交換する。
カートリッジとシェルを固定するネジに先日噛ませたボロンワッシャーは外して試聴。試聴盤はいつものチャイ6番第3・4楽章、バーンスタイン指揮ニューヨークフィル(米CBS盤)だ。

繊細な信号の入り口ということで、何をしても音は変わるのだが、このAETのアクセサリーをつけると、音の粗さが殺がれ、キメが細かくなり、音場の奥行感が出る方向だ。

試聴盤の第4楽章のVn強奏部は耳にきつく、再生の難所だが、エッジを保ちながらもギリギリ耐えうるレベルに落ち着かせてくれる。一方で第3楽章の前に飛び出してくるような管楽器の咆哮は、若干落ち着きが与えられている。

これを聴くと、ボロンワッシャーは単にエッジを殺していたのみならず、全体の情報量を殺いでいたことがよくわかる。

Goldmund Studio のT3 armとカートMark Levinson MLC1の間にもスペーサーを入れて試聴したが、同様の傾向であった。

たぶんさほど高価な値付けとならないであろうから、販売されれば是非手に入れたい製品だ。

アナログはほんと、面白い。

(3)HD Tracks再開
Voyage MPDをやめてから(外付けHDDを倒してD/Lしたソースを損なってから)HD Tracksとは疎遠になっていたが、DELAが我家で定着したこともあって、あらためてハイレゾファイルに触手を動かす。

しかし、知っての通り日本からはエリア規制で購入できない。おいおい、同盟国じゃなかったのか?

VPNアプリを導入することにするが、ハイレゾファイルのダウンロードにはデータ量制限のある無料版は用をなさない。

結局NordVPNを採用するが、アプリをD/Lしても僕のMac OS 10.7 Lionでは開くことができない。

OSのアップグレードに伴う種々の不具合を恐れてLionのままとどまっていたのだが、ついに年貢の納め時か?

いろいろ他の方法をあたるが、妙案がないので思い切ってSierraをD/Lすることにする。D/Lボタンをclickしてあとは天に祈る。

数時間経過してD/Lが終了。desk top上のdoc.も無事保全された模様。おっと、yahoo.mailのアカウントが機能しなくなってしまった。(翌日三男に頼んで復旧)

Over all, 上出来だ。

早速NordVPNを開き、米国IP addressを利用してHD Tracksから独グラモフォン カラヤン指揮ベートーベン交響曲全集 96kHz/24bit音源をダウンロードする。

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これが重い。交響曲9曲分だから仕方がないと言えば仕方がないのだが、利用再開第1弾にしては、重たいファイルを選択してしまった。汗

結局半日かかって一巡したものの、1/3はD/L Failedとなっている。ここで慌ててHD TracksのFAQを見ると、D/L管理画面を閉じてもう一度D/Lを再開せよ、とあるのでそれに従う。・・・・・再び数時間経過。それでもまだ数楽章がFailedのままである。

再度D/Lを始めて、ようやくすべてFinishedに。やれやれ、大事業を成し遂げたような気持ちにさせてくれる。

HD Tracksから直接DELAにD/Lできればよかったのだが、今回はよくわからないままMacにD/Lしてしまったので、ここからDELAにファイルをCpyしなければならない。
しかし、もう消耗したので作業終了。気を取り直して週明けに作業を続けよう。

というわけで、相変わらずのITバカぶりを発揮した週末であった。







# by windypapa | 2017-08-27 19:20 | オーディオ | Comments(2)

Alexandrite

ウィリアム・H・マクニール「世界史」読了。
ブコウスキーやオースターなど読み易い書籍に偏っていた読書に変化球を投じたものだが、読み応えがあって通勤時間を愉しませてくれた。
"古代における支配層と被支配層の切り分けは、農業灌漑事業における指示者と作業者に始まり、王・神官が支配者たる理由を構築するために宗教が利用された。"
あるいは"青銅→鉄→鋼鉄製造技術の進化が農具の改良を生み、荒れ地を耕作地に変えて文明領域を拡大させ、同時に武器が進化することで戦術が変化し、その武器と戦術を学び取った文明地域の周辺民族がなだれ込んで支配者に取って代わり、あるいは先住民の文明を破壊して他の地域に移動し、ユーラシア大陸上の民族と文明のダイナミズムを作った" など学生時代に聞き覚えのある知識も、改めて実例を挙げて提示され、宗教・文化・学問・技術などの背景がその裏付けとして説明されると、年齢を重ねて硬化した脳細胞にもじんわりを沁み渡ってくる心地がするのであった。

なにより、学生時代のように必死のパッチで暗記する強迫観念から解放され、歴史を俯瞰的に語るマクニールの疑似講義に耳を傾けているような気持ちになるのが良い。
ごっそーさんでした。

それでは僕も、古代人に負けず、オーディオの方で「道具」の使い方の工夫に取り組もう。笑

JBLの3way化で出口を整備したので、アナログ信号の入り口の整備に取り掛かる。

釜山のムンさんから譲ってもらったヴィンテージOrtofon SPU-Gが奏でる、強力な低域に支えられたピラミッド型音場に惚れ込み、SME3012Rと不動のバッテリーを組ませてきたが、ここにきて歪が大きくなり、交響曲の再生では許容範囲を超えてきたので、意を決してPhasetech P-3 Alexandriteを起用したら想像以上の結果を生んだことはすでに記した。
Alexandriteは広範なレンジにわたって明瞭な輪郭で楽曲を再生する優等生だが、機器のセッティングのアラもすべて曝け出すコワい奴でもある。

高さ130㎝のラック上の硝子プレートに乗るTHORENS TD124が、SPが発する音圧や室内の空気の対流の影響を受けないわけはない。

そこで先日O氏の紹介で効果を知ったAETのインシュレーターを敷いてみる。

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さらに、量販店のPC DIYコーナーで見つけたボロンワッシャーを、ヘッドシェルとカートの間に挿入する。

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JAZZのBig Bandの音が飛び出してくる感覚はやや後退するが、クラシカルミュージックのVnの強勢音の音色はぐっと落ち着き、第1・第2Vnの突出が抑えられ、オーケストラらしい鳴り方に変わる。

さらに踏み込んで、デッドストック化していたMark Levinsonのヘッドアンプ、JC-1DCを引張りだす。

乾電池を入れて音を出すと、右chの音が小さく、音質も悪いので、中の基板JC-1SMを点検し、モジュールを交換してみるものの、改善しないので、はんだの劣化部分を探して修正する。

手持ちのJC-1DCは、シカゴ時代にeBayかAudiogonかで入手したもので、プロトタイプなのか、コの字型の上蓋パネルは通常のアルミニウムをヘアライン加工したもので、色もシルバーのままであるが、Mark Levinson JL-1というデザインロゴは、はっきりと刻印されている。
しかし基板上のモジュールは、無職の黒い樹脂で固めてあるだけで、Levinsonのシールは貼っていない。

だが上記補修をして音を出すと、透明感のある、鮮烈な音が飛び出してきた。

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ML-1と基本的に似た構成のヘッドアンプ基板だが、直接LCRフォノイコにつないで出す音は、また一味違う、ダイレクト感のある音に感じる。

しかも乾電池駆動の故か、アース不要でハムから解放されるのである!

ものには相性というが、AlexandriteはMalotkiトランスよりもJC-1とそりが合うようで、ゴツゴツ感が取れてよりスムーズな音楽を紡ぎ出す。

それではと、Goldmund Studio上のMark Levinson MLC-1もJC-1につないでみると、今度は逆に大人し過ぎて面白くない。
MLC-1にはやはりMalotkiの突進力、馬力が相応しい。

まことに取り合わせは難しいものだ。

さてそんなことをしていると、御茶ノ水の方からAETインシュレーターに似た素材から成るアームシェル取り付けリング(ワッシャー)とシェル・カート間シートが試聴で回って来た。

さてさて。 続く(たぶん)




# by windypapa | 2017-08-16 21:20 | オーディオ | Comments(0)

マスカーニ「カヴァレリア・ルスティカーナ」より間奏曲 Mascagni, Cavalleria Rusticana

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8日、会社の同僚と暑気払いに行った貿易センタービル上層階のBuffetから望む夕陽と東京タワー。
この左手前には、建設中の日生ビルが迫り、大型クレーンが聳え立っている。
貿易センタービルもあと数年で建替えという話だ。 Time Flies.

翌9日、夏休みを取って猛暑の中、ミューザ川崎に向かう。
フェスタ サマーミューザ KAWASAKI 2017と銘打ったシリーズの、小林研一郎指揮日本フィルによるコンサート。プログラムは次の通り。

ドビュッシー:小組曲
サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ Vn.小林美樹
マスネ:タイスの瞑想曲 Vn.小林美樹
クライスラー:レチタティーボとスケルツォからスケルツォ(アンコール)

ベルリオーズ:幻想交響曲
マスカーニ:カヴァレリア・ルスティカーナより間奏曲(アンコール)

開演は15:00だが、11:30からの公開ゲネプロが今回のお楽しみ。
自由席ということで、前から3列目ほぼ中央に着席する。

てんでに練習していたオーケストラのメンバーが揃い、長髪に着古した黒い長袖Tシャツと黒い綿パンツ、という設営のスタッフの一人かと見まごう出で立ちで、小林研一郎が定時に登場。

客席に挨拶を述べた後、幻想の3楽章の始めと終わり、4楽章のほぼ通し、戻って1楽章のさわり~とリハを進める。
客席とステージが非常に近いので、指揮者・奏者の表情から指先の動きまでよく見渡せ、またコバケンの指示、奏者の椅子の軋み、楽譜をめくる音までよく聞こえる。

響きが良いとのミューザの評判は耳にしていたが、リハーサルの数小節を聴いて評判通りであることがわかった。

本番前の「おさらい」なので当然と言えば当然であるが、非常に完成度の高い演奏を目の前で繰り広げる日フィルの、その調べの美しさに胸が一杯になる。
そして要所要所で演奏者に、あるいは該当のパートに、独特の言い回しで、時に自ら歌って見せながら、こうしてほしい、と指示を出すマエストロの姿に、感銘を受けた。

例えば第1楽章導入部では、フルートとクラリネットに、「夢の中、という感じで!」と音の立ち上がりのタッチをより弱音から始めるように修正し、続くVnにも「何とも言えない切ない気持ちを込めて(というような趣旨だったと思う)」という指示を出してメロディーに情感を乗せる、など、指揮者の頭の中のイメージと演奏を同化させていく作業と、見事にそれに応える日本フィルのメンバーの技量に、感じ入ったのだ。

かといってマエストロは決して偉ぶることなく、常に「~お願いします」の語尾で語り掛け、修正されたら「感謝です」で進めていく会話法で、その「謙虚な熱意」がオケを動かしていく様は、見ていてたいへん気持ちが良いものであった。

Vn.ソリストのリハでは、タイス~を始めるや指揮台を下りて客席後方まで下がり、自らVn.の音を確認する念の入れようだ。ここまでされたら良い演奏で応えるしかないではないか。

そして、「ネタバレですが…」と苦笑いしながら紹介された"アンコール曲"、マスカーニ作曲『カヴァレリア・ルスティカーナ』間奏曲のなんと美しい響き。
天上からの音楽とはこのことであろうか。

休憩時間を挟んで賞味1時間30分のゲネプロであったが、実に多くのものを見聞きさせてくれ、心が満ち足りた90分であった。

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ゲネプロ後、休憩をはさんで始まった本番プログラムは、だからもう悪いわけがない。

直前に入手した席はオケの左後方2階席であったが、ゲネプロ鑑賞時に受け止めた、楽器の『直接音』成分は減ったものの、よく調合された『ホールの音』を堪能することができた。

このようにステージ側から見ると、このホールがなぜ良い響きを生むのか、感覚的に理解できる気がする。

正十角形を崩した形のステージ&アリーナを筒型に立ち上げ、その十角柱を囲む形で2階席以上の客席を、傾斜を入れて配している。

震災時の天井崩落で強度上の問題は出たが、音質的には素晴らしい設計で、日本を代表するホールの一つという評判は的を得たものだ。

大いに満足感を得て帰宅したが、それを持続させるにはそのまま寝てしまうべきであった。

素晴らしい響きが頭の中にはっきりと残っているのに、わざわざオーディオシステムに灯を入れてしまうとは!

先週はあれほど達成感に満たされていたというのに、いまここ(オーディオルーム)で耳にする音は、なぜか空々しい"作り物"の音でしかない。

そりゃそうだよな。

ソースそのものが、あくまで疑似的な"フィクション"なのだから。

しかーし、アリーナ席の前から3列目中央で聴いたあの音を忘れないぞ! 

そして少しでもあの音に近づくべく『フィクション』に色付けをしてやろうじゃないか。

‥と、やせ蛙。






# by windypapa | 2017-08-09 20:55 | music | Comments(0)

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